人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

日本の70年代ロックの思い出

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ジャズばかり聴いていると-いや、主食はジャズだから文句はないが、ブログ記事の作文も今32人目62回(!)まで書き進んで、音楽を聴くのが息抜きにならない。作文のために聴いているばかりでは楽しめない。そこで家事や食事、ジャズ記事以外のブログ作文では気持よく聴き流せせるものを選ぶことにした。本当はラジオがいいのだが、ぼくの住み家はラジオが入らない。ひとり暮しだから無音はさびしい。テレビとなると騒々しい。

では何を聴くかというと、この10日ほどはカルメン・マキ&OZ(画像1)と四人囃子を聴いた(この2組はともにぼくが中学3年生の年に解散した)。次は外道とめんたんぴん(画像2)にするつもりだ。ミカ・バンド、サンハウスもいい。頭脳警察はっぴいえんどラリーズ村八分となるとちょっと聴き流せない。
ださいと思いながら律儀に集めた日本の70年代ロックだが、長年根気よく聴いたからか、めんたんぴんなんか実に良い。『今日も小松の街は』なんか本家グレイトフル・デッドより飛べる。さすがに安全バンドとなると肩を持つのも苦労するが、それでも義務感から発掘ライヴ(画像3)まで揃えたのだ。頭脳警察の発掘ライヴ10枚組2セットは買い逃したのに何てことだ。ラリーズとなるとあまりに膨大、しかもあのバンドは40年間でレパートリー15曲くらいか?どこかで忘れた気にならないときりがない。とは言えマキOZの発掘ライヴなんか出たらホイホイ手を出しそうだ。

前記のバンドの全アルバムは長年聴いていれば揃ってくるし、また一気に揃えて聴くものでもない。実は生理的に日本の70年代ロックは和洋折衷感、英語詞にしろ日本語詞にしろメロディに対する不自然なイントネーションなどが気持悪くて駄目だった。
英米ロックの有名どころはだいたい聴き、新人も過去の焼き直しみたいに感じてきて、そうなると過去の無名バンドに走る。さらに英米以外のヨーロッパ圏のロックを一周すれば、クラシックもジャズも入口まで来ていた。
それでやっとわかった。自分の好みの音楽があるという錯覚をしてはいけない。音楽は異物なのだ。まったく予想しない価値観を突きつけてくることもある。聴き方を身につけないと真価はわからない。
日本の70年代ロックがしみじみ良くなるまでは、それだけの回り道があった。今ではいちばんくつろげるのだが。