人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

(補16h)オーネット・コールマン

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Ornette Coleman(1930-,alto sax,trumpet,violin)。
アイゼンソン(ベース)、モフェット(ドラムス)の65年トリオの最高傑作は、
At The Golden Circle,Volume One(画像1)65.12.3,4
Volume Two(画像2)65.12.3,4
-という定評がある。共にブルーノート盤で、おそらく「ジャズ来るべきもの」と「ゴールデン~Vol.1」がオーネット最大のロングセラーだろう(ジャズの名盤ガイドにもこの二作は必ず選ばれている)。
このトリオはライヴ・バンドだがオーネットの作曲意欲は高く、「クロイドン・コンサート」とは一曲も重複せず、すべて新曲を披露している。注意点は、LPもしくは2001年のリマスター盤CDで聴くこと。リマスターCDは別テイク満載でお薦め。87年の初CDはベースが聴こえず、LPより音の悪いCDの見本になっている。
演奏は二枚とも素晴らしいが選曲が曲者で、名曲がVol.1に集中しておりVol.2の分が悪い。トランペット、ヴァイオリンを弾く曲もVol.2だけで、Vol.1は全曲アルト曲からの選曲。これは二枚組と考え、キャッチーな一枚目、実験的な二枚目として楽しむべきだろう。

前回でも紹介した、
The Paris Concert 1965-196(画像4)65.11.4&66.2.12
-の66年分は3曲約30分のラジオ放送で、ヴォリュームは物足りないが音質も内容もいい。再渡欧したのかヨーロッパで年を越したかわからないが、トリオの最後の録音になった。

帰国したオーネットは、ブルーノート社の契約でスタジオ盤の製作に入る。ライヴのレギュラー・メンバーはアイゼンソンとヘイデンの2ベースにブラックウェルのドラムスと決まった。だが、新作、
The Empty Foxhole(画像3)66.9.9
-はベースはヘイデンだけのトリオになった。ドラムスにオーネットの息子・デナードが抜擢されアイゼンソンは怒って不参加だったからで、デナードは10歳だった。アイゼンソン降板は結果的に良かった。たどたどしいドラムスの代わりにベースがしっかりビートを支え、オリジナルも全曲いい。トランペットとヴァイオリンでもこのアルバムで長足の進歩をとげた。