人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

(44h)モダン・ジャズ・カルテット

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The Modern Jazz Quartet:John Lewis(1920-2001,ldr,p),Milt Jackson(1923-1999,vibraphone),Percy Heath(1923-2005,bass),Connie Kay(1927-1994,drums)。今回もなんとかやっていた時期のMJQになる。前回まではほぼすべてのアルバムを年代順に紹介したが、ここから先は飛びとぴに注目作を拾っていく。
「ポーギー&ベス」64.7/65.4に続く成功作はフランスのジャズ・コーラス・グループ(でもリーダーはアメリカ人)スウィングル・シンガーズとの競演アルバム'Place Vendome'66.9,10(画像1)だろう。元祖ダバダバ・スキャット・コーラスてんこ盛りで、11PMでも始まりそうなムードがある。MJQでエッチなのはこれだけかもしれない。曲はバッハ、パーセル、ルイス自作とバロック音楽で固めた。親しみやすい楽しいアルバムだが、ここからMJQに入るとフォローがきかないので注意はいる。このアルバムだけ好き、という人はスウィングル・シンガーズ方面に行ったほうがいい。そっち方面も底なし沼のようなシャバダバ音楽の世界が広がっている。

そして'Live At Lighthouse'67.3の後、なんとMJQはアップルに移籍してしまう。アップルとはビートルズの、あのアップル・レーベル。'Under The Jasmin Tree'67.12(画像2)'Space'69の2作を残し、次作'Plastic Dream'71.5ではアトランティックに復帰する。「ジャスミン・トゥリー」は組曲を含むオリジナルで固め、「スペース」はオリジナルとスタンダード、『アランフェス協奏曲~アダージョ』とそれなりに工夫はしている。ブルーベック・カルテットの解散は67年末だったが、MJQは奮闘した。

ポール・デスモントとの競演ライヴ(71年12月)の後、'Legendary Profile'72.6(画像3)でようやくMJQは再度安定感を取り戻した(「プラスチック・ドリーム」は第三音楽路線だった)。当時流行の兆しを見せていたブラジル風味を取り入れ、2曲のポップ曲カヴァー'Misty Roses'(T.ハーディン),'What Now My Love'も成功している。