Ornette Coleman(1930-,alto sax,trumpet,violin)。
イギリスではポピュラー音楽のアーティストはイギリス現地採用ミュージシャンを起用しなければならない-という規定が当時はあった。2枚組「クロイドン・コンサート」のA面が管合奏曲なのは、クラシックのアーティストとしてコンサート出演するためだった。BCD面のトリオによる7曲は素晴らしい。後ブリティッシュ・ロックを先導する面々もこの時のオーネットに影響を受けたのだった。
続く、
Fallinp Stars(画像1/旧盤'Live At The Tivoli'画像4)65.10.31
-は、デンマークのライヴで、
The Paris Concert 1965-1966(画像2)65.11.4(旧盤画像5、ソニー・ロリンズ・トリオとのカップリング)&66.2.15
-と選曲も曲順も同じ。単独コンサートではない時のショート・セットなのだろう。40分4曲のステージだからか密度が高い(チヴォリの方が10分ほど長いが、長い分緊張感が弛い)。'Sadness','Lonely Woman','Falling Stars','Clergyman's Dream'と必殺キラー・チューンが並ぶ。3連アルペジオでポリリズム演奏していたヘイデンとはまるで異なり、'Lonely Woman'でアイゼンソンはアルコでドローン奏法を聴かせる。
同じ65年11月のパリ、またもや映画サントラの依頼がある。
Who's Crazy(画像3)65.11
がそれで、録音のメイキング・ドキュメントは今でもDVDで再発売されているが('Ornette Coleman Trio')肝心のアルバムが元々インディーズ盤で、94年に日本でのみCD化されたきりで中古でもまず出てこない。画像もネット上にないので筆者手持ちのCDから撮影した(画像5も同様)。
内容は2枚組全10曲。テーマのある曲というよりはモチーフから映画のシークエンスに合わせた演奏をしたのだろう。このトリオは、スタジオ録音はどちらもサントラの「チャパカ組曲」と「フーズ・クレイジー」しかないので貴重。ライヴの最高傑作「ゴールデン・サークル」(次回掲載)でもリマスター前のCDはベースがほとんど聴こえなかったが、スタジオ録音では当然ベースがよく唸る。「フーズ~」では名曲'European Echoes'スタジオ版が聴けるのも嬉しい。