人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

早わかりビリー・ホリデイ(1915-1959)

Billie Holiday - Complete Masters 1933-59 (Universal Import, 15CD, 2014)
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Billie Holiday - PERFECT COMPLETE COLLECTION BOX (Sound Hills, 12CD, 1993/2016)
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 20世紀のジャズ・ヴォーカルで最高の歌手を上げればフランク・シナトラ(1915-1998)、そしてビリー・ホリデイ(1915-1959)さんになるでしょう。この同年生まれの二人は1920年代までのジャズを総合し、'30年代~'40年代のポピュラー歌曲を次々とジャズ・ヴォーカル化し、シナトラとビリーさんのレパートリーはそのまま'40年代以降のモダン・ジャズ=ビ・バップ、ハード・バップのスタンダード曲になりました。デビューは女性だけあってビリーさんの方が早く、18歳にレコード・デビューしていますが、5年遅れてデビューしたイタリア系白人歌手のシナトラが30代には国民的歌手となったのに較べ、黒人女性歌手のビリーさんは生涯ジャズ・マニア向けの歌手にとどまりました。この二人はおたがいに認めあっていたにもかかわらず一般的人気には雲泥の差があり、ビリーさんが44歳で逝去した時に生涯の録音曲はCD15枚分だったのに対し、シナトラはすでにCD46枚分ものシングル、アルバムを発表していました。またビリーさんは後輩でレコード会社がビリーのライヴァルとしてプッシュしたエラ・フィッツジェラルド(1917-1996)よりも大衆性がなかったので、ビリーさんより2年遅れでデビューしてヴァーヴ(クレフ)・レコーズがビリーの対抗馬として全力で売り出したエラは、ビリーの没年までにCD48枚分もの録音の機会に恵まれています。またサラ・ヴォーン、カーメン・マクレイ、シーラ・ジョーダンらはディジー・ガレスピーがビリーの後継者として育てた歌手で、ビリーのステージに欠かせない椿の花を楽屋でビリーにヘアメイクするのを名誉としていたビリー直系の若手女性ジャズ・ヴォーカリストたちでした。

 ビリーさんは'30年代~'40年代にまだバックバンドが2ビート感覚で演奏しても、いち早く8ビートや16ビートのリズム・アクセントで自在に歌えるとんでもないヴォーカリストでした。'40年代以降のチャーリー・パーカーディジー・ガレスピーバド・パウエルレニー・トリスターノマイルス・デイヴィスら管楽器・ピアニストからベーシスト、ドラマーまでビリーのリズム感覚に学んだのがモダン・ジャズ=ビ・バップを決定づけた功績が、シナトラのポピュラー・ヒットからのスタンダード・ジャズ化による影響を上回るのはその点です。バックバンドが'30年代~'40年代の古いビート感覚で演奏していても、ビリーのヴォーカルが古びないのは、洗練されて悠然とした(それはそれで古びない)シナトラのスタイルと好対照をなしていました。ビリーさんは18歳でデビューしてから44歳で亡くなるまで、生涯4つのレコード会社からアルバムを出しました。コロンビア、コモドア、デッカ、ヴァーヴ(クレフ)の4社ですが、レコード会社の垣根を越えて、全録音323曲(スタジオ録音の再アレンジ曲含む)は15枚組CDボックス『Complete Masters 1933-59』(Universal Import, 2014)にまとめられています。15枚組CDボックス『Complete Masters 1933-59』はコロンビア、コモドア、デッカ、ヴァーヴ(クレフ)の全時期にまたがっていたすが、いきなり全集から入るのはきついですから、各レコード社別のベスト盤から入るのが手頃でしょう。
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Lady Day : The Best of Billie Holiday (Columbia/Sonny, 2004) : https://youtube.com/playlist?list=PLqV7XxSWoH8rUSHAl2NaT1vVCbhsv9HbT
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Billie Holiday - In Commodore (Commodore, 1959) : https://youtube.com/playlist?list=PLArpKJA0hY4oTuB3_gME6HPYyVmOXJoS1
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The Best of Billie Holiday (Decca, 1995) : https://youtube.com/playlist?list=PLidwfRkMJi-0HmN4MXVmNV0YlWh3hixBo
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Billie Holiday - Lady in Autumn : The Best of The Verve Years (Polygram/Veive, 1995) : https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_mngoS4xzZouIkUPmptklAz-5n9QMXw7M0

 コロンビア、コモドア、デッカ、ヴァーヴ(クレフ)では個別にビリー・ホリデイ全集があり、そこでは『Complete Masters 1933-59』には収められなかった別テイクや没テイクも収められています。別テイクや没テイクを加えると全録音曲はほぼ500曲になります。ビリーさんは初期(コロンビア)・中期(コモドア、デッカ)・後期(ヴァーヴ)の全部の時期がいいですが、親しみやすい選曲とアレンジでお薦めできるアルバムは、ヴァーヴ(クレフ)移籍から1952年の最初の2枚の10インチLPをカップリングした『Solitude』(Verve, 1956)40代になってビリー自選の代表曲を新アレンジで再録音した『Lady Sings the Blues』(Verve, 1956)、最晩年にコロンビアに一時戻ってシナトラ曲集に挑戦した『Lady in Satin』(Columbia, 1958)あたりでしょうか。ビリーさんは1949年に丸1年を服役して過ごし、30代後半からはカムバックの意欲とヴォーカルの衰えと常に戦いながらキャリアを過ごすことになるので、20代~30代前半が絶頂期なのですが(コロンビア、コモドア、デッカ)、当時はシングル単位の録音のため、1930年代~1940年代録音の曲はコロンビア、コモドア、デッカからのベスト盤か、各社からの全集、または完全版全集『Complete Masters 1933-59』の方が全録音曲をまとまって聴けます。それでも『Solitude』から始まる30代後半からのアルバムはいずれも力作で、バックバンドの演奏ともどもようやく時代がビリーさんの先進性に追いついた充実したアルバムを年1作ペースで制作し、ライヴァルのシナトラのレパートリーに的を絞って、シナトラの得意としていたオーケストラとの共演アルバム『Lady in Satin』はビリー畢生の壮絶な作品になりました。
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Billie Holiday - Solitude (Clef/Verve,, 1956) : https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_k1rTXudTOWSSLjBzqOfElk4giDVeS70Ds
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Billie Holiday - Lady Sings the Blues (Clef/Verve, 1956) : https://youtube.com/playlist?list=PLL-NbN8uTOijOnUzOLDp8hiwSH9xTR8ex
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Billie Holiday - Lady in Satin (Columbia, 1958) : https://youtube.com/playlist?list=PLowQCq3Ss89gDUf-tVxYV7g94WL0raY8M

 また、ビリーさんにはコンサートからのラジオ中継・テレビ出演の放送用録音を集めたアルバムもあり、アルバム単位でも出ていますが、こちらは12枚組CDボックス『PERFECT COMPLETE COLLECTION BOX』(Sound Hills, 1993/2016)にまとめられています。ボックスにも収録されていますが、1951年・1953年のラジオ中継用ライヴを収めた『At Storyville』と1954年のヨーロッパ公演からの『Lady Love (Billie's Blues)』、1958年の第1回ニューポート・ジャズ・フェスティヴァルの出演を収録した『At Monterey』はバックがすでにモダン・ジャズ世代の若手ジャズマンなのですっきり聴け、ビリー自身はコンディションにムラが目立ってきた時期のライヴなのですが、ライヴ録音で観客を前にしたビリーの歌唱が聴けるライヴとしてスタジオ盤以上に活き活きとしたビリーの歌唱が聴ける、人気の高いアルバムになっています。また『Billie Holiday At Newport』はビリー最晩年の、エラ・フィッツジェラルドとのスプリット・アルバムで、ビリー最低のヴォーカル・パフォーマンスで悪名高いアルバムですが、それでも十分に感動的なので、2019年にリリースされたヴァーヴ(クレフ)時代のアルバム12枚をカップリング収録したReel To Reelレコーズの6枚組廉価版CD『Twelve Classic Albums』も晩年8年のビリーの録音集成としてお薦めできるコンピレーション盤です。
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Billie Holiday At Storyville (Black Lion, 1976) : https://youtu.be/yAha_-CIo8U
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Billie Holiday - Ladylove (United Artists, 1962)
Billie Holiday - Billie's Blues (aka "Ladylove", Blue Note, 1988) : https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_l0L3Sx3pG4nPQ-x2ADpZzbjHtVfOgrdls
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Billie Holiday At Monterey 1958 (Black Hawk, 1986) : https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_nGkLlfRW6QWpg44N4ZuidGwM0h76ulT7I
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Billie Holiday - Twelve Classic Albums (Reel To Reel, 2019)

 ビリーは人生の辛酸から苦楽までを知りつくした女性でした。娼館経営の母から生まれ、少女時代には街娼経験もあり、ハリウッド映画の主演もし、名声の絶頂にも立てば、買春から投獄まで、最晩年(まだ44歳!)にはステージに立つこともやっとで、元カウント・ベイシー楽団の盟友レスター・ヤング(1909-1959)が3月に逝去した時には体調悪化を押して参列するも、葬送歌を歌おうとして白人のレスター未亡人に断られて泣く泣く帰ってきたと証言されています。レスターの没後4か月の7月に入院・逝去するも資産も社会的地位も保証人もない貧乏黒人患者として危篤寸前まで廊下に放置され、亡くなった時の資産は預金残高70セント、遺体検死でストッキングに750ドルを結わえつけてあったのがわかったという人です。黒人女性ジャズ歌手ということで誤解がありますが、シナトラと同じくビリーはブルース歌手ではなくバラード歌手で、ブルースのレパートリーは全録音のうち即興曲の数曲しかありません。またビリーの歌は孤独な女性像(「The Man I Love」「Lover Man」、そして「Good morning Heartache」)を歌ったものばかりでしたが、絶望のどん底から常に希望を湛えた、抱擁力に満ちた暖かみのある歌声を届けてくれるものでした。それがシナトラの楽観性や社会的野心とは違う、もっと抑圧され悲しみを知る人々に届いたのです。ジャズ・ヴォーカルの悲劇のヒロイン、才こそあれ破滅型女性の典型のようなイメージを取り払って、純粋に最後まで生きる喜びに満ちていたビリーの歌声をお聴きください。そしてビリーの後継者は、チャーリー・パーカーバド・パウエルエリック・ドルフィーら真に革新的なジャズマンにのみ現れたのです。

