人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

2011-05-18から1日間の記事一覧

「眠れる森」第3章(続き)

画数を調べると「茜」の一字では不足なことが判った。あと何画、と索引を引きき「音」の一字を見つけた。茜音、と書いて「あかね」と読ませる。ちょうど妻の昼食時間になった。妻のご両親は午後から見舞いに来る。ぼくは明日の午後には帰る。 「ぼくの実家は…

「眠れる森」第3章

長女は話術が巧みだった。その日の出来事を重要事項順に並べ、ひとつひとつの話題について要約、概要、解説、総括することが自然にできた。妻は床に就くと数分で熟睡する女性だったので長女との寝物語はぼくの役目だった。今日はどんなことがあったの?それ…

「眠れる森」第2章(続き)

「アイツとアイツ、それからアイツ…あいつらはしょうがねえ。アイツらは八王子でな…」 ところであんた、こんなところにいる人じゃない。何で?と訊かれてぼくも簡潔に答えた。隣の房長はヤクザ映画の台詞のように、 「なんだそりゃ?女なんか・漬けにして・…

小説「眠れる森」第2章

留置場の40日間、さらに拘置所の40日間、裁判から釈放までの事情はありふれたものだった。結婚生活の末期にはぼくは精神疾患に陥っていた。 別居中に妻からの民事訴訟で離婚が決定し、その時点でDV指定により刑事裁判に棚上げされる準備ができていた、と知っ…

「眠れる森」第1章(続)

次女は姉とパパの親愛感にも嫉妬を抱いていたが、ママの観察通り一にお姉ちゃん、二にママ、三にパパだったので姉とはとても仲のよい姉妹だった。性格は対照的だったがそれがかえって良かったのだろう。娘たちが通う保育園ではふたりっ子が多く、親睦会では…

長篇小説「眠れる森」第1章

次女はあまり自分から感情を表す子供ではなかったが率直な性格で、表情や仕草から自然に心の動きが読み取れ、無口だが言葉に嘘はなかった。たまに自分から話してくる時には前後に脈絡なく、思いつくままに話題が変わるので、 「そうか。それでどうなったの?…

初めまして、アエリエルです。本日2011年5月18日(水)、ブログを開設しました。

まずは自己紹介。神奈川県座間駅1分在住、本名佐伯46歳、作家・サックス奏者です。4年前離婚、最近不倫人妻と別れました。初体験6歳、女性経験3桁、別れた妻との間に娘二人。離婚のトラブルで刑務所入り、出所後に精神障害第2級で生活保護を受けています。こ…