人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

(44f)モダン・ジャズ・カルテット

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The Modern Jazz Quartet:John Lewis(1920-2001,ldr,p),Milt Jackson(1923-1999,vibraphone),Percy Heath(1923-2005,bass),Connie Kay(1927-1994,drums)。集大成ライヴ「ヨーロピアン・コンサート」で区切りをつけたMJQは念願のオーケストラ競演アルバムを録音する。それが'The Modern Jazz Quartet & Orchestra'60.6(画像1)で、「第三の音楽」提唱者ガンサー・シュラー指揮のドイツ録音ときた。曲はA.オネゲル作品、W.ヘイガー作品、J.ルイス作品と他1曲。オネゲルはジャズ好きフランス人だけあってこなれている。ヘイガーはMJQを研究しすぎた感じで(イントロは『ジャンゴ』そっくり)やりすぎ。ルイスは本人だからよしとして、指揮者シュラー作の三楽章の大作'Concertino For Jazz Quartet & Orchestra'だ。ブルーベック・カルテット「プレイズ・バーンスタイン」が60年1月で、あっちには四楽章の大作'Dialogues For Jazz Combo & Orchestra'があり、コンセプトは同じ。出来は甲乙つけ難いが、痛快さではバーンスタインがやっぱり上。だがオーケストラにもひるまないミルトはさすがだ。

MJQのアルバム中もっとも謎度の高い'Patterns'60(画像2)は「オーケストラ」と'The Comedy'60.10/62.1,8の間に発売、としかデータがない。録音は「オッズ・アゲインスト・トゥモロウ」59.10と同時かもしれない。「オッズ~」はユナイト映画提供曲集だからUAレーベルからの変則リリースだったが「パターンズ」もUAで、しかも全6曲が曲目・曲順まで「オッズ~」と同じ。別テイク集か、もしや同じ音源かミックス違い?とにかくベースの音がでかい。ピアノより大きい。そこが取り柄か。

「コメディ」の次作'Lonely Woman'62.1,2(邦題「淋しい女」画像3)のタイトル曲はルイス自身が大絶賛したフリー・ジャズの開祖オーネット・コールマンの代表曲。アルバム全体は「コメディ」同様過渡期を感じさせる仕上がり。