人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

(補16e)オーネット・コールマン

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Ornette Coleman(1930-,alto sax,trumpet,violin)。
「即興詩人の芸術」の好評から、翌年の71年10月にアトランティックが発売した未発表曲集第2弾が、
Twins(画像1)59.5.22-61.1.31
-で、'Monk And The Nun'で59年5月22日セッション全曲が揃った。さらには「ジス・イズ・アワ・ミュージック」の残り2曲と、「オーネット!」の残り1曲があり、'Joy Of A Toy'がケヴィン・エアーズの元ネタか判らないが、最大の驚きは、「ワン・テイク録音」が定説だった「フリー・ジャズ」に'First Take'が存在したことだろう。長さは17分、ソロ順はドルフィー~ハバード先発だから、ゲスト・メンバーのためのリハーサルとも思われる。全体に演奏も遠慮がちで、やはり「フリー・ジャズ」はアルバム全1曲37分を必要とした理由がわかる。

次に、75年に日本独自発売されたのが、
To Whom Who Keeps A Record(「未知からの漂着」59.10.8&60.7.19,26)
になる。59年の「世紀の転換」セッションから1曲、さらに60年の「ジス・イズ・アワ・ミュージック」セッションから6曲。単品で聴くならこれもいいが、元々の「ジス・イズ・アワ~」と並べて聴くと短期間に多作しすぎに感じる。オーネットのアルバムはすべてオリジナル曲だからこういうことにもなる。

そして93年、復刻盤レーベル、ライノとの提携で、
Beauty Is A Rare Thing-the complete atlantic recordings(画像3/6CD-Box)
-が発売。アトランティックでの全録音がセッション順・録音順にまとめられたが、未聴の方には元々のアルバムをまず薦めたい。
ただしこのボックスでさらに未発表曲6曲が発掘された。計37分だからLP時代のアルバム一枚分に相当するので、未発表曲集は「即興詩人~」「ツインズ」「未知~」とこれでアルバム4枚分が判明した。ボックス初出の未発表曲は60年7月19日録音5曲(「ジス・イズ・アワ・ミュージック」セッション)と61年1月31日録音1曲(「オーネット!」セッション)。この6曲で単独アルバムにすればいいのに。短かすぎるか。