人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

The Cars'5 Original Album'

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筆者が躁状態で幻覚と妄想に陥り、部屋を滅茶苦茶にして(とにかく必要なものだけ持ち、放浪覚悟で逃げ出したかった)、まるで自首したみたいに次の診察日に市の福祉担当者氏に送られ入院したのが一昨年の12月。泥沼の恋愛から逃げたかったのだ、と入院中に気づいた。誰もぼくの行方を知らない、と思いながら年末年始を過ごした。
翌年3月に退院した(ぼくの入院中に退院した人は40人の病棟で自殺未遂のMさんだけだった)。退院直後に震災があり、恋愛の後始末にも2か月かかり重い鬱で日記も書けなくなったが、携帯なら打てる。とはいえ前科者になってからの(あるいは家庭を失ってからの)4年間でもう友人と呼べる人はなかった。ブログを始めたのは他に誰も話し相手がないからだった。

それが昨年の春で、退院してから部屋中に散乱したCD約2000枚、蔵書約段ボール20箱分を整理して棚または段ボールに戻すのが大変だった。寝るスペースすらないので大雑把に棚を埋め、残りは平積みにして部屋の隅に寄せた。
CDのセットものが箱から出ていたり、文庫本のカヴァーが捨ててあったりして嫌な予感がした。予感は的中で、枚数や巻数が揃わないのだ。

ザ・カーズの「5オリジナル・アルバム」もそうで、1枚目と5枚目はあるが2枚目~4枚目が見当たらない。以前の記事で「自分が中~高生から二十歳前後に新作として接した音楽を聴き返すのは生々しくてつらい。評価未決定のまったくの同時代作品として聴いたものには未だに冷静になれない。歴史的評価なんかできるものかと思う」と書いたが、カーズは数少ない例外。アメリカのバンドだからだろうか。一番辛いのがイギリスのポスト・パンクだ、とも書いた。

PiLの記事など書いたせいで、LPでは持っているがCDで買い直していないのが大半を占めるポスト・パンク作品をYouTubeであれこれ見ていたら、ジョイ・ディヴィジョンドゥルッティ・コラムエヴリシング・バット・ザ・ガールと共に買い直したわずかな例外ポスト・パンク、ジス・ヒートに目が止まった。何の酔狂かドゥルッティ・コラムと共に6枚組のCD全集で買い直しているのだ。
厚みのある箱なので本棚に立て掛けてある。デジパックのCDを取り出すと、なんと紙ジャケットのカーズの行方不明CD3枚が出てきたではないか。なぜこんなところに?わからないのだ。