人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

アル中病棟入院記216

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(人名はすべて仮名です)
・5月10日(月)曇り
(前回から続く)
「午後の掃除は週に一度の環境整備(消毒清掃)。三田さんが灰皿当番を忘れて寝ているので工藤くんが次回の担当日との入れ替えで灰皿当番にまわる。掃除の後は二時からビデオ学習。自分の酒歴発表を終えたからか消化試合のような気だるさがある。日曜はマイルス聴きたい!できればイン・ア・サイレント・ウェイと強烈に思ったが、気だるいとくれば安全バンドだ。授業の後携帯電話を出してもらいロビーでメールチェックするが新着なし。昨日の返信もないのに多忙だったり大変だったりしているかたがたにメールの追い打ちするわけにはいくまい」

「追加報告するなら酒歴発表を終えて退院を控えるばかりです、ということくらいだが、小一時間でそれぞれの人に書き分ける気力がない。それ以外で直面しているのは吉村くんの件だが書いてどうなるわけでもない。授業中に吉村くんが家族らしき人たちと面会室に入っていくのを見たが、結局メールを諦めて病棟に戻ると、すいません佐伯さん家族に紹介しなくて、とわざわざ言いに来た。退院まで辛抱するしかない」

「今週の入浴は男性三時半~の先攻で、一番風呂に入る。栓のチェーンは外れたままだったが栓ははめ直してあって、快適に入る。夕方以降はまた降谷智子が躁状態で、どうも勝浦・佐伯の二人をわざわざ狙ってくるのは梅崎さんや滝口さんと親しい様子を見ていたからだろう。そこへ尾崎さんと森下くんも入ってきたら話は一気に猥談になり、夕食後は男四人で猥談に興じる。やっぱ入院はこれでなきゃな、と勝浦くん、気分は男子校だぜ。話題は降谷の虚言癖?にも及ぶ」

「今夜も降谷智子は歌う踊るの大騒ぎだったのだが、おれたちをおっさん呼ばわりして自分は36歳と言ってたが滝口さんはあの人52ですよ、って言ってたぞ。ちなみに本人が言うにはご主人は東大、自分は上智卒で結婚前の職業はFBI。子供がいるって言ってたよ、と森下くん。独身だって言ってた、と尾崎さん。もう滅茶苦茶。―第三病棟と第二病棟の通路は封鎖中。まだ狂人工藤と青柳の一触即発状態が続いているらしい。就寝前の服薬も第二病棟の窓口渡し。テレビ放映『ダイ・ハード2』の観客多数でかえって病棟は落ち着いた雰囲気になる。こうして日記をその日のうちに記すのも久しぶりだ」