Lou Donaldson(1926-,alto sax)。
ルーさんはブルーノート社の看板を長く勤めてきたが(在籍期間は52~63年、67~74年に及ぶ)この時期には同社の堕落の象徴みたいに言われてきた。
Hot Dog(画像1)69.4.25
-など評価が真っ二つに分かれる作品で、屑のように忌み嫌う人もいれば名作と断言する人もいる。トランペットはエド・ウィリアムズ、ギターはメルヴィン・スパークスに交替した。オルガンのアーランド、ドラムスのモリスは留任。'Turtle Walk'など「アリゲーター・ブーガルー」と「ミドナイト・クリーパー」を足して割ったような曲だがバンドに張りがあるのだ。一流とは言えない面子が揃うと、全員が一丸となって実力以上のいいプレイをすることがある。元々ルーさんはそういう人選をする人だった。
Everything I Play Is Funky(画像2)69.8.22&70.1.9
-のタイトル曲はニューオリンズ・ファンクの巨匠アラン・トゥーサン作で、シカゴにはちょくちょく行っていたルーさんだが、ミシシッピー川を下って一気にルイジアナまで南下したわけだ。69年分は前作と同じメンバー、70年分はトランペットとオルガンに旧メンバーのミッチェルとロニーが戻る。この二組が半々でタイトル曲は70年組。冒頭からルーさんが「アリゲーター・ブーガルー!ミドナイト・クリーパー!…(後略)」と過去のヒット曲名を連呼、メンバーが「エヴリシング・アイ・プレイ・イズ・ファンキー!」とコーラスし続ける。ヒット曲狙いは見え見えだ。ここまであけすけだとすがすがしい。
Pretty Things(画像3)70.1.9&6.12
-などジャケットが先かタイトルが先かわからない。ついにドラムスが交替、1月録音の1曲'Tennesse Waltz'だけだがエレキ・ベースが入った。6月録音ではミッチェル以外メンバー総入れ替えになるが、作風は前作までと変わらない。
Midnight Sun(画像4)70.7.22
-を最後に紹介したい。名作「ブルース・ウォーク」とベース以外同メンバーで原点回帰した作品だが、お蔵入りになり80年まで未発表だった。そして次作からのルーさんはフュージョンになった。