人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

Ash Ra Tempel "Ash Ra Tempel" & Tangerine Dream "Electronic Meditat ion"

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Ash Ra Tempel "Ash Ra Tempel" West Germany,1971
(A)Amboss(19:40)
https://www.youtube.com/watch?v=iTZeaAIDvTo&feature=youtube_gdata_player
(B)Traummachine(25:24)
https://www.youtube.com/watch?v=6sI1uYixC0A&feature=youtube_gdata_player
Manuel Gottsching : Guitar,Vocals,Electronics
Hartmut Enke : Gibson Bass
Klaus Schulze : Drums, Percussion,Electronics
Produced by Rolf-Ulrich Kaiser
Engineerd by Conny Plank

アシュ・ラ・テンペルの伝説的なファースト・アルバムはA面1曲B面1曲の大作で、ギター+ベース+ドラムスという編成から普通想像されるロックとはかなり異なるものだ。ギタリストのゴッチングは弱冠18歳だった。このアルバム、普通は曲とすら呼べないサウンドの流れでしかないかもしれない。アシュ・ラ・テンペルの恐ろしいところは、四作目の『ジョイン・イン』でもこのファースト・アルバムと同じA面曲・B面曲を再演しているばかりか、B面曲に至ってはファーストから第四作までアルバム4枚すべてで同じ曲を再演(曲名は毎回変えているが)している徹底ぶりにもある。ちなみにそのB面曲は、ピンク・フロイドのセカンド・アルバム『神秘』タイトル曲に強い影響を受けた瞑想的な曲想で、『神秘』は68年発表と思うとフロイドの先駆性がわかる。

クラウス・シュルツェはアシュ・ラ・テンペル以前にはタンジェリン・ドリームのデビュー・アルバムに参加していた。タンジェリン・ドリームは第五作『フェードラ』からイギリスのヴァージン・レーベルに移籍して広く国際的成功を治めるが、その下地はドイツ時代の『アルファ・ケンタウリ』『ツァイト』『アテム』でほぼ完成していた。タンジェリンといえばエドガー・フローゼ、クリストフ・フランケ、ペーター・バウマンのトリオだが、デビュー・アルバムだけはフローゼ、コンラード・シュニッツラー、クラウス・シュルツェとリーダー格の三人が奔放を極めたアヴァンギャルド・ロックに徹してその後のタンジェリン作品とは一線を画しており、クラウス・シュルツェのドラマー時代の作品としてもアシュ・ラ・テンペル作品より優れたアルバムになっている。フローゼとシュニッツラーは年長者なだけゴッチングやエンケより巧みなミュージシャンだった。チェロ、ギター、ドラムスにオルガンはメンバー掛け持ちで(フルートのゲスト参加も存在感が大きいが)、やはり『神秘』の頃のピンク・フロイド影響下といえ、ここまで異様な音楽が作れたものと感心する。
Tangerine Dream "Electronic Meditation" West Germany,1970(Full Album)
https://www.youtube.com/watch?v=pyz_qYIWYW4&feature=youtube_gdata_player
(A)1.Genesis/2.Journey Through a Burning Brain
(B)1.Cold Smoke/2.Ashes To Ashes/3.Resurrection
Konrad Schnitzler : Violin,Cello,Organ
Edgar Froese : Guitar,Organ
Klaus Schulze:Drums,Percussion,Organ
Produced by Rolf-Ulrich Kaiser