人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

2014-08-01から1ヶ月間の記事一覧

How Deep is the Ocean?-Irving Berlin(1932)

恋の悩みを海の深さに喩えた大袈裟なラヴ・ソングだが、BメロなしA/A'=32小節で後半が劇的に盛り上がる大曲の風格がある。 女性ヴォーカルでは一家に一枚のこれだろう。 [Lee Wiley-How Deep Is The Ocean]50.12.12(画像1) http://m.youtube.com/watch?v=X7x…

夏の涼しい自炊

女の人のブログには料理の画像がとても多い。男性のブログで料理が出てくる割合の10倍は料理の話題なのではないか。外食を写したものも多いが自作料理がなんと言っても多い。男性のブログで料理が多い場合はたいがい食べ歩きなのとは対照的だが、男と女とい…

The Pop Group-We Are Time(1980)

[The Pop Group-Trap] http://m.youtube.com/watch?v=Rzva-NdD5us ザ・ポップ・グループは1978年活動を始めた英ブリストル出身の高校生(当時)バンドで、前年結成のきっかけはやはりセックス・ピストルズのデビューに触発されたからだった。しかしパンク流行…

日本の詩と敗戦

日中戦争の期間も含む第二次世界大戦中に、もっとも大衆の要望に応える詩を多作したのは高村光太郎と三好達治でした。三好達治の敗戦年・昭和20年までの詩集は13冊でうち三冊は完全な報国詩集、もう一冊はそれに準ずるものです。また高村光太郎の詩集は極端…

\2,480/10kgのお米

数日前にもネタにしたが、筆者は1.無駄づかいの貧乏や2.働けど働けど貧乏ではなく、病気療養中という名目はあるが結局は3.怠け者の貧乏、ということになるので、食費はせいぜい月に一万円も使えない。そうするとこれは税込みなので実質的には九千円前後、一…

アンドレ・ジッド(21) その創作の特徴7

今回でいつの間にかアンドレ・ジッド(1869~1951)紹介も20回目となりました。ジッドは30~40年前まではよく読まれた作家だったので、文学全集のジッド集や各社からの文庫版などネット通販では捨て値からプレミアまでさまざまに出回っています。ただし数が多…

恋愛エリートと恋愛難民

あらたまい(著者名)の話題作『巴マミの平凡な日常』の第二巻が出ました。これはアニメ『魔法少女まどか☆マギカ』の二次創作と呼ばれるジャンルの作品で、元々同人誌で評判の良かったものが芳文社の「まんがタイム」増刊号の不定期刊「まんがタイムきらら☆マ…

アンドレ・ジッド(20)その創作の特徴6

前回机上にあげたアンドレ・ジッド(1869~1951)の作品は『アンドレ・ワルテルの手記』1891、『背徳者』1902、『狭き門』1909で、処女作『ワルテル』からの飛躍には『地の糧』1897に見られたような西洋文化からの離脱宣言があったのです。しかしジッドは『地…

毛の長い話

今回の話題は事もあろうに実話、しかも証明画像つきというあられもなさでお送りする。これはいったい何でしょうか?眉毛です。 朝洗顔して、何だか妙に左眉毛に違和感があったので指先でつまんでみた。どうも一本抜きん出て長い眉毛があるような気がする。そ…

アンドレ・ジッド(19)その創作の特徴5

歴史的には、性愛と結婚が結びついたのはつい近代からの、限られた文化圏だけの現象にすぎません。アンドレ・ジッド(1869~1951)が自分の男色嗜好に目覚めたのも、長期旅程のうちアルジェリア滞在中に、性的奉仕を含む召使の少年との交渉があったからでした…

この夏の定番

一日の食費\300を目安にするとどのような食生活になるか、掲載したのがこの夏の典型的な三食になる。基本的に三食自炊のお家でご飯だから可能だとも思う。食費の中には炊事分の水光熱費も(概算だが)計上しているのだ。こういうのに毛の生えた程度の食生活し…

アンドレ・ジッド(18)その創作の特徴4

作者自身が形式上の分類をしておきながら、アンドレ・ジッド(1869~1951)の創作は内容的に見ると形式的には異なりながら主題は共通しているものが多いのに気づきます。 処女作『アンドレ・ワルテルの手記・詩』1891~1892は詩的散文と分類されていますが内容…

認知症と「もの忘れ」

これは真面目な記事ですから出典を明記してもいいでしょう。画像に掲載したパンフレットからの、 ・もの忘れ'めやす'リスト ―をご紹介したいと思います。このパンフレットはエーザイ株式会社が今年五月発行したもので、調剤薬局で無料配布されています。パン…

アンドレ・ジッド(17)その創作の特徴3

前々回で一編ごとに楽しんでみますといいつつ、アンドレ・ジッド(1869~1951)の作品は果して個別に論じるべきか難しいのです。 まず処女作『アンドレ・ワルテルの手記・詩』1891~1892年に始まる自伝的作品の系列があり、『ナルシス論』や『ユリアンの旅』、…

偽ムーミン谷のレストラン(71)

最終章。 ウェイターは依然マイクを持ったまま、服装も燕尾服のままで壁ぎわに立っていました。さきほどまで歌姫が立っていた壁の隠し舞台には無人のまま照明が照りつけていました。それは客席に居合わせたムーミン谷の人びとが自分以外のみんなはいったいこ…

