人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

(47e)ジミー・スミス(org)

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Jimmy Smith(1925-2005,organ)。
前作「プリティ~」のムード音楽路線もまだファン層の拡大中(なにせまだデビューから15か月にしかならない)だから売れ行きは良く好評だったが、批評家や初期からのファンからは不満の声があがった。ブルーノート社でもそれは予想していただろう。同社はいいタイミングでバンドの絶好調を捉えたライヴ盤の制作がうまかった。アート・ブレイキー「バードランドの夜」54,ジャズ・メッセンジャーズ「アット・ザ・カフェ・ボヘミア」55,ケニー・ドーハム「アット・ザ・カフェ・ボヘミア」56,ソニー・ロリンズヴィレッジ・ヴァンガードの夜」57などライヴ盤がそのジャズマンの最高傑作になった例も少なくない。スミス初のライヴ盤「アット・クラブ・ベイビー・グランド」56.10もそうだった。
Groovin' At Smalls' Paradice Vol.2(1586/Vol.1は前回掲載)57.11.14,18(画像1)
ブルーノート社長が初めてスミスのライヴを見たクラブでの収録で、原点回帰の意味もあっただろう。攻撃的だったベイビー・グランドとは対照的に寛いだスタンダードが並ぶ。ライヴのスミスは生々として、文句なしに良い。

ブルーノートのレコード番号は1500~1600の次は4001番になる(ロリンズ「ニュークス・タイム」)。続く4002番はスミスで(4003番は「モーニン」!)、
House Party(画像2)57.8.25/58.2.25
ご覧の通り57年8月録音をB面に、58年2月録音をA面に2曲ずつ集めたアルバムで、前にもやってみた3管セクステットだが管の主役は天才新人リー・モーガン(トランペット)なので前回のオールスターズのようにダレる場面がない。もっともハード・バップらしいスミスのアルバムはこれと、続編「ザ・サーモン」(次回掲載)だろう。

ブルーノートでは珍しく没アルバムがないスミス唯一の例外が、
Jimmy Smith Trio With L.D.(画像3)57.7.4
で、タイトル通りルー・ドナルドソン(アルトサックス)を加えたワン・ホーン・カルテット。これは80年代に日本盤で初めて日の目を見たアルバムなのでレコード番号省略。内容はスミスとドナルドソンが主役を譲りあっているような出来。選曲はいい。