人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

(47b)ジミー・スミス(org)

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Jimmy Smith(1925-2005,organ)。
スミスの使用するハモンドB3オルガンは当時の新楽器で当然電気楽器だから音量も大きく、多彩な音色を誇り、特に回転式レズリー・スピーカーから唸りをあげるサウンドは後のフィードバック・ギターやシンセサイザーの出現を予告する衝撃的なものだった(もちろん柔らかく優しい音色に切り替えもできた)。ポップスやロックの電気オルガンの使用もスミスの影響なしには語れず、特にロック系オルガン奏者は直接スミスの奏法を参考にした。
'Vol.3'(前回紹介)の冒頭曲'Judo Mambo'はオルガンの打楽器的な奏法でオート・ワウを通したギターのコード・カッティングのサウンドを先取りしており、ジョン・ロードキース・エマーソンは使用楽器も含めスミスの奏法を踏襲した。純粋にテクニックならばロックのオルガン奏者でスミスにおよぶプレイヤーはいないだろう。しかもスミスはベース・ペダルも完璧にこなすのだ。

デビュー作はオルガンの録音に荒っぽいところがあった。第2作・第3作は録音・アレンジとも丁寧になったが、ややおとなしい出来になった。そこで初のライヴ盤が制作される。
At Club Baby Grand Vol.1(1528)56.10(画像1)
At Club Baby Grand Vol.2(1529)56.10(画像2)

どちらも10分前後の曲をLP片面に2曲、計4曲ずつ収めた熱狂のライヴで、Vol.1はスタンダード'Sweet Georgia Brown'から飛ばす。'The Preacher'もライヴではさらに栄える。Vol.2も'Caravan'で自在なコード・ワークを見せ、映画「慕情」主題歌'Love Is A Splendored Thing',スタンダード'Get Happy','It's Allrigt With Me'と名演がずらりと並ぶ。レコード・デビュー以前にすでにジャズ・クラブのスターだったのもライヴ盤を聴くと納得。

続いてスミスは57年2月11日~13日の3日連続セッションでアルバム5枚半を録音する。まず発売されたのは、
A Date With Jimmy Smith Vol.1(1547)57.2.11,13(画像3)
(Vol.2は次回掲載)
この2枚はまとめて次回で解説する。