アンドレ・ジッド(16)その創作の特徴2

処女作に作家のすべてがあるならば、アンドレ・ジッド(1869~1951)はかなりやばいことになります。作者本人がのちに詩的散文に分類する1891年(22歳)の『アンドレ・ワルテルの手記』と1892年の『アンドレ・ワルテルの詩』はともに匿名出版で、狂死した実在の…

アル中病棟入院記その後(3・完)

ようやく彼女との関係を終らせたのは交際再開からほぼ一か月後、四月の上旬になってからだった。早くせねばとは思っていたが精神的な安定を保つ自信が持てなかった。退院後にメールの往復はしていたが、ようやく彼女が女友達との外食を口実に朝から夕方まで…

アンドレ・ジッド(15)その創作の特徴1

1926年の『贋金つかい』と創作日記『贋金つかいの日記』の発表に伴い、アンドレ・ジッド(1869~1951)は自己の創作を詩的散文、レシ(物語)、ソチ(風刺作品)に過去に遡って分類しました。それは『贋金つかい』こそ自己にとって最初で最後のロマン(長編小説)と…

アル中病棟入院記その後(2)

(人物名はすべて仮名です)躁鬱病相の悪化で隣町の総合病院の閉鎖病棟に緊急入院したのは2010年12月1日で、この病院へは2009年の5月~8月にも薬物性悪性症候群と鬱病相による絶食から緊急入院しており、この時はクリニックを通した入院予定日の前日に自己判断…

アメリカ喜劇映画の起源(12)チャップリン5

ユナイテッド・アーティスツ第一作『巴里の女性』からはチャップリンは創作意欲と作品の規模に見合った制作ペースの自由も手に入れて、数年に一作が許される巨匠になります。シリアス作品『巴里の女性』から始まり、ここからのチャップリンは喜劇映画であっ…

アル中病棟入院記その後(1)

(人物名はすべて仮名です) 2010年5月20日にアルコール依存症学習治療入院を終えて退院後の生活に戻り、日記はそれまで一日に大学ノート見開きに渡っていたのだが、突然一日に五行も書いていればましな部類になった。肉筆筆跡をお見せできれば一目瞭然だが、…

アメリカ喜劇映画の起源(11)チャップリン4

1918年初頭にはチャップリンは自己所有のチャップリン撮影所を設立、前年にパラマウントから分裂し、全米一の上映館数を誇った大メジャーのファースト・ナショナル社からの移籍第一作が中編『犬の生活』で、この年は軍隊喜劇の『担え銃』もあり、以下、 ・19…

完結・アル中病棟入院記252

(人物名はすべて仮名です) ・5月19日(水)晴れのち雨のち曇り(明日退院) (前回より続く) 「今日は午前と夕方だけ雨降りだった。外出AA断ってのんびりと過ごせて良かった。入院前受診はひと雨きそうな曇り、入院日は雨、明日の退院日も雨予報でこの入院は雨に…

アメリカ喜劇映画の起源(10)チャップリン3

1914年(25歳)の映画デビューから1917年(28歳)までに62本の短編と一本の長編に出演、そのうち1915年以降の短編26本ではキャスティングからタイトル、オリジナル脚本まで完全な決定権を手中にしたのですから、20代後半のチャップリンの勢いは映画史上でも稀に…

アル中病棟入院記251

(人物名はすべて仮名です) ・5月19日(水)晴れのち雨のち曇り(明日退院) (前回より続く) 「患者同士で病気談義していても結局なるべく現状を否定的にはとらえないようにしよう、というのだけはマナーだし限界でもある。吉村くんに安心しました、佐伯さんは主…

アメリカ喜劇映画の起源(9)チャップリン2

チャップリンは映画界入り二年目の1915年には早くもエッサネイ社に移籍、同社では一年間に短編14本を自作自演します。前年のキーストン社では一年間で長編一本と短編35本に出演しており、つまり10日に一本で短編を制作していたのが、移籍後は月一本強のペー…

アル中病棟入院記250

(人物名はすべて仮名です) ・5月19日(水)晴れのち雨のち曇り(明日退院) (前回より続く) 「昼食後に滝口さんからメール、勝浦くんは送迎が実現したので機嫌良かったから心配ない、予定通り明日は滝口さんの外来終了で待ち合わせて最寄り駅まで送りますとのこ…

またかよ。

そうなんですよ。 詳細は前日付け小文「電池が切れました」参照。その後状況は改善したかというと、昨夜よりはマシになった(と思う)。でもたぶん、昨日と同じくせいぜい四百字が限界で、それ以上の長さの記事を書いたら携帯の電源がいつ落ちてもおかしくない…

電池が切れました。

毎晩午前零時きっかりに、毎回二本の長文(1000文字)記事を律儀に更新しているこのブログですが、携帯電話の充電残量が底を尽き、充電しながらでも長文記事を仕上げるのは本日中には無理になりました。タイトル通り、文字通りの電池切れで、本日の更新はこの…

アメリカ喜劇映画の起源(8) チャップリン1

アメリカが世界を征する映画大国になったのは1910年に最初にロサンゼルスに撮影所が建てられ、15年のグリフィスの三時間を越える大作『国民の創生』が長編映画初の舞台劇の記録映画とは異なる映画独自の表現手法を実現してそれまで国際的にヒットしていたイ…