人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

2011-05-26から1日間の記事一覧

マルカム・ラウリー「火山の下」

大学生の時に旧訳で読んで、その時は通読していた。だが昨年の春に出た新訳はどうしても3章あたりまでしか読み進められない。1947年発表だが戦後文学ではなく20年代からのモダニズム・アヴァンギャルド文学の最後のナイフだろう。これが! モダニズムは美術…

慢性化統合失調症候群患者の妄想をじっくり聞く

里霧さん、 軽い話題にしよう。これはぼくが1年前のY病院の入院中にとったメモだ。 「統合失調症患者竹内・男性・推定48歳の訴え」 ・ロッカーから3万円盗まれた ・ヘルパーTが偽名Aで再就職している ・患者Hがスポーツ大会以来自分を憎んで脅してくるので…

気にもしない男(2)

(第4期・妄想の定着) ・自分を中傷し足を引っ張る人間が常にいる ・リーダーシップをとることに執着があり、円滑なチームワークを進めることができない ・生活習慣の優先順位が著しく乱れる ・自分に同情的な相手にも尊大な態度をとる ・自慢話は誇張するが…

気にもしない男(1)

これはKくんから同室3日目に彼に求められて作成したアナリュシスだ。想像で書いた。本人は一読して一驚「ぜんぶ当たってる!なんでわかるの?」「ぼくはそういう職業だからさ」 (K・H・男性患者45歳、暫定的診断=ストレス性人格障害。躁鬱から統合失調の…

里霧へのメール(予備不安3)

この後ちょっとビターな内容に入る。調子がよくなかったら、読まないで。 ぼくもきみに恋愛感情を持っていたんじゃない。きみがメールで何度も「恋愛感情ではありません」と書いて来たのでおかしかった。恋愛感情でもないのに、二人とも「予備不安」を抱いて…

里霧へのメール(予備不安2)

「入院は楽しかった」ときみは書いてた。でももういいわ、とも言っていたね。ぼくは家庭生活の末期に家庭からの避難を切望していた。それは一時的なものでも良かったんだけど、妻は離婚を決めた。たぶんそれが、ぼくたちがわかりあえた理由だ。 きみとぼくの…

里霧へのメール(予備不安1)

午後の地震には驚いたね。ぼくはきみへのメールをそろそろ仕上げる所だったが、どさどさ崩れてくる本やCDから逃げてバスルームに避難し、揺れが収まって部屋を片付け携帯電話を見ると書きかけメールの冒頭数行しか残っていなかった(ああ!)。それでとりあえ…