2022年新作冬アニメ(1月~3月)放映予定一覧(首都圏版)

鬼滅の刃 遊郭
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 2022年新作深夜アニメも放映予定が揃いましたので、首都圏での地上波局と無料BS局のみですが、一覧にまとめました。2021年秋からの「鬼滅の刃」新クールが強すぎて、新作が割を食い、第二クール作品の比率も多いのが目立ち、新作ラッシュになった2021年秋アニメからはずいぶん地味になった印象を受けます。またソフト化ディスクの売り上げも落ちる一方なのに対抗してか、有料サイトでの先行配信作品の多さもめだちます。正月三が日から放映されるのも1月2日の「鬼滅の刃」(この日は23:30からに時間変更)だけ、というのも寂しいですが、2021年秋アニメでは「月とライカと吸血鬼」がそうだったように、思いもかけず良い作品にめぐりあえるのを期待したいと思います。なおここに洩れた連続2クール作品、再放送作品については、気づく都度に追加していきますので、再度ご参照の上、お役立ていただければ幸いです。なお12月中旬から1月8日まで今年のプリキュアシリーズ「トロピカル~ジュ!プリキュア」がTVeiで全話無料視聴が行われており、年末年始ほかに面白いテレビ番組もないし、という向きには「トロピカル~ジュ!プリキュア」一気観のチャンスです。こちらもお薦めします。
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●日曜日
◎永遠の831
WOWOW:01/30(日) 20:00~
◎時光代理人-LINK CLICK-
TOKYO MX:01/09(日) 21:30~
BS11:01/09(日) 22:30~
◎錆色のアーマ-黎明-
TOKYO MX:01/09(日) 22:00~
>BSフジ:01/11(火) 24:00~
◎薔薇王の葬列
TOKYO MX:01/09(日) 22:30~
BS11:01/11(火) 24:00~
◎フットサルボーイズ!!!!!
TOKYO MX:01/09(日) 23:00~
BS11:01/11(火) 24:30~
鬼滅の刃 遊郭
>フジテレビ系:12/05(日) 23:15~
TOKYO MX:12/11(土) 23:30~
BS11:12/11(土) 23:30~
進撃の巨人 The Final Season 第2クール
NHK総合:01/09(日) 24:05~
◎佐々木と宮野
TOKYO MX:01/09(日) 24:30~
BS日テレ:01/10(月) 24:00~
◎王子の本命は悪役令嬢
TOKYO MX:01/09(日) 25:00~
BS11:01/09(日) 25:00~

●月曜日
◎トライブナイン
TOKYO MX:01/10(月) 22:30~
BS11:01/10(月) 23:00~
範馬刃牙(バキ 続編) (※Netflix配信済)
TOKYO MX:01/10(月) 23:00~
◎プリンセスコネクト!Re:Dive Season2
TOKYO MX:01/10(月) 24:00~
BS11:01/10(月) 24:00~
◎錆喰いビスコ
TOKYO MX:01/10(月) 24:30~
BS11:01/10(月) 24:30~
範馬刃牙と被ってる。
TVQ:01/10(月) 26:00~
◎幻想三國誌 天元霊心記
>BS12:01/10(月) 26:00~
◎オンエアできない!
テレビ東京:01/10(月) 26:30~

●火曜日
◎漢化日記
>CS衛星劇場:01/12(水) 20:55~ ※毎週(水)(木)に放送 ※毎週(土) 17:00~ 2話連続放送
◎アニメの神様「ドラゴンボールZ
>TOKYO-MX : 22:00~
◎アニメの神様「機動戦士ガンダムAGE
>TOKYO-MX : 22:30~
◎天才王子の赤字国家再生術
TOKYO MX:01/11(火) 23:00~
BS日テレ:01/11(火) 24:00~
異世界美少女受肉おじさんと
テレビ東京:01/11(火) 24:00~
BSテレ東:01/14(金) 24:30~
◎賢者の弟子を名乗る賢者
TOKYO MX:01/11(火) 24:30~
BS日テレ:01/11(火) 24:30~
◎イロドリミドリ (ショートアニメ)
TOKYO MX:01/04(火) 25:00~

●水曜日
◎リアデイルの大地にて
TOKYO MX:01/05(水) 23:30~
BS日テレ:01/05(水) 24:30~
◎オリエント
テレビ東京:01/05(水) 24:00~
BSテレ東:01/05(水) 24:30~
◎殺し愛
TOKYO MX:01/12(水) 24:00~
BS日テレ:01/12(水) 24:00~
◎東京24区※初回1時間SP、第2話より24:30~
TOKYO MX:01/05(水) 24:00~・01/12(水) 24:30~
BS11:01/05(水) 24:00~・01/12(水) 24:30~
平家物語 (※FODにて配信済み)
>フジテレビ:01/12(水) 24:55~
◎ハコヅメ~交番女子の逆襲
TOKYO MX:01/05(水) 25:05~
BS日テレ:01/06(木) 24:00~

●木曜日
◎ありふれた職業で世界最強 2nd season
TOKYO MX:01/13(木) 24:00~
BS11:01/13(木) 24:00~
最遊記RELOAD -ZEROIN-
TOKYO MX:01/06(木) 24:30~
BS11:01/06(木) 24:30~
◎プリコネ2期と被ってる。
BS11:01/13(木) 25:00~
◎あたしゃ川尻こだまだよ
>フジテレビ:01/--(木) 25:25~ ※ 「EXITV」内にて放送。

●金曜日
◎お昼のショッカーさん
TOKYO MX:01/21(金) 19:28~
◎スローループ
TOKYO MX:01/07(金) 22:30~
BS11:01/07(金) 23:00~
ヴァニタスの手記 第2クール
TOKYO MX:01/14(金) 24:00~
BS11:01/14(金) 24:00~
ジョジョの奇妙な冒険 ストーン・オーシャン *Netflix放映済み
TOKYO MX:01/07(金) 24:30~
BS11:01/07(金) 24:30~
◎ドールズフロントライン
TOKYO MX:01/07(金) 25:00~
BS11:01/07(金) 25:00~
からかい上手の高木さん
>TBS系:01/07(金) 25:25~
終末のハーレム
TOKYO MX:01/07(金) 25:30~
>BSフジ:01/07(金) 28:00~
◎CUE!
>TBS:01/07(金) 25:55~
BS-TBS:01/07(金) 26:30~

●土曜日
◎失格紋の最強賢者
TOKYO MX:01/08(土) 22:00
BS11:01/08(土) 22:00~
◎22/7計算中(バラエティ)
TOKYO MX : 23:00~
鬼滅の刃 遊郭
TOKYO MX:12/11(土) 23:30~
BS11:12/11(土) 23:30~
◎その着せ替え人形は恋をする
TOKYO MX:01/08(土) 24:00~
BS11:01/08(土) 24:00~
◎明日ちゃんのセーラー服
TOKYO MX:01/08(土) 24:30~
BS11:01/08(土) 24:30~
BS朝日:01/09(日) 23:00~
◎現実主義勇者の王国再建記 第2期
TOKYO MX:01/08(土) 25:30~
BS11:01/08(土) 25:30~
◎リーマンズクラブ
テレビ朝日系:01/--(土) 25:30~
BS朝日:01/--() ~
◎怪人開発部の黒井津さん
テレビ朝日系:01/08(土) 26:00~
BS11:01/09(日) 24:00~

●放映日時未定
◎テイルズ オブ ルミナリア -The Fateful Crossroad-
>各配信サイト:01/21(金)
◎地球外少年少女
Netflix:01/28(金)
◎闇芝居 十期
テレビ東京:01/--(-) ~
◎デリシャスパーティ♡プリキュア
テレビ朝日系:02/--

急報、マイク・ネスミスさん(ザ・モンキーズ)永眠、78歳

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モンキーズのギタリスト、ヴォーカリストのマイク・ネスミスが12月10日、78歳で永眠した。
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モンキーズのマイク・ネスミス、78歳で死去 : https://news.yahoo.co.jp/pickup/6412125
日曜日はモンキーズ! : https://ameblo.jp/fifth-of-july/entry-12705853414.html
モンキーズのギタリスト、ヴォーカリストのマイク・ネスミスが12月10日、78歳で永眠した。
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モンキーズ画像
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 『Rolling Stone』誌によると、家族は「今朝、自宅で家族に囲まれる中、安らかに息を引き取った」との声明を出した。自然死だったという。

 60年代半ばから、世界中で人気を博したモンキーズの一員として活躍してきたネスミスは、「Listen To The Band」「Sunny Girlfriend」「Tapioca Tundra」など多くの曲を作り、ソングライティングでも才能を発揮し、モンキーズ解散後はソロ活動を行い、10枚以上のアルバムを発表してきた。

