人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

(補12e)B・ハッチャーソン(vib)

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Bobby Hutcherson(1941-,vibes & marimba)。
ここで異色のアルバムが入る。インパルス社からの、
The New Wave In Jazz(画像1)65.3.28
-で、コルトレーンを親分にアイラー、シェップ、トリヴァー、モンカーら先鋭的若手グループが競演したライヴ盤。CDではアイラーが単独ライヴ盤に移され、78年の'The New Breed'で発掘されていたトリヴァーとモンカーの未発表曲が追加された。このトリヴァーのグループとモンカーのグループをハッチャーソンが掛け持ちして、4曲55分でハッチャーソンが参加しているのだ。トリヴァーもモンカーもピアノレス・バンドで、モンカーなどはトロンボーンのワンホーン、ピアノレス、ヴァイブ入りという滅多にない編成。どちらのバンドでもハッチャーソンは大活躍している。オムニバス・ライヴ盤だから見逃されやすいが、内容は必聴の価値がある。

アル・グレイのバンドでの3枚(62年1月~63年1月)、ブルーノート専属になりマクリーンの「ワン・ステップ・ビヨンド」(63年4月)でジャズ界の第一線へとデビューしてから64年度まで12枚の名盤に参加して、ついにハッチャーソンにも初リーダー作の出番がまわってきた。ブルーノート専属同期生のハンコック、ヒルやヤングと較べるとサイドマン試用期間が長い。オルガン奏者のヤングと較べても、ブルーノートでは52年のミルト・ジャクソン以来ヴァイブ奏者のリーダー作はなかったから慎重になったと考えられる。

Dialogue(画像1)65.4.3
-がその記念すべき初リーダー作で、メンバーは「アンドリュー!!!」の4人にフレディ・ハバード(トランペット)とサム・リヴァース(テナーサックス)。次作からは自作中心になるが、この処女作ではヒルとチェンバースの曲を半々にやっている。実質的にはヒルのリーダー作で、ハッチャーソン名義で反響を試してみたのだろう。

Dexter Gordon:Gettin' Around(画像3)65.5.28&29
-は楽歴20年以上のヴェテラン・テナーのアルバムへのゲスト参加作。ピアノ、ベース、ドラムスはリー・モーガンのヒット作「ザ・サイドワインダー」と同じ面子。普通にいい仕事と言えるだろう。リラックスしたテナー・アルバムになっている。