人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

オールタイムベストアルバム500(1~20位)

アメリカのロック雑誌で屈指の権威を誇る「ローリング・ストーン」誌は現在は日本版も読者を獲得しているが、70年代に日本版が発刊された時は情報格差と日本の読者のあまりにも異なる嗜好からごく短期で廃刊になった。では今は日米でロックに関する嗜好がほぼ一致したかというと、アメリカで人気の高いものは日本でも受け入れられるが、日本で強く支持されるものがアメリカでも同様に愛好されているとは限らず、特殊なジャンルに特化したもの(サイケデリック・ロックプログレッシヴ・ロックヘヴィ・メタル)は一般的な流行や評価とは別に存在する。

現在は一流誌にのしあがった同誌が、一昨年に批評家投票で選出した「オールタイムベストアルバム500」は広範囲に話題を呼んだ。至るところで引用紹介されているからご存知の方も多いと思うが、小出しに見ていくのもまた一興だろう。まず1位~20位を見たい。有名なロック作はアーティスト名を省略した。ロック以外のジャンル作や紛らわしい作品はアーティストを記した。

1.サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド
2.ペット・サウンズ
3.リヴォルヴァー
4.追憶のハイウェイ61
5.ラバー・ソウル
6.ホワッツ・ゴーイン・オン(マーヴィン・ゲイ)
7.メイン・ストリートのならず者
8.ロンドン・コーリン
9.ブロンド・オン・ブロンド
10.ザ・ビートルズ(ホワイト・アルバム)
11.ザ・サン・セッションズ(エルヴィス・プレスリー)
12.カインド・オブ・ブルー(マイルス・デイヴィス)
13.ヴェルヴエット・アンダーグラウンド・アンド・ニコ
14.アビー・ロード
15.アー・ユー・エクスペリエンスド
16.血の轍
17.ネヴァーマインド
18.明日なき暴走
19.アストラル・ウィークス(ヴァン・モリソン)
20.スリラー

ベスト20中ビートルズ5作とディラン3作というのは最終的な調整がなされていない生のアンケート結果の反映だろう。50年代はエルヴィスとマイルス、70年代はマーヴィンとボスとクラッシュ、80年代は「スリラー」で90年代では「ネヴァーマインド」という支離滅裂なベスト20になる。これはもはや多様性という次元ではないだろう。20位以下にも期待が持てようではないか。