 この数年はモンキーズの活動を再開しており、先月11月14日、ミッキー・ドレンツと共に、モンキーズの最後のツアーと告知された<The Monkees Farewell Tour>を終えたばかりだった。

 ドレンツは「心が張り裂けている。僕は大切な友人、パートナーを失った。最後の数ヶ月、僕らが最も愛すること──歌う、笑う、おどけながら一緒に過ごせてよかった。ものすごく寂しくなる。特に僕らのおふざけに関しては。ネズ、安らかに」と、追悼の言葉をあげている。

(BARKS, Yahooニュース, 12/11(土) 8:59配信)

 モンキーズ参加以前からすでにカントリー・ロック指向のスティーヴン・スティルスとも親しく交友を持ち、ミュージシャンを活動していたマイク(マイケル)・ネスミスさん(1945-2021)はモンキーズの実質的な音楽的リーダーでした。1970年にいったん解散するまでのモンキーズの全アルバム、全シングルについては、旧記事「日曜日はモンキーズ!」につい先日まとめたばかりです。また今秋の全米ツアーの様子はリブログさせていただいたレモンパイパーさんのごブログのご記事で最新のニュースが届けられたばかりでした。

 あまりの急報に言葉もありませんが、訃報に添えてネスミスさんがもっともモンキーズに貢献した楽曲の数々から、人気絶頂期のセカンド・アルバム『アイム・ア・ビリーバー (More of The Monkees)』(全米・全英1位)への提供曲「メリー・メリー」(モンキーズ以前にポール・バタフィールド・ブルース・バンドが1966年8月のアルバム『イースト・ウエスト (East-West)』で初演していますが)、ピーター・トークさん(1942-2019)脱退後にミッキー・ドレンツさん(1945-)、デイビー・ジョーンズ(1945-2012)さん、ネスミスさんのトリオになった唯一のアルバム(次作『チェンジズ (Changes)』はネスミスさんも脱退し、ミッキーとデイビーの二人のアルバムになります)『モンキーズ・プレゼント (The Monkees Present)』収録曲の先行シングルでマイクさん自作曲にしてリード・ヴォーカルもとりA面の「サムデイ・マン」(全米92位)よりヒットしたB面曲(日本では最初からA面)「すてきなミュージック」、ネスミスさんの自作曲かつリード・ヴォーカル曲で初めてアメリカ本国でのシングルA面として発表された実質的にネスミスさんのソロ・シングル「すてきなブルーグラス」の3曲を、ネスミスさんが最後にモンキーズでやりたいことをやり尽くしたアルバム『モンキーズ・プレゼント』全編の試聴リンクとともに上げておきます。最後のツアーといってもリクエスト次第では日本公演の可能性も期待されていただけに、11月のツアーも本人の強い希望でドクターストップを押して行われていたのかもしれないと思うと胸が詰まります。今や唯一現存メンバーとなったミッキー・ドレンツさんの長命を願ってやみませんが、ニット帽のネスミスさんの逝去をもって今後モンキーズの再結成は考えられないと思うとあまりの喪失感に心にぽっかり穴が空いたようで、茫然自失とするばかりです。
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ザ・モンキーズ The Monkees - メリー・メリー Mary, Mary (Michael Nesmith) (Official MV, From the album "More of The Monkees", Colgems COM-102, 1967.1.26) - 2:23 : https://youtu.be/AMNize7s8nc
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ザ・モンキーズ The Monkees - すてきなミュージック Listen to the Band (Michael Nesmith) (Official MV, Single B-Side, Colgems, 1969.4.26) - 2:43 : https://youtu.be/AweItvbPmBQ
Originally Released by Colgems 66-5004, Single "Someday Man b/w Listen to the Band", 1969.4.26, US♯63
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ザ・モンキーズ The Monkees - すてきなブルーグラス Good Clean Fun (Michael Nesmith) (Official MV, Single A-Side, Colgems, 1969.9.6) - 2:17 : https://youtu.be/-Gmgz2tqJEU
Originally Released by Colgems 66-5005, Single "Good Clean Fun b/w Mommy and Daddy", 1969.9.6, US♯82
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Both included in the album モンキーズ・プレゼント The Monkees Present (Colgems COS-117, 1969.10.11) : https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_kX12SMG8mgoHUuWUJgk9Jg5u9wFx_YJs4

衝撃の『ジャガー自伝 みんな元気かぁ~~い?』!

ジャガー自伝 みんな元気かぁ~~い?」の表紙
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ジャガーさん東京大空襲で火だるまに 木更津高時代、1人で自動車を自作 ”千葉の英雄”自伝出版へ 驚きの秘話続々
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ヤフーニュース「驚きのジャガー自伝」https://news.yahoo.co.jp/articles/109a3f8986f8a79dec9e062c2437fe05acfc9c17
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 空襲被害に遭い千葉に疎開、高校時代にはたった1人で自動車を自作―。「故郷のジャガー星に帰還した」と10月に突如発表し、世間を驚かせた千葉のご当地ミュージシャン、JAGUARジャガー)さんが「帰還」前に執筆した自伝が17日、出版される。自ら制作した音楽番組を千葉テレビで毎週放映するという「伝説」を残したジャガーさんだが、衣装から建物まであらゆるものを自分で作ってしまう「DIYの天才」ぶりを開陳。東京大空襲の被害者であることや、疎開で千葉にやって来たこと、木更津第一高校(現・木更津高校)で東大進学を勧められるほどの秀才だったことなど、これまで明かされなかった秘話の数々を打ち明けている。
https://ameblo.jp/fifth-of-july/entry-12702538065.html
木更津第一高校では美術部に所属。自身の絵の隣に立つジャガーさん(「ジャガー自伝」より)
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 「世」に出る前のジャガーさんの足跡はこれまで謎に包まれていたが、自伝では、1944年生まれで戦争体験者である、という驚きの事実が明かされる。 自伝によると、45年3月、「地球での仮の姿」の1歳の頃、当時家族と住んでいた東京・北千住で東京大空襲に遭遇。焼夷(しょうい)弾の炎に巻き込まれて火だるまになったが、両親が必死に消し止め命拾いをした。その後、千葉の長浦(袖ケ浦市)に疎開・転居したのが、千葉との縁の始まりだったという。 長浦小学校に通い、米軍ラジオ放送の洋楽に熱中する一方、工作にも没頭。中学時代には蒸気の力で走るリアルな機関車模型や望遠鏡を制作し、木更津第一高時代には、エンジンを積んだ三輪自動車を鈑金も含めて全て1人で作り上げた。 洋画家だった父の影響で絵画もたしなみ、高校では美術部に所属。洋裁にも夢中になり、妹にスタジャン、姉にスーツを作って贈るなど、若い頃から創造力を”爆発”させていた。 一方で学業でも秀才ぶりを発揮。高校時代は学年400人中1位をたびたび取った。教師から東大進学を勧められたが、芸術に関心があったため写真の専門学校に進んだという。 洋服直しの店を複数展開するなど経営者の顔も持つジャガーさん。自らのド派手な衣装はもちろん、旋盤加工や溶接などの技術を駆使して店舗の内装やライブハウスもDIYで制作。極め付きは市川・本八幡の3階建てビル。従業員と力を合わせ、設計、強度計算、配管、配線など「あらゆる知識を総動員して」手作りで建設したというから驚きだ。楽曲の発信のために千葉テレビの音楽番組「ハロー・ジャガー」を自ら制作したという話は知られているが、その背景には、何でも自身で作らないと気が済まない「DIY精神」があった。

ジャガーさんが高校2年生のときに自作した三輪自動車(「ジャガー自伝」より)
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「世」に出る前のジャガーさんの足跡はこれまで謎に包まれていたが、自伝では、1944年生まれで戦争体験者である、という驚きの事実が明かされる。 自伝によると、45年3月、「地球での仮の姿」の1歳の頃、当時家族と住んでいた東京・北千住で東京大空襲に遭遇。焼夷(しょうい)弾の炎に巻き込まれて火だるまになったが、両親が必死に消し止め命拾いをした。その後、千葉の長浦(袖ケ浦市)に疎開・転居したのが、千葉との縁の始まりだったという。 長浦小学校に通い、米軍ラジオ放送の洋楽に熱中する一方、工作にも没頭。中学時代には蒸気の力で走るリアルな機関車模型や望遠鏡を制作し、木更津第一高時代には、エンジンを積んだ三輪自動車を鈑金も含めて全て1人で作り上げた。 洋画家だった父の影響で絵画もたしなみ、高校では美術部に所属。洋裁にも夢中になり、妹にスタジャン、姉にスーツを作って贈るなど、若い頃から創造力を”爆発”させていた。 一方で学業でも秀才ぶりを発揮。高校時代は学年400人中1位をたびたび取った。教師から東大進学を勧められたが、芸術に関心があったため写真の専門学校に進んだという。 洋服直しの店を複数展開するなど経営者の顔も持つジャガーさん。自らのド派手な衣装はもちろん、旋盤加工や溶接などの技術を駆使して店舗の内装やライブハウスもDIYで制作。極め付きは市川・本八幡の3階建てビル。従業員と力を合わせ、設計、強度計算、配管、配線など「あらゆる知識を総動員して」手作りで建設したというから驚きだ。楽曲の発信のために千葉テレビの音楽番組「ハロー・ジャガー」を自ら制作したという話は知られているが、その背景には、何でも自身で作らないと気が済まない「DIY精神」があった。
https://ameblo.jp/fifth-of-july/entry-12706413914.html
 「ハロー・ジャガー」が始まった経緯や、ジャガーさんの店で働いていたX JAPANのhideさんの真面目な仕事ぶり、ジャガーさんに憧れて面接に訪れた中学時代の氣志團綾小路翔さんの様子なども、本人の口から詳しく語られている。 「星への帰還」前にはビルのエレベーターを自作する計画も立て、実現していたというジャガーさん。担当編集者は「現代の平賀源内か、エジソンか、というぐらいジャガーさんは”モノづくりの天才”だった」と話す。千葉の戦後史も交えて描かれており、千葉と歩みをともにしたジャガーさんが、なぜ千葉を愛し、愛されたのかがよく分かる一冊となっている。 「ジャガー自伝 みんな元気かぁ~~い?」(全312ページ)はイースト・プレス刊。1540円。

(「千葉日報」2021年12月6日)

新発見!ジョン・コルトレーン『至上の愛』ライヴ!

