人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

通院日記・8月29日(木)大安快晴

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接写モードはどうも手ぶれしていけない。これはなにかというと、ご覧の通り懐中時計で、クリップつきのストラップで胸ポケットやズボンのポケットに留められるようになっている。
これは今日通院した歯科助手の女の子がエプロンの胸元にぶら下げていたものだが、彼女は先日の歯科通院日記で触れた人なつっこい人柄で、通院の度に親近感パラメーターが上がるギャルゲーみたいな娘だ(だからって何があるわけではないが)。帰りに次回の予約を決める時に窓口で立ち話になり、ぼくは金属でも革でも腕時計アレルギーがあるので(昔は腕時計のベルトを取ってポケットに入れていた。今では携帯電話がある)、まあそういう話題をしてきた。昔からぼくはどんな相手でも共通の話題を見つける特技があった。ライター時代インタビューで役にたったこの特技が、今でもなんとなく日常生活に華を添えているわけだ。

最近は遅刻や予約日、予約時間の勘違いが多かったので、今日は朝から通院時刻までを計画して家事を進めた。まずまずだ。治療内容はわからないが、また歯肉を切られることはないだろう。仮にいきなり「次に治療する歯の歯肉を切りますから」となっても、もう全然つらくないのはわかっている。
今日は治療台に案内されてから待ち時間が長かった。空調はほどよく効いているし、リラクゼーション用の音楽も流れている。椅子の座り心地もいい。いつの間にか眠りこんでいたのは、「佐伯さん、お待たせしました」と担当医の声が聞こえた時に夢から醒めたことでもわかる。よくあることだが、夢から醒めると同時に夢の内容は忘れてしまった。悪くない夢だった。

「実は一昨日糸がとれてしまったのですが」と報告する。「すぐに予約日だからいいと思いまして」
担当医は治療部分を調べると、「うん、いい調子ですね」と、今日の治療は五分で終った。「残った糸を取りました。元々治療済みの歯ですから、次回は型を取り、その次で被せて終りです」
「そうですか。もっと時間がかかるかと思っていました」
引き続き他の歯の治療に移るのかは訊かなかった。ぼくとしては今は医者通いが生活の中心になっているようなものだから。

帰宅して読みたくなった本を探すと、その本は見当たらなかったが、失くしたと思っていた本が出てきた。ぼくの生活は、そんな帳尻あわせでできているようなものだ。