人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

Joy Division - Here Are the Young Men (Factory,1982)

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Joy Division Here Are The Young Men (Full Video): http://youtu.be/lLBO-AJayU0
"Here Are The Young Men" Factory FACT 37(VHS-Video) August,1982
00. Introduction (Soundcheck -Decades) / 01. Dead Souls / 02. Love Will Tear Us Apart / 03. Shadowplay / 04. Day Of The Lords / 05. Digital / 06. Colony / 07. New Dawn Fades / 08. Autosuggestion / 09. Transmission / 10. Sound Of Music / 11. She's Lost Control / 12. They Walked In Line / 13. I Remember Nothing
'Promo Clips'
14. Love Will Tear Us Apart : http://youtu.be/LS7CiL8MNb0
Tracks: 1,2,3 & 11 Manchester, Apollo Theatre 27 October 1979
Tracks: 4,9,10,12 & 13 Manchester, Apollo Theatre 28 October 1979
Tracks: 5,6,7 & 8 Eindhoven, Effenaar, The Netherlands 18 January 1980
Track 14: Love Will Tear Us Apart not credited on sleeve
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 『ヒア・アー・ザ・ヤング・メン』は1982年8月にヴィデオ発売され、永らくジョイ・ディヴィジョン唯一の公式映像作品とされてきたもの。ライヴ13曲の他に隠しトラックとしてバンドが残した唯一のヴィデオ・クリップを含む全14曲が収録されている。
 ジョイ・ディヴィジョンは1977年にマンチェスターで結成されたイギリスのバンドで、当初はセックス・ピストルズの登場に触発されたパンク・ロックを志向していたがメンバーの出自はレッド・ツェッペリンやディープ・パープルらのハード・ロック、デイヴィッド・ボウイやロキシー・ミュージックらのグラム・ロックにあり、ヴォーカリストでソングライターのイアン・カーティスルー・リード(ヴェルヴェット・アンダーグラウンド)、イギー・ポップ(ストゥージス)への傾倒もあってデビュー・アルバム『アンノウン・プレジャー』(1979年4月録音、5月発売)ではすでにロンドン・パンクの影響から脱した陰鬱なサウンドを確立していた。バンドはさらにアルバム3枚分のスタジオ録音を進めるが、セカンド・アルバム『クローサー』(1980年3月録音、7月発売)の発売に先立つ初のアメリカ・ツアー出発の前日5月18日にイアン・カーティスは複雑な問題から縊死してしまう。双極性障害の上に癲癇を発症し、突然の発作や錯乱が頻繁に起こり、薬物治療もさらに副作用を生んだ。数回の自殺未遂があり、私生活では公務員生活からプロ・ミュージシャンに踏み出す不安があった。セカンド・アルバムの制作はそんな中行われた。愛人と妻との板挟みに陥っていたが夫人と愛人の両方の支えに執心しており、夫人が離婚準備のために娘を連れて実家に帰っている留守宅で一人で首を吊った。アメリカ・ツアーへの不安も大きかった。創造力はピークに達していたが心身の健康と私生活は最悪の状態だった。
 カーティスの没後、アルバム『クローサー』は新興インディーズでは画期的な全英4位、シングル『ラヴ・ウィル・ティア・アス・アパート』は全英13位に2か月間チャートインする。81年10月にはアルバム不採用曲とカーティス生前最後のライヴからなる2枚組アルバム『スティル』が発売され、全英5位になった。またジョイ・ディヴィジョンにはさらにアルバム1枚分のシングルのみの既発表曲があり、アナログ盤シングルのままロングセラーを続けていたが、88年7月に既発売アルバムと重ならない全17曲がCDアルバム『サブスタンス』としてまとめられた。1997年にはスタジオ録音の全集とも言える4枚組ボックス『ハート・アンド・ソウル』、2007年には3作のオリジナル・アルバムがリマスターされ、それぞれ未発表ライヴをカップリングして新装発売された。
 2008年にはイアン・カーティスの生涯を映画化した『コントロール』とバンドのドキュメンタリー映画ジョイ・ディヴィジョン』が公開されているが、『ヒア・アー・ザ・ヤング・メン』はオフィシャルな契約レーベルからのDVD再発はされていない。ジョイ・ディヴィジョンは活動期間が短く、また消滅後(カーティス抜きのメンバーはニュー・オーダーと改名、全世界でトータル売り上げ2000万枚を誇るバンドに成長する)に成功したバンドであるため、映像素材が3回のテレビ出演、4回のプライヴェート撮影、カーティス生前のヴィデオ・クリップ1曲、カーティス没後のヴィデオ・クリップ1曲(『アトモスフィア』)しかない。これはカーティス生前から『ラヴ・ウィル・ティア・アス・アパート』に続くシングルに予定されていたものだった(全英34位)。

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 インディーズ・レーベルからのアンソロジーDVD『デッド・ソウルズ』は『ヒア・アー・ザ・ヤング・メン』全曲に、同ヴィデオ未収録映像を重複なく網羅したもので、これがバンドを記録した映像の全部になる。こうしてまとめられたのもありがたいことだが、できれば今後オフィシャルな形で、リストア(リマスター)されたリリースを期待したい。曲目自体が貴重で、これがジョイ・ディヴィジョン全映像かと胸に迫るようなものがある。

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"Here Are The Young Men"
01. Introduction (Soundcheck -Decades) / 02. Dead Souls / 03. Love Will Tear Us Apart / 04. Shadowplay / 05. Day Of The Lords / 06. Digital / 07. Colony / 08. New Dawn Fades / 09. Autosuggestion / 10. Transmission / 11. Sound Of Music / 12. She's Lost Control / 13. They Walked In Line / 14. I Remember Nothing
"Something Else 1979 #1"
15. Transmission
"First TV Appearance On 'Granada Reports' 1978"
16. Shadowplay
"Live At 'Small Pub' 1978
17. She's Lost Control / 18. Shadowplay / 19. Leaders Of Men
"'Something Else' 1979 #2"
20. Transmission / 21. Interview / 22. She's Lost Control
"'Apollo Manchester' 1979"
23. Dead Souls / 24. Wilderness
'Promo Clips'
25. Love Will Tear Us Apart
26. Atomosphere : http://youtu.be/8C2W6cN19Cs
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 同内容で、『ヒア・アー・ザ・ヤング・メン』とその他を分けたDVD2枚組ヴァージョンもある。こちらのジャケットも大変良い。

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