ジョン・コルトレーン - 至上の愛~ライヴ・イン・シアトル (Impulse!, 2021)
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ジョン・コルトレーン John Coltrane - 至上の愛~ライヴ・イン・シアトルA Love Supreme / Live In Seattle (Impulse!, 2021)
Recorded at The Penthouse, Seattle, US, October 2, 1965
Released by Impulse! Records / Universal Music Entertainment CD 00602438499977, October 22, 2021
Recorded by Joe Brazil
(Tracklist)
1. 至上の愛 パート1:承認 A Love Supreme, Pt. I - Acknowledgement - 21:59 : https://youtu.be/28FDmhoAV0M
2. インタールード1 Interlude 1 - 2:36
3. 至上の愛 パート2:決意 A Love Supreme, Pt. II - Resolution - 11:05
4. インタールード2 Interlude 2 - 6:26
5. 至上の愛 パート3:追求 A Love Supreme, Pt. III - Pursuance - 15:44
6. インタールード3 Interlude 3 - 6:38
7. インタールード4 Interlude 4 - 4:20
8. 至上の愛 パート4:賛美 A Love Supreme, Pt. IV - Psalm - 7:21 : https://youtu.be/CmDbJ8TrQe8
[ John Coltrane Septet ]
« The John Coltrane Quartet »
John Coltrane - tenor saxophone, percussion
Jimmy Garrison - double bass
Elvin Jones - drums
McCoy Tyner - piano
with
Carlos Ward - alto saxophone
Pharoah Sanders - tenor saxophone, percussion
Donald Garrett - double bass

(Original Impulse! "A Love Supreme / Live In Seattle" CD double Digipack Liner Cover, Inner Cover & CD Label)
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See also : https://ameblo.jp/fifth-of-july/entry-12581228921.html

 ジョン・コルトレーンのアルバム『至上の愛 (A Love Supreme)』(Impulse!, 1965.1)はインパルス!レコーズのプロデューサー、ボブ・シールの下、ニュージャージーのヴァン・ゲルダー・スタジオで1964年12月9日と10日のセッションで録音されています。オリジナル・アルバムには9日のコルトレーン・カルテットによるマスター・テイクのみが収録され、10日に録音さセクスセット(2テナー、2ベースの6人編成)のアーチー・シェップ(テナーサックス)とアート・デイヴィス(ベース)を迎えてパート1のみを演奏見直した10日録音分は没にされ、2002年のCD2枚組、2015年のCD3枚組の没テイク増補版まで未発表になりました。また『至上の愛』全4曲はカルテットによって1965年7月26日にフランスのアンティーブ・ジャズ祭で全曲演奏され(約48分)、フランスの国営放送がラジオ中継していたその時のライヴしかライヴ・テイクが残っておらず、その時以外に全4曲がバラでも通してでも演奏された記録も証言もなかったため、それが唯一の『至上の愛』ライヴ演奏だと推定されていました(長い間ハーフ・オフィシャルのインディー盤で出回っていたこのアンティーブ・ジャズ祭でのライヴも、2002年・2015年の増補版CDに公式収録されました)。ところが昨年、コルトレーン・カルテットが1965年10月の西海岸ツアー時に、コルトレーンの弟子格だったファロア・サンダース(テナーサックス)、現地で加わったカルロス・ワード(アルトサックス)、ドナルド・ギャレット(ベース)を含むセプテット(7人編成)でのライヴ演奏が、やはりこの西海岸ツアー時にコルトレーンと共演したミュージシャンのジョー・ブラジルによって、コルトレーンの許可のもと素人録音ながらクラブの天井からぶら下げた2本のマイクで録音されたテープが残っていたのが発見され、極力全貌を捉えた編集とリマスターによりCD化され、この2021年10月22日に全世界同時発売されました。YouTubeでは予約開始の8月26日に「至上の愛 パート4:賛美 (A Love Supreme, Pt. IV - Psalm)」が公開され、また発売日の10月22日には「至上の愛 パート1:承認 (A Love Supreme, Pt. I - Acknowledgement)」もYouTube上に公開されました。

 スタジオ盤『至上の愛』ではパート1が7分47秒、パート2が7分22秒(以上旧LPではA面)、パート3とパート4(旧LPではB面)はシームレスで17分53秒(のちのCD化でパート3は10分42秒、パート4は7分05秒と分割)、全編33分02秒だったのに対して、1965年7月26日のフランスのアンティーブ・ジャズ祭ではパート1が6分12秒、パート2が11分37秒、パート3が21分30秒、パート4が8分49秒と、全編で48分と、スタジオ盤の1.5倍あまりの長さになっています。今回の1965年10月2日のライヴでは曲間のインタールード(つなぎ)部分4箇所を含めると75分以上に上り、明確に曲として演奏された部分だとパート1が21分59秒、パート2が11分05秒、パート3が15分44秒、パート4が7分21秒と、コルトレーン以外のサンダース、ワードのソロを含むパート1とパート3の長尺演奏が目立ち、全編ではスタジオ盤の2倍の長さになっていますが、ほぼコルトレーン・カルテットのみで他のサックス奏者のソロはないパート2とパート4はスタジオ盤とあまり変わらない長さになっています。しかしインパルス!側が先に試聴用にアップしたパート4こそピアノ、ベース、ドラムスが控えめのためコルトレーンのテナーサックス演奏が比較的大きく聞こえて期待を抱かせますが、アルバム発売日にアップされたパート1は録音マイクのポジションのせいかピアノとドラムスは聴こえるもベースは途切れ途切れにしか聴こえず、コルトレーンのテナーサックスにいたってはヘッドホンでもしない限りほとんど聴こえません。

 筆者は昨日初めてこの発掘ライヴの発売を知ったので、YouTubeに上がっているパート1とパート4しかまだ聴いておらず、現在通販サイトに注文した商品の到着待ちですが、2010年代以降毎年のように公式発掘されている未発表スタジオ音源、新発見発掘ライヴ音源でも今回はあまりに音質(収録バランス)に難があり、今回の精査で1965年7月26日フランス、アンティーブ・ジャズ祭、1965年10月2日シアトル、ペントハウス出演以外『至上の愛』ライヴ演奏例はないとほぼ確定したようですから、ラジオ中継音源ほどではなくてもせめてもう少し良い録音はできなかったかと、臨場感すらあまり感じられないこのライヴは期待と実物の落差が大きすぎて、CDで聴いて聴き慣れるまで愛聴盤にはなりそうもない、なんとももどかしいアルバムになりそうです。アンティーブ盤の音質・ミックスバランスが演奏の気迫と臨場感を伝える名演だっただけに、また先行公開されたパート4で期待が持ててパート1を聴いたらピアノとドラムスのやる気のまったくない四つ打ちばかりが目立ち、しかもこの曲の肝心要なリフを弾くベースばかりか、コルトレーンのテナーまで聴こえないとあっては、CDが届いて聴いてますます落胆はしないかとしばらくシュリンク・シールドも封を切る気になれないような気がします。『至上の愛』を未聴の方は、まず引用記事の方からこの名盤をご試聴ください。名演ライヴのアンティーブ・ジャズ祭版もそちらに載せています。録音状態さえ良かったらこれも第三にして最後の『至上の愛』になっただろうかと、シアトル版発掘ライヴはその後です。

裸のラリーズ・水谷孝氏追悼

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黒い悲しみのロマンセ或いはFallin' Love With b/w 永遠に今が(Now Is Forever) (Etcetera, 1996) : https://youtu.be/tlLVRmgid5E
https://youtu.be/YtCSbSYHEGU
松山晋也(音楽批評家)公式Twitterより : https://twitter.com/agostoshinya/status/1451707828113051653?t=JvivQPUESxNBO4CDwgY3ag&s=19
日本語版ウィキペディア裸のラリーズ」: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A3%B8%E3%81%AE%E3%83%A9%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%BA?wprov=sfla1
英語版ウィキペディア「Les Rallizes Dénudés」: https://en.wikipedia.org/wiki/Les_Rallizes_D%C3%A9nud%C3%A9s?wprov=sfla1
フランス語版ウィキペディア「Les Rallizes Dénudés」: https://fr.wikipedia.org/wiki/Les_Rallizes_D%C3%A9nud%C3%A9s?wprov=sfla1
ドイツ語版ウィキペディア「Les Rallizes Dénudés」: https://de.wikipedia.org/wiki/Les_Rallizes_D%C3%A9nud%C3%A9s?wprov=sfla1
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 1967年結成、公式リリースは1973年に吉祥寺のライヴハウスによる自主制作盤オムニバス・アルバムの2枚組LP『OZ DAYS LIVE』(D面のみ参加)、1991年に3作の自主制作盤CD『'67-'69 Studio Et Live』『Mizutani / Les Rallizes Dénudés』『'77 Live』、1992年にインディー・レーベルから長篇ドキュメンタリー映像集(VHS-Video)『Les Rallizes Dénudés』、1996年にアート系同人誌「Etcetera」の付録シングル「黒い悲しみのロマンセ或いはFallin' Love With b/w 永遠に今が(Now Is Forever)」1枚のみを残して1997年以降活動を休止していた日本のロックバンド、裸のラリーズ(1991年の自主制作盤リリース以降は「Les Rallizes Dénudés」名義)の水谷孝氏の逝去がこの10月21日に、公式サイトの新設に伴って初めて公表されました。公式サイトのトップページに「Takashi MIZUTANI / 1948-2019」と記され、2019年の暮れに亡くなられていたようです。今後は公式サイト運営者によってラリーズの公式リリース作品が増補版・リマスターにより再リリースされていく予定され、音楽批評家・松山晋也氏の取材によるとほぼ作業は完了とされています。
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Les Rallizes Dénudés Official Site : https://www.lesrallizesdenudes-official.com/

