人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

通販家電店の問い合わせ対応について

 家電、それも通販で購入するとなると、商品の品質はもちろんだが販売店に信がおけるかも重要になってくる。明らかな初期不良で交換ならまだいいが(それも良くはないが)、保証期間は最低一年はあるとして、本当に不調や故障に迅速確実に対応してくれるのか。
 今どきは通販専門店だと店頭価格の半額程度で同一商品を販売しているところも多く、流通マージンが省ければ半額でも利益が出るとなると、店頭価格のうち原価は20%にもならないのだろうと思われる。だが通販家電店のリスクは現品が見られないのもあるし、保証その他についてはあらかじめいくつかの事例を想定して確認しておかないと泣きを見る。店舗での店頭購入ならいざとなればごり押しの持ち込みという手があるが、通販店に送りつけても梨のつぶてでは仕方がない。顔が見えないというのはこういう時にはどうしようもない。
 そういえばこのブログで誰も読んでいる人などなさそうスヌーピーの話に、こないだ初めてナイス!をいただいてびっくりした。連載30何回目になる。思わずその回を読み返してしまったくらいだ。普段は続きを書く時に前回の末尾を少し読み返すくらいのことしかしない。それはさておき-
 比較的安価な家電、つまり店頭価格で購入してもまずまずのものを半額程度で通販店から買うなら、保証期間を過ぎて駄目になっても修理より買い直した方が安くつくわけだ。どうせ買い直すなら長持ちする堅牢さを求めたいが、1年保証で壊れるものとはだいたい季節家電だったりする。そうなると購入してから2度目のシーズン中に壊れて、もう保証期間は過ぎていたりして、買い直すしかないということになる。電気毛布のようなものは仕方あるまい。
 だがAV製品となると季節品ではないし、ぴんきりとはいえ安価なものではない。1年で元がとれたとはいえない。保証期間中の対応はきっちり望みたいし、買い直すより安価に修理できるなら耐年寿命をまっとうしてもらいたい。もちろん修理などする必要なく、せいぜいメンテナンス程度で済まされば越したことはない、ということになる。

 昨年末にマルチAVプレーヤー(ブルーレイ、DVD、CD)を購入した時に真っ先に困ったのは、通販サイトの商品仕様説明文に出力端子が必ずしも明記していなかったり、信号方式や対応リージョンに至ってはまるで記載されていなかったりしたことだ。これまで8年使っていたポータブルDVDプレーヤーはリージョンは2のみ(日本・ヨーロッパ共通)、信号方式はNTSC(日米規格)=PAL(ヨーロッパ規格)自動変換だったから、日本盤DVDとヨーロッパ盤DVDを観ることができた。リージョン0というDVDの場合はプレーヤーの対応リージョンが何であろうと再生できる(音楽DVