全36篇、60ページほど。それがこの詩人の全作品になる。詩集は1924年10月の『秋の悲歎』から翌年の死去までを完成作、それ以前を習作とする。確かに初期の作風・文体の多彩さは才能の大きさより不安定さを感じさせる。だが中にも魅力的な佳作がいくつも見出…
先に2回を掲載して、辻潤の生涯とその人物像には興味を持ってもらえることがわかった。確かに辻に匹敵するような窮死作家はただ一篇の長篇私小説「根津権現裏」1922(新潮文庫で復刊)で名を残す藤沢清造(1889-1932、公園で凍死)くらいだが、詩人の石川善助は…
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