 裸のラリーズには従来非公式サイトがあり、公式サイトはその運営者の方の協力のもとに水谷氏の版権相続者の方が立ち上げたようですが、非公式サイトも残されており、そこでは詳細な資料と研究がまとめられています。

The Last One (Unofficiall Site) : http://rallizes.blogspot.com/?m=0
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 筆者は何度か裸のラリーズについてはアルバム紹介記事を書いていますから、水谷孝を創設者かつ唯一のオリジナル・メンバーとして30年あまり、数十人のメンバーが去来したこのバンドについては、旧記事をご覧ください。裸のラリーズは200枚以上のアルバムがリリースされていますが、オフィシャル・サイトでは冒頭に上げたリリースのみが水谷氏による公式音源とされています。追悼の意を表して非公式映像を上げるのは礼を失するかもしれませんが、ここでは代表曲「夜、暗殺者の夜」の1976年・1994年のライヴ映像と1980年の山口冨士夫(ギター, 1949-2013, ex.村八分)在籍時のライヴ音源、また公式リリース盤『'77 Live』を中心に選曲されラリーズの非公式コンピレーション盤でもっとも広く聴かれている『Heavier Than A Death in The Family』からは割愛された、ラリーズのライヴでは必ず最後に演奏された代表曲「The Last One」を含むラリーズの最高傑作と名高い公式リリース盤『'77 Live』全編を、これも山口冨士夫在籍時のライヴ音源・1994年のライヴ映像とともに引いておきましょう。それにしても、結成から25年あまりアルバムも出さずに活動を続け、亡くなってもリマスター再発売のリリースが整うまで2年近く訃報が公表されなかったのは、いかにもラリーズの水谷氏らしい気がします。
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裸のラリーズ - 夜、暗殺者の夜 (1976年8月3日「第3回・夕焼け祭り」) : https://youtu.be/BYteF-C4S_o
裸のラリーズ - 夜、暗殺者の夜 (with 山口冨士夫, 渋谷・屋根裏, 1980年8月14日, from the unofficial album "Double Heads", Univive, 2005) : https://youtu.be/fWNJJ7ElzYw
Les Rallizes Dénudés - 夜、暗殺者の夜 (1994年7月10日・京大西部講堂「首吊りの舞踏会」) : https://youtu.be/3VCDVC1gQd4
裸のラリーズ - The Last One (with 山口冨士夫, 渋谷・屋根裏, 1980年8月14日, from the unofficial album "Double Heads", Univive, 2005) : https://youtu.be/54XmJwHeNYg
Les Rallizes Dénudés - The Last One (1994年7月10日・京大西部講堂「首吊りの舞踏会」) : https://youtu.be/sbhtAejVmEg
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Les Rallizes Dénudés - '77 Live (Rivista, 1991) : https://youtu.be/xoYVEQeJ4WQ
https://youtu.be/im2f9j6lq70
Recorded 'le 12 mars 1977 a Tachikawa' [ Most Violence Version ] (立川市民教育会館).
Released as Private Press, Rivista Inc. SIXE-0400, August 15, 1991
All Songs written by Takashi Mizutani
Arranged by Les Rallizes Dénudés
(Disc One)
1-1. Enter The Mirror - 11:30
1-2. 夜、暗殺者の夜 - 12:04
1-3. 氷の炎 - 16:12
1-4. 記憶は遠い - 11:35
(Disc Two)
2-1. 夜より深く - 15:32
2-2. 夜の収穫者たち - 8:30
2-3. The Last One - 25:24
[ 裸のラリーズ Les Rallizes Dénudés ]
Mizutani (水谷孝) - Lead Guitar, Vocals
Nakamura Takeshi (中村武司) - Electric Guitar
Hiroshi (楢崎裕史) - Bass
Mimaki Toshirou (三巻俊郎) - Drums

・旧記事一覧
France Demo Tapes 記事 : https://ameblo.jp/fifth-of-july/entry-12642703801.html
Heavier Than A Death in The Family 記事 : https://ameblo.jp/fifth-of-july/entry-12649831949.html
Blind Baby Has Its Mothers Eyes 記事 : https://ameblo.jp/fifth-of-july/entry-12650434117.html
夜、暗殺者の夜 記事 : https://ameblo.jp/fifth-of-july/entry-12587035744.html

2021年新作深夜秋アニメ(10月~12月)放映予定リスト(首都圏版)

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 ぎりぎりになっての掲載で恐縮ですが、10日1日から始まる新作テレビアニメの放映予定リストを曜日・放映時間順にまとめました。再放映作品、時間変更分などは気づいたら追加・改訂します。10月1日が金曜日ですので金曜日から始まるリストにし、各番組に初回放映日時を付記し、首都圏版の地上波局と無料BS放映局にとどめ、早朝・夕方放映作品、有料ネット配信作品は除きました。今季はこのリストに加えなかった朝・夕の新作、ネット配信作品を加えると新作アニメが70本にも上るそうで、これは『新世紀エヴァンゲリオン』以降の1990年代末や、『涼宮ハルヒの憂鬱』がヒットした2000年代半ばに匹敵する新作ラッシュになるそうです。'90年代末には『ロスト・ユニバース』のヤシガニ事件、『~ハルヒ』と同じ2006年には『夜明け前より瑠璃色な』のキャベツ事件、さらに全編とんでもない『MUSASHI -GUN道-』など新作ラッシュでアニメーターが不足し、海外発注でも間に合わずという「作画崩壊」アニメが続出しており、この秋アニメでも期待度の高い作品が多い反面、同様の事態も考えられるために、良くも悪くも非常に注目度の高いシーズンとなりそうです。筆者は深夜アニメは片っ端からぜんぶ観る派ですが、現在被災避難生活中なので、10月いっぱいは配信で追える作品に絞りこんで後追いして観るのがせいぜいです。テレビを観られる生活に戻れた時のために、なるべくサイト上の評判を注意しておくつもりです。放映局すべてを網羅すると膨大になるので首都圏での地上波局と無料BS放映局のみの放映リストですが、ほとんどの新作が地方局でも放映されますので、新作放映チェックの参考にお役立ていただけたら幸いです。
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●金曜日
◎キミとフィットボクシング -FIt Boxing Animation-
TOKYO MX:10/01(金) 21:54~
◎メガトン級ムサシ
TOKYO MX:10/01(金) 22:00~
>BSフジ:10/01(金) 24:30~
◎SELECTION PROJECT
TOKYO MX:10/01(金) 22:30~
BS11:10/01(金) 23:00~
◎ヴィジュアルプリズン
TOKYO MX:10/08(金) 24:00~
BS11:10/08(金) 24:00~
◎終末のワルキューレ (※Netflix配信済)
TOKYO MX:10/01(金) 24:30~
BS11:10/01(金) 24:30~
◎魔王イブロギアに身を捧げよ
TOKYO MX:10/01(金) 25:00~
BS11:10/03(日) 25:05~
終末のハーレム
TOKYO MX:10/08(金) 25:05~
>BSフジ:10/08(金) 27:01~
◎ブルーピリオド
>TBS系:10/01(金) 25:25~
BS朝日:10/03(日) 23:00~
異世界食堂2
テレビ東京:10/01(金) 25:38~
◎でーじミーツガール
>TBS系:10/01(金) 25:50~
◎大正オトメ御伽話
テレビ東京:10/08(金) 25:53~
BS11:10/09(土) 22:00~
結城友奈は勇者である -大満開の章-
>TBS:10/01(金) 25:55~
BS-TBS:10/01(金) 26:30~

●土曜日
最果てのパラディン
TOKYO MX:10/09(土) 22:00~
BS日テレ:10/09(土) 24:00~
◎86―エイティシックス― 第2クール
TOKYO MX:10/02(土) 24:00~
BS11:10/02(土) 24:00~
◎ビルディバイド -#000000-(コードブラック) 第1期
TOKYO MX:10/09(土) 24:30~
BS11:10/09(土) 24:30~
ルパン三世 PART6
日本テレビ:10/09(土) 24:55~
BS日テレ:10/18(月) 23:30~
◎先輩がうざい後輩の話
TOKYO MX:10/09(土) 25:00~
BS11:10/09(土) 25:00~
ワールドトリガー 3rdシーズン
テレビ朝日系:10/09(土) 25:30~

