人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

人それをソウルフードと呼ぶ。

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 こんな食材セットがスーパーで売られているのを発見した。税抜き価格284円(税込約307円)、内容量は800gはあるだろう。100g約38円になる。およそ生鮮畜肉の値段ではないだろう。その上、調味料と出来上がりイメージ画像まで添付されている。

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 肉の分量に対してつけだれ程度の調味料だから、これは焼き肉のタレを足すかして、鍋よりもフライパンに全部を広げて、ごく少ない煮汁から煮詰めていくのがいいだろう。玉ねぎやおろし生姜など、肉のすき煮や肉じゃがと同じ容量でいいはずだ。牛・豚のモツ煮ならみそ味でもしょうゆ味でも冬場は何度かつくる。料理酒も今未開封のがある。照り焼き(ヤキトリ)用タレにおろし生姜、あとは材料がひたひたになるまで料理酒をそそげば、煮汁がすべて具材に染み込んで飛ぶまで煮詰めていけば良い。やはり鍋よりフライパンの方が効率良さそうだ。
 内容。これはズバリ鼻血体質の方、普段からなんとなく体がだるい、気分が落ち込みがちな方にもお勧めしたい。
 内容。鶏肉の内蔵各種。内訳、きんかん。砂肝。肝(レバー)。実はこれは、もしイメージ画像通りにしあがるなら、母(故人)がよくパートの帰りにパート先近くの肉屋で買ってくる鶏のモツ煮の甘露煮が再現できるはずなのだ。もう40年近く昔にはこんなお惣菜もあった。
 母のなき後、10年近く経ってその町に行くことがあった。肉屋はまだあったしお惣菜も作っていたが、鶏の甘露煮はなかった。質問さえすんなり理解されなかった。昔はそういうのもあったみたいですけどね、と店の人は半分すまなそうに、半分あきれたように言っていた。
 きんかんや砂肝、鶏レバーがそれだけパックになって売っているのは見かけないでもない(きんかんはないスーパーもあるかもしれない)。砂肝と鶏レバーはヤキトリにできるのでそれなりに需要もあるのだ。ただ、鶏モツの甘露煮はもし家庭の食卓に乗らなかったら一生知らなかったかもしれない。うちは春先には田んぼで掘ってきたドジョウを食べ、夏はやはりイナゴを採ってきて甘露煮にして食べていた。
 人間が二種類に区別されていて、一方の人間は畜肉でもステーキや加工肉(ハンバーグ、ソーセージなど)などの上肉しか食べない。鶏肉でも内臓は除けて焼く。もう一方の人間は肉といえばモツ煮やモツ焼きしかありつけない。そういうアパルトヘイト下では、畜肉の内臓肉を使った料理はソウルフードと呼ばれる。別に内臓肉に限らないが、収穫しても選んだ部分しか食べない人種と、くまなく食べる人種がいるということだ。800g300円の肉などはどう調理しようとも当然ソウルフードに属する。滋養に豊んで低カロリー、その上食材費は低廉と、刑務所食や入院食にはうってつけだろうが、感情的な刺戟、つまり閉じ込めやがった上にこんなもの食わせやがってになる危険があるからか、そういう施設では出ないようだ。
 それにこれはたぶん土星人の間でもソウルフードである食べ物であるに違いない。そこのところ、土星からの使者の方には地球上滞在のうちにご意見をうかがいたかった。うまく調理できたらせめてお写真にでもお供えしたい。
 御真影

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