(44d)モダン・ジャズ・カルテット



当然ジャズ界最高のギャラを要求したと思う。晩年のマイルスはワンステージ1億円のギャラで有名だったが、自伝で「黒人ジャズマンとして妥協はできない」と発言している。マイルスの自伝にはブルーベックとMJQは登場しないのも意図的だろう。MJQも黒人バンドの意地がかかっていたと思われる。
アルバム内容はバラード・メドレーを始め得意曲をザッと並べたもので、バンドの円熟をアピールする名刺がわりの一枚、というところか。もちろん悪かろうはずはない。
次の'No Sun In Venice'57.8(画像2)は邦題「たそがれのベニス」だが、フランス映画「大運河」への提供曲をアルバム化したもの。主題曲'The Golden Striker'、3つのテーマを組み合わせた'One Never Knows'が代表曲。これも名盤。
問題作'Third Stream Music'(画像3)はジミー・ジュフリー3との共演(57.8)、弦楽四重奏との共演(59.9)、ガンサー・シュラー指揮で4管・チェロ・ハープとの共演(60.1)という4年越しの企画。この「第三の音楽」という提唱は当時物議を醸したが、クラシックとジャズの融合ではなく激突として聴けば面白い。ジュフリー3との共演は少しだけ風変りなジャズ。ジム・ホールのギターが良い。