●日曜日
◎さんかく窓の外側は夜
TOKYO MX:10/03(日) 22:00~
>BSフジ:10/05(火) 24:00~
◎テスラノート
TOKYO MX:10/03(日) 23:00
BS11:10/05(火) 24:30~
鬼滅の刃 無限列車編 (完全新作エピソード+新作カット追加TVシリーズ版)
>フジテレビ系:10/10(日) 23:15~
TOKYO MX:10/16(土) 23:30~
BS11:10/16(土) 23:30~
鬼滅の刃 遊郭
>フジテレビ系:12/05(日) 23:15~
TOKYO MX:12/11(土) 23:30~
BS11:12/11(土) 23:30~
◎MUTEKING THE Dancing HERO
TOKYO MX:10/03(日) 23:30~
BS日テレ:10/03(日) 23:30~
無職転生-異世界行ったら本気だす- 第2クール
TOKYO MX:10/03(日) 24:00~
BS11:10/03(日) 24:00~
◎見える子ちゃん
TOKYO MX:10/03(日) 24:30~
BS日テレ:10/04(月) 24:00~
◎しょうたいむ!~歌のお姉さんだってしたい~
TOKYO MX:10/03(日) 25:00~
BS11:10/03(日) 25:00~
◎月とライカと吸血姫
テレビ東京:10/03(日) 25:35~
BS日テレ:10/04(月) 23:00~

●月曜日
◎やくならマグカップも 二番窯
TOKYO MX:10/04(月) 22:30~
BS11:10/04(月) 23:00~
◎吸血鬼すぐ死ぬ
TOKYO MX:10/04(月) 23:00~
BS11:10/04(月) 23:30~
テレビ神奈川:10/04(月) 24:30~
◎逆転世界ノ電池少女
TOKYO MX:10/11(月) 24:00~
BS11:10/11(月) 24:00~
カードファイト!! ヴァンガード overDress Season2
テレビ東京:10/04(月) 24:00~
BSテレ東:10/04(月) 24:30~
◎海賊王女
TOKYO MX:10/04(月) 24:30~
BS朝日:10/08(金) 23:00~
BanG Dream! ガルパ☆ピコ ふぃーばー!
TOKYO MX:10/11(月) 25:00~
◎境界戦機
テレビ東京:10/04(月) 25:30~
BS11:10/08(金) 19:00~
◎進化の実~知らないうちに勝ち組人生~
テレビ東京:10/04(月) 26:00~
BSテレ東:10/06(水) 24:30~

●火曜日
◎takt op.Destiny
テレビ東京系:10/05(火) 24:00~
BSテレ東:10/05(火) 24:00~
◎Deep Insanity THE LOST CHILD
TOKYO MX:10/12(火) 24:30~
BS11:10/12(火) 25:00~
◎かぎなど
TOKYO MX:10/12(火) 25:00~
BS日テレ:10/16(土) 24:28~
◎シキザクラ
日本テレビ:10/12(火) 25:29~
BS日テレ:10/16(土) 24:33~

●水曜日
◎プラオレ!~PRIDE OF ORANGE~
TOKYO MX:10/06(水) 23:00~
BS日テレ:10/06(水) 24:00~
◎真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので、辺境でスローライフすることにしました
TOKYO MX:10/06(水) 23:30~
BS日テレ:10/06(水) 23:30~
古見さんは、コミュ症です。
テレビ東京:10/06(水) 24:00~
◎世界最高の暗殺者、異世界貴族に転生する
TOKYO MX:10/06(水) 25:05~
BS日テレ:10/07(木) 23:30~
マブラヴ オルタネイティヴ
>フジテレビ:10/06(水) 25:25~
>BSフジ:10/13(水) 24:00~

●木曜日
◎サクガン!!
TOKYO MX:10/07(木) 23:30~
BS11:10/07(木) 23:30~
◎王様ランキング
>フジテレビ:10/14(木) 24:55~
◎180秒で君の耳を幸せにできるか? ※ショートアニメ
TOKYO MX:10/14(木) 25:00~
プラチナエンド
>TBS:10/07(木) 25:28~
BS11:10/08(金) 23:30~

●2021/末・未定
◎マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝 Final Season
◎ヴァンパイア・イン・ザ・ガーデン
◎レスキューアカデミア
進撃の巨人 特別総集編
NHK総合
魔法科高校の劣等生 追憶編

2021年新作深夜夏アニメ(7月~9月)放映予定一覧(首都圏版)

『マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝2nd Season』公式サイトより
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 今年も新作深夜夏アニメ(7月~9月)の放映予定がほぼ出揃いましたので、一覧にまとめます。地上波放映作品のみに絞り、首都圏の放映予定に加えて無料BS放映のみを併記しました。アニメ制作の予定は放映からおよそ2年前に組まれますから、昨年からの新作の少なさはオリンピック開催予定に加えて伝染病流行下の制作進行遅れによる放映見送りも原因になっているでしょう。制作予算や進行くり上げ(またはくり下げ)の関係からか、一昨年からの深夜アニメの低調は目にあまるものがあり、視聴者離れが新作の低迷化に輪をかけているような観もあります。曜日・放映時間順にリストを組みましたが、固定ファンのついているシリーズものを含めて期待できる作品がほとんどないのも特筆すべきでしょう。なお再放送作品、放映時間変更作品、追加作品については随時増補改定しますので、期待せずに観たら意外に良かったという作品が現れるのを願うばかりです。新作のほとんどは地方局でも放映されますので、首都圏放映時間のみのリストなのをお詫びするとともに、ご参考・ご活用いただけたら幸いです。

●日曜日
ラブライブ!スーパースター!!
NHK Eテレ:07/11(日) 19:00~
◎天官賜福 -吹替版-
TOKYO MX:07/04(日) 21:30~
BS11:07/04(日) 22:30~
死神坊ちゃんと黒メイド
TOKYO MX:07/04(日) 22:00~
BS11:07/04(日) 23:30~
アイドリッシュセブン Third BEAT!(第3期)第1クール
TOKYO MX:07/04(日) 22:30~
BS11:07/06(火) 24:00~
ゲッターロボ アーク
TOKYO MX:07/04(日) 23:00~
BS11:07/06(火) 24:30~
◎探偵はもう、死んでいる。
TOKYO MX:07/04(日) 24:00~
BS日テレ:07/05(月) 24:00~
◎指先から本気の熱情2-恋人は消防士-
TOKYO MX:07/04(日) 25:00~
BS11:07/04(日) 25:00~

●月曜日
◎出会って5秒でバトル
TOKYO MX:07/12(月) 24:00~
BS11:07/12(月) 24:00~
◎うらみちお兄さん
テレビ東京:07/05(月) 25:30~
BS11:07/06(火) 25:00~
◎精霊幻想記
テレビ東京:07/05(月) 26:00~
>BSフジ:07/06(火) 24:30~

●火曜日
転生したらスライムだった件 第2期 第2部
TOKYO MX:07/06(火) 23:00~
BS11:07/06(火) 23:30~
ワンダーエッグ・プライオリティ
特別編(12話の続き)
日本テレビ:06/29(火) 25:34~

●水曜日
◎チート薬師のスローライフ異世界に作ろうドラッグストア~
TOKYO MX:07/07(水) 22:00~
BS11:07/07(水) 24:00~
TSUKIPRO THE ANIMATION 2
TOKYO MX:07/07(水) 22:30~
BS日テレ:07/07(水) 24:30~
◎月が導く異世界道中
TOKYO MX:07/07(水) 23:00~
BS日テレ:07/07(水) 24:00~
小林さんちのメイドラゴンS (第2期)
TOKYO MX:07/07(水) 24:00~
BS11:07/08(木) 24:00~
NIGHT HEAD 2041
>フジテレビ:07/14(水) 24:55~

●木曜日
ピーチボーイリバーサイド
TOKYO MX:07/01(木) 22:00~
BS日テレ:07/01(木) 23:30~
◎SCARLET NEXUS
TOKYO MX:07/01(木) 22:30~
BS11:07/01(木) 22:30~
ひぐらしのなく頃に 卒※初回は2話連続放送
TOKYO MX:07/01(木) 23:30~
BS11:07/01(木) 24:30~
◎白い砂のアクアトープ
TOKYO MX:07/08(木) 24:00~
>BSフジ:07/08(木) 24:30~
◎Sonny Boy -サニーボーイ-
TOKYO MX:07/15(木) 24:30~
BS朝日:07/16(金) 23:00~
◎平穏世代の韋駄天達
>フジテレビ:07/22(木) 24:55~
◎女神寮の寮母くん。
TOKYO MX:07/14(木) 25:05~
BS11:07/15(木) 24:30~

●金曜日
◎迷宮ブラックカンパニー
TOKYO MX:07/09(金) 22:30~
BS日テレ:07/13(火) 24:00~
ヴァニタスの手記 第1クール
TOKYO MX:07/02(金) 24:00~
BS11:07/02(金) 24:00~
◎100万の命の上に俺は立っている 第2シーズン
TOKYO MX:07/02(金) 24:30~
BS11:07/02(金) 24:30~
◎ぶらどらぶ(VLADLOVE)※ネット配信済
TOKYO MX:07/02(金) 25:05~
>BSフジ:07/07(水) 24:30~
乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…X(第2期)
>TBS系:07/02(金) 25:25~
BS朝日:07/09(金) 23:30~
◎俺、つしま
>TBS系:07/02(金) 25:50~
◎カノジョも彼女
>TBS:07/02(金) 26:25~
BS-TBS:07/02(金) 27:00~

