人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

60年代ロック五大勢力相関図(1)

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はじめまして。ぼくもストーンズアフターマス」の本意はイギリス盤(画像1/66.4)にあると思いますが、売上げや獲得したリスナー数、影響力は圧倒的にアメリカ盤(画像2/66.6)にあるようです。ジャケット、選曲の構成(冒頭に明確なアティチュードの曲を置き、最後に大作で締める)などラヴ、ドアーズ、スピリット、グレイトフル・デッドなど皆がアメリカ盤「アフターマス」を意識した、というレイ・マンザレクの証言もあります。
ラヴの第2、第3作はもちろん、スピリット、デッド、クイックシルヴァーらのデビュー作はどれもバンドの所信表明というべき曲から始まり、アルバム全体の集約をなす大作がラストを飾ります。それには『黒くぬれ!』から始まり『ゴーイン・ホーム』で終るアメリカ盤選曲が意識にあった。あの『ブレイク・オン・スルー』で始まり『ジ・エンド』で終るザ・ドアーズのデビュー作(画像3)などはジャケットまでストーンズのダークな雰囲気を意識していた。ジェファソン・エアプレインを含めて、67年頃からのアメリカ産サイケデリック・ロックストーンズヤードバーズ、そしてクリームを規範にしていた、と言えるでしょう。
そうした影響力からも見ても、「ビッグ・ヒッツ」Vol.1も含めて、「サタニック~」で英米統一するまでのストーンズアメリカ盤が世界標準で、「アフターマス」もアルバムの凝縮度ではアメリカ盤に軍配が上がると思っています。

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60年代でもっとも影響力のあったロックバンドは文句なしにザ・ビートルズで、ジャズにおけるジョン・コルトレーンに匹敵する位置にあったでしょう。ロックのジョンとジャズのジョンに加え、映画ではジャン=リュック・ゴダール。この三人がぶっちぎりの創作活動を続けていたわけです。そしてお互いの活動にはなんの関心もなかった。
ただしビートルズに匹敵するロック勢にはジャズや映画への関心があった。ビートルズを頂点とするロックの五大勢力といえば、ザ・ローリング・ストーンズザ・ビーチ・ボーイズボブ・ディランザ・バーズが挙げられるでしょう。彼らにはビートルズには欠落した部分を生み出し、埋め合わせ、ロックをさらに多彩な音楽に進化させる生産性がありました。ジミ・ヘンドリックスの重要性は特異例とします。
次回からこの五大勢力の相関関係を考察しましょう。