人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

アル中病棟入院記125

イメージ 1

・4月2日(金)雨のち曇り
(前回より続く)
「午後は女性AA(当然女性患者のみ参加)がプログラムだったが、おそらく先方の都合で中止。AAや断酒会の人たちが来院して講演していくのはヴォランティアだからこういうこともあるし、その人たちもアルコール依存症を完全に克服したとは病気の性質上あり得ない、ということになっている。ならばなぜKmさんのように一度はアルコール依存症の診断を受けた人が主治医判断で普通に再飲酒を許可されたのか、自分自身この入院で学ぶ生理学的知識はともかく、グループ学習による飲酒下の問題行動が(それはテキスト青本に列挙されている)誰もが身におぼえがあると話し合う中自分にはまったく問題飲酒の経験がないことからも、次第に見えてきた。だがこれは仮説から出ないので、退院後に自分の身で証さなければならないし、それで果して診断が覆るかもわからない」

「病院の窓から見える日大三高は甲子園で準決勝戦に勝ち、明日が決勝戦。なんでも38年ぶりだそうだ。昼食の席、今日もTkさんビーチバレーもバドミントンも大活躍でしたね、さすが20代だけあるなあ。そういうことになってるんですか、と、また始まったかと言わんばかりの笑い。佐伯さんこそほんとに年齢不詳ですよ。だからKくんより10歳下だって。まだ言うんですか?それじゃ職業当てクイズ、Kくんの職業は知ってるね?おれの職業はわかるかな?…作家。当たり、正確には病気で仕事を休んでいるフリーライター。これは本当だよ、とKくん。KdさんもUzさんも初耳だったらしく驚く。それってどんな仕事なの?いろんな雑誌に記事を書く仕事です、依頼されれば。本名で?その時々で、本名だったり編集部がつけたペンネームだったり。ところで何でTkさん、おれのこと作家と思ったの?…他の仕事をしている佐伯さんを思いつかなかったから。私もそう見えるわ、とKdさん。私はそうは見えない、とUzさ
ん」

「じゃあおれは何型に見えます?とKくん。Tkさんは間髪入れず、B型。普段からA型を公言するKdさんは爆笑。AですよA、完璧なA型じゃないですか。私は完璧なA型よね。ええ、Kdさんは完璧なA型ですよね、でも私B型ですよ。おれB型に見える?B型って何?オブラートに包みますか?おれA型だから発言はストレートですが心はガラスなんで…オブラートでお願いします」(続く)