●土曜日
◎ぼくたちのリメイク
TOKYO MX:07/03(土) 22:00~
BS日テレ:07/03(土) 24:00~
◎D_CIDE TRAUMEREI(ディーサイドトロイメライ)
TOKYO MX:07/10(土) 22:30~
BS日テレ:07/10(土) 24:30~
魔法科高校の優等生
TOKYO MX:07/03(土) 23:30~
BS11:07/03(土) 23:30~
◎マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝2nd Season
TOKYO MX:07/31(土) 24:00~
BS11:07/31(土) 24:00~
◎かげきしょうじょ!!
TOKYO MX:07/03(土) 25:00~
BS11:07/03(土) 25:00~
◎現実主義勇者の王国再建記
TOKYO MX:07/03(土) 25:30~
BS11:07/03(土) 25:30~
◎RE-MAIN
テレビ朝日系:07/03(土) 25:30~
◎ジャヒー様はくじけない!
テレビ朝日系:07/31(土) 26:00~

●放映時間・曜日未定
◎闇芝居 第9期
テレビ東京:07/--(-) ~
◎アイドルランドプリパラ -
◎メガトン級ムサシ -

追悼フィル・メイ、プリティ・シングス

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ザ・プリティ・シングス - ファースト・アルバム (Fontana, 1965)
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ザ・プリティ・シングス The Pretty Things - ファースト・アルバム The Pretty Things (Fontana, 1965) + Bonus tracks : https://youtube.com/playlist?list=PL8a8cutYP7frbe0UpcOGDlrtLRhhrj3Rs
Released by Fontana Records Fontana TL 5239 (UK, LP), March 12, 1965 / UK♯6
Produced by Bobby Graham
(Side 1)
A1. Road Runner (Ellas McDaniel) - 3:14
A2. Judgement Day (Bryan Morrison; arranged by the Pretty Things) - 2:49
A3. 13 Chester Street (Phil May, Dick Taylor, Brian Pendleton, John Stax, Vivian Prince) - 2:22
A4. Big City (Jimmy Duncan, Alan Klein) - 2:02
A5. Unknown Blues (May, Taylor, Pendleton, Stax, Prince) - 3:49
A6. Mama, Keep Your Big Mouth Shut (Ellas McDaniel) - 3:03
(Side 2)
B1. Honey, I Need (Dick Taylor, John Warburton, Peter Smith, Ian Stirling) - 2:00 *Single-A Side, Fontana TF537, February 1965, UK♯13
B2. Oh, Baby Doll (Chuck Berry) - 3:01
B3. She's Fine, She's Mine (Ellas McDaniel) - 4:24
B4. Don't Lie to Me (Tampa Red) - 3:53
B5. The Moon Is Rising (Jimmy Reed) - 2:33
B6. Pretty Thing (Willie Dixon) - 1:39
(CD Bonus tracks)
13. Rosalyn (Duncan, Farley) - 2:20 *Single-A Side, Fontana TF469, June 1964, UK♯41
14. Big Boss Man (Luther Dixon, Al Smith) - 2:39 *Single-B Side, Fontana TF469, June 1964
15. Don't Bring Me Down (Johnnie Dee) - 2:09 *Single-A Side, Fontana TF503, October 1964, UK♯10
16. We'll Be Together (May, Taylor, Stax) - 2:09 *Single-B Side, Fontana TF503, October 1964
17. I Can Never Say (May, Taylor, Pendleton, Stax, Prince) - 2:37 *Single-B Side, Fontana TF537, February 1965
18. Get Yourself Home (May, Taylor, Pendleton, Stax, Prince) - 2:14 *previously unreleased
[ The Pretty Things ]
Phil May - lead vocals
Dick Taylor - lead guitar
Brian Pendleton - rhythm guitar, backing vocals
John Stax - bass guitar, harmonica, backing vocals
Viv Prince or Bobby Graham - drums

(Original Fontana "The Pretty Things" LP Liner Cover & Side 1 Label)
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 ローリング・ストーンズ、ジ・アニマルズ、ザ・ヤードバーズと並ぶ'60年代ブリティッシュ・ロックの雄にして、ダウンライナーズ・セクトと並ぶフリークビート、ガレージ・ロック/プロトパンクの先駆的バンドとして泣く子も黙る'60年代ブリティッシュ・ロックの裏番長的風格のあった('70年代ならホークウィンドウ、'80年代ならキリング・ジョークに相当する)ザ・プリティ・シングスの創設メンバーにしてリード・ヴォーカリスト、フィル・メイさんが亡くなって1年あまり経ちました。1944年11月9日生まれ、2020年5月15日に呼吸不全の手術が思わしくなく術後逝去、享年75歳と、プリティ・シングスはデビュー前のローリング・ストーンズにベーシストとして在籍していたディック・テイラー(1943-)がストーンズのデビュー前に脱退してフィル・メイとともに創設し、テイラーとメイ以外のメンバーはあまりに素行不良で安定せず、テイラーがプロデュース業に転向した'70年代以降はメイだけがオリジナル・メンバーで引っ張り、1979年にテイラーが復帰してからは再びメイとテイラー中心に活動し、ほぼ3年~5年ごとに新作を発表していた長老格のバンドでしたが、2018年についに解散を表明して活動を停止していました。解散前のスタジオ・アルバムは『The Sweet Pretty Things (Are in Bed Now, of Course...)』(Repertoire, 2015)が最後になり、解散直後にライヴ盤『The Final Bow』(Madfish, 2019)をリリースしていましたが、フィル・メイの逝去後の2020年9月に、メイ逝去半年前に録音・制作を完了したアコースティック・アルバム『Bare as Bone, Bright as Blood』(Madfish, 2020)が追悼盤として発表されました。解散宣言後もプリティ・シングスはちゃっかりアルバムを制作していたわけで、フィル・メイ没後とあってはこれが正真正銘のプリティ・シングス最後の新作になります。同作は批評家やファンからの評価も高く、デビュー・アルバムから55年、有終の美を飾る作品となりました。

 しかしプリティ・シングスの傑作は1965年3月リリースのデビュー・アルバム『The Pretty Things』(Fontana, 1965)、1965年12月リリースの第2作『Get the Picture?』(Fontana, 1965)、1967年4月リリースの第3作『Emotions』(Fontana, 1967)、1967年6月には完成していたとされるのに1968年12月までリリースが見送られたコロンビア移籍後の第4作『S.F. Sorrow』(Columbia, 1968)、1作きりで移籍してディック・テイラー脱退、フィル・メイと新ベーシストのウォリー・ウォーラーが中心となって前作のコンセプト・アルバム路線を押し進めた1970年6月リリースの第5作『Parachute』(Harvest, 1970)までと、1964年~1970年録音のアルバム未収録シングルAB面22曲、さらにテレビ番組やB級映画サウンドトラックのために変名バンド「Electric Banana」名義で制作・リリースされた『Electric Banana』(De Wolf, 1967)、『More Electric Banana』(De Wolf, 1968)、『Even More Electric Banana』(De Wolf, 1969)なので、Warner Brothers~Swan Song移籍後の1972年以降のアルバムは実質的にフィル・メイとそのバックバンド、ディック・テイラー復帰後の'80年代以後のスタジオ録音・ライヴ収録のアルバムも再録曲が多くを占めセルフ・トリビュート的な意味合いが強いものでした。もっともプリティ・シングスの真価と再評価はその時期にようやく進んだので、プリティ・シングスやホークウィンド、キリング・ジョークらが現役というだけでもブリティッシュ・ロックの裏街道は一本筋が通っていたという功績はどれだけ賞讃しても賞讃しきれません。

 全盛期プリティ・シングスはまずアルバム未収録シングルAB面が良く、アルバムは『Get the Picture?』と『S.F. Sorrow』が名曲揃いの名盤ですが、デビュー・アルバム『The Pretty Things』と第3作『Emotions』、第5作『Parachute』もElectric Banana名義の諸作とともに落とせないアルバムで、オリジナル・アルバム未収録シングルAB面のみを集めたコンピレーション・アルバムもありますが、現行CDには同時期のシングルAB面曲が追加されてより充実した内容になっています。スティーヴン・タイラーにそっくりと言われるフィル・メイのヴォーカルですが、もちろんフィル・メイの方が元祖です。遅ればせながら、初期3枚のシングルを含むデビュー・アルバムを引いて、メイさんのご冥福をお祈りします。このデビュー・アルバムの時点でビートルズの最新作は『Beatles For Sale』UK/1965.12(『Beatles 65』US/1965.12)と『The Early Beatles』US/1966.3、ストーンズの最新作は『The Rolling Stones No.2』UK/1965.1と『The Rolling Stones, Now!』US/1965.2、アニマルズはすでに『The Animals』US/1964.9, UK/1964.12と『The Animals on Tour』UK/1965.3、キンクスはセカンド・アルバム『Kinda KinKs』UK/1965.3、ヤードバーズやダウンライナーズ・セクトはまだ『Five Live Yardbirds』UK/1964.12、『The Sect』UK/1964.12しかリリースしておらず、ザ・フーのデビュー・アルバムは1965年12月、スモール・フェイセズのデビュー・アルバムは1966年5月になります。プリティ・シングスの凶暴で殺気立ったサウンドは同時代のバンドでも際立っており、これがガレージ・ロックパンク・ロックの源泉になったのも頷けるものです。本作がお気に召したら、プリティ・シングス史上もっとも凶悪な名盤『Get the Picture?』、このサウンドのままサイケデリックなコンセプト・アルバムに突入した『S.F. Sorrow』、そしてアルバムに収まり切らなかった過激なアルバム未収録シングル集をぜひお勧めいたします。

ジャックス - アンダーグラウンド音楽祭 (Solid, 1992)

ジャックス - アンダーグラウンド音楽祭 (Solid, 1992)

