人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

(補9b)ハービー・ハンコック(p)

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Herbie Hancock(1941-,piano)。
まず掲載アルバムを挙げてしまおう。いずれもブルーノート社からリリースされた作品になる。
Grant Green:Feelin' The Spirit(画像1)62.12.21
Hank Mobley:No Rooms For Square(画像2)63.3.7
My Point Of View(画像3)63.3.19
Eric Dolphy:The Illinois Concert(画像4)63.3.10

ドルフィーのライヴ盤を後に回したのは、99年発表の発掘作品だからだ。この発掘録音は大評判を呼んだ。ハンコックとドルフィーの正規の共演録音はそれまでは音質の悪い海賊盤しかなかった。これは音質も演奏もいい。64年の遺作「ラスト・デイト」まで正規録音がなかったフルート演奏のブルース'South Street Exit'も聴ける。冒頭の'Softly As In A Morning Sunrise'からドラムスのJ.C.モーゼズともどもコルトレーン・カルテット的な演奏ぶりで、ハンコックもマッコイ・タイナー的。

ドルフィーの組んだトランペットは主にブッカー・リトルフレディ・ハバードだが、前回掲載のハバード作品は夭逝したリトルを偲ぶ渾身のオリジナル'Lament For Booker'がハイライトになっている。ハバード初期の名盤だろう。

ブルーノート社のアルバムは過大評価されているものも多いが、ハンコック参加作はほとんど傑作・名作・秀作・佳作で、グラント・グリーンのゴスペル集、モブレーの野心作(ピアノはアンドリュー・ヒルと分けあう)、ハンコック自身の第2作(グリーンとモブレーも参加)のどれもが名作と名高い。
ハンコック作品は今回も全5曲を書き下ろしの自作で固めている。収録曲では'Blind Man,Blind Man'がヒットした。CDではこの曲の別テイクも聴けて、グリーン~モブレー~ハンコックと続くソロを満喫できる。第1作の'Watermelon Man'同様これもエイト・ビートのジャズ・ロックだが、売れ線狙いの臭みはない。マイルス・クインテット参加前のリーダー作はここまでとなる。