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ジャックス - アンダーグラウンド音楽祭 (Solid, 1992) : https://youtu.be/gvPPuDuXGBc
Recorded at 大阪フェスティバルホール "アンダーグラウンド音楽祭", March 27, 1968
From the album "BEST OF SOLID VOL.1 (Various Artists)",Released by Solid Records Solid CDSOL-1028, March 25, 1992
All Arranged by ジャックス
(Tracklist)
1. マリアンヌ Marianne (相沢靖子作詞・早川義夫作曲) - 4:34 (00:00~)
2. からっぽの世界 Vacant World (早川義夫作詞作曲) - 4:35 (05:04~)
3. われた鏡の中から In The Broken Mirror (早川義夫作詞作曲) - 3:27 (09:55~)
Total Time: 13:22

[ ジャックス Jacks ]

早川義夫 - リード・ヴォーカル、サイド・ギター
水橋春夫 - リード・ギター、ヴォーカル
谷野ひとし - ベース
木田高介 - ドラムス、フルート

(EMI Music Japan 2008 3CD Box "Legend" Front Cover)
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 この4月21日、ディスク・ユニオン傘下の日本のフォーク/ロック・レーベルSuper Fuji Discからジャックスの発掘音源としては『若松孝二傑作選・腹貸し女(サウンドトラック)』(ソリッド・レコーズ、2008年10月4日発売)、3CDボックス・セット『レジェンド~40周年記念ボックス』(EMIミュージックジャパン、2008年12月10日発売)以来となるラジオ音源からの発掘ライヴ・アルバム『LIVE, 15 Jun.1969』がリリースされることになりました。同作に収録予定なのはYouTubeでは以前からアップされていた、北川修(元フォーク・クルセダーズ)のラジオ番組出演時の30分ほどの音源で、1969年6月にジャックスはセカンド・アルバム『ジャックスの奇蹟』(1969年10月発売)のレコーディングを進めつつ高石友也のバックバンドを勤めていましたが、7月には解散を宣言、8月には予定されていたライヴ・スケジュールをこなして解散しますから、『LIVE, 15 Jun.1969』はリード・ギタリストの水橋春夫の脱退に代わってドラマーに角田ヒロが加入し、オリジナル・メンバーでマルチプレイヤーのドラマー木田高介がフルート、テナーサックス、キーボード、ヴィブラフォンに回った後期ジャックスの最後期の音源に当たります。ジャックスは日本においてザ・ドアーズ、ザ・13thフロア・エレベーターズ、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドら同時代アメリカのモンスター級サイケデリック・バンドに匹敵する唯一の存在でしたが、海外のロック動向とは無関係・無関心に完全な独創性を確立した驚異的なグループでした。解散間近の30分程度のラジオ番組出演の発掘リリースですら見逃せないのは、ジャックスの残した音源はすべて耳を傾ける価値があるからに他なりません。

 一方今回ご紹介する音源は、レコード・デビュー時のオリジナル・メンバー時でデビュー・シングル「からっぽの世界」(タクト、1968年2月21日録音・3月25日発売)をリリースした直後(2日後!)、セカンド・シングル「マリアンヌ」(タクト、1968年3月19日録音・5月21日発売)録音直後(8日後!)に「帰って来たヨッパライ」大ヒット中のフォーク・クルセダーズ、また高石友也五つの赤い風船らフォーク系アーティストと出演した大阪フェスティバルホール(サンケイホール)の「アンダーグラウンド音楽祭」での全演奏曲3曲であり、東芝音楽工業からのファースト・アルバム『ジャックスの世界』(1968年9月10日発売)の録音が4月28日(LPのA面分5曲)・5月25日(LPのB面分5曲)ですから、上り調子の前期ジャックスをとらえた貴重な音源です。この3曲・13分半だけでもジャックス最高のセットリストと呼べる壮絶な演奏が聴かれます。アルバム発売の6週間前に御茶ノ水日仏会館で開催された「第二回ジャックスショウ」はのちの1973年7月にジャックス・ファンクラブ有志によって会員予約者限定200枚の自主制作盤『Live 68 '7 '24』としてリリースされましたが、リード・ギタリストの水橋春夫は『ジャックスの世界』発売10日前の9月1日には脱退してしまいます。水橋春夫在籍中のライヴ音源はニッポン放送のスタジオ・ライヴ番組「フォークビレッジ」出演時の1967年6月10日・1968年1月28日の7曲、新宿厚生年金会館で1967年9月24日に行われた「ヤマハ・ライト・ミュージック・コンテスト」出演時の「からっぽの世界」(コンテスト2位・特別賞受賞、毎日放送でラジオ放送)が『レジェンド~40周年記念ボックス』に収録されていますが、初の7枚組CDボックス『Jacks CD Box』(1989年4月25日発売)をリリースしていた日本の'60年代~'70年代のフォーク/ロックの復刻・発掘レーベル、ソリッド・レコーズから、レーベルの一時休止に当たって『Jacks CD Box』に収録洩れになっていた「アンダーグラウンド音楽祭」の3曲を初収録したのが、ソリッド・レコーズの復刻・発掘してきたアーティストの音源をVOL.1~VOL.3の3枚に分売した『BEST OF SOLID』のVOL.1で、この「アンダーグラウンド音楽祭」の3曲は『レジェンド~40周年記念ボックス』にも再収録されず、やはり一度も再発売されていない『Live 68 '7 '24』ともども廃盤になっています。『BEST OF SOLID Vol.1』の選・解説に当たった故・黒沢進氏は同CDの解説書でこのジャックスの「アンダーグラウンド音楽祭」音源を「演奏水準としても、恐らく現存するジャックスのあらゆるライヴ・テープの中で最高のもの」とし、特にオープニングの「マリアンヌ」を「これ1曲で同時代のアメリカの全サイケ・バンドに拮抗しうる」と激賞しています。

 全14曲・53分にもおよぶ『Live 68 '7 '24』は何度となく再発売が企画されながら、おそらくマスターテープの散佚とメンバー、録音権利者の意向により再発売されていませんが、のちにキング・レコード~ポリスター・レコードのディレクターになり横浜銀蠅山瀬まみWinkなどを手がけた水橋春夫(1949-2018)は定年退職を迎えた2009年に40年ぶりの早川義夫との共演をきっかけに音楽活動を再開し、谷野ひとしと組んだ水橋春夫グループとして『考える人』(セシリア・E、2015年1月7日発売)、『笑える才能』(ベルウッドレコード、2016年7月27日)の2枚のアルバムを残しました。音楽活動再開後も19歳の時のジャックスでのギター・プレイと40年以上を経て変わらない、水橋以外のギタリストからは聴けない演奏はYouTubeにも多数上がっています。もっぱらリーダー早川義夫(1947-)のオリジナル曲とヴォーカルに注目が集まりがちなジャックスは、オリジナル・メンバーの谷野ひとし(1947-)、マルチプレイヤー木田高介(1949-1980)、後期メンバーのつのだ☆ひろ(1949-)はもとより、脱退後のセカンド・アルバム『ジャックスの奇蹟』にもゲスト参加に招かれた水橋春夫のリード・ギターが不可欠だったのが「アンダーグラウンド音楽祭」の3曲だけでも痛感されます。水橋生前には、早逝した木田を欠きながら、もし早川義夫・谷野ひとし・つのだ☆ひろに水橋が参加すれば前期・後期の混合メンバーによる一時的なジャックス再結成の可能性も一縷の望みがあっただけに、水橋春夫没後となった現在、ファンクラブ限定盤『Live 68 '7 '24』と、それに4か月先立つ収録で音質も『Live 68 '7 '24』より良好かつ瑞々しくも壮絶な演奏が聴ける「アンダーグラウンド音楽祭」音源は、ジャックス最後の一駒として、最新発掘音源『LIVE, 15 Jun.1969』に続く翻刻が望まれる、日本の'60年代ロック最大の秘宝となっています。選・解説の故・黒沢進氏が「恐らく本CDは、これまで発売された日本のロックのコンピレーション・アルバムの中でも最高のものである」と自負した1992年発売の『BEST OF SOLID VOL.1』は、中古盤で探せば比較的入手しやすく、同作で初発掘されたジャックス以外のアーティストもソリッド・レコーズからリリースされた発掘ライヴ・未発表テイクなど貴重音源を満載しているので、収録曲目をご紹介しておきます。

(Various Artists Solid "BEST OF SOLID VOL.1" CD Front Cover)
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Various Artists - BEST OF SOLID VOL.1 (Solid, 1992)
Released by Solid Records Solid CDSOL-1028, March 25, 1992
(Tracklist)
1. ジャックス - マリアンヌ (本作初発掘ライヴ)
2. ジャックス - からっぽの世界 (本作初発掘ライヴ)
3. ジャックス - われた鏡の中から (本作初発掘ライヴ)
4. ザ・フォーク・クルセダーズ - イムジン河 (発売中止未発表シングル・テイク)
5. 早川義夫 - 前口上 (発掘ライヴ・シングルA面)
6. 早川義夫 - 花が咲いて (発掘ライヴ・シングルA面)
7. はっぴいえんど - 春よ来い (発掘ライヴ『ON STAGE!』より)
8. はっぴいえんど - あやか市の動物園 (発掘ライヴ『ON STAGE!』より)
9. 布谷文夫・DEW - 夏は終わり (翻刻ライヴ『幻野EVIDENCE』より)
10. 頭脳警察 - ふざけるんじゃねえよ (発掘ライヴ『頭脳警察LIVE!』より)
11. 頭脳警察 - 落葉のささやき (発掘ライヴ『頭脳警察LIVE!』より)
12. はちみつぱい - 煙草路地 (発掘ライヴ『はちみつぱいセカンド・イン・コンサート』より)
13. はちみつぱい - 塀の上で (発掘ライヴ『はちみつぱいセカンド・イン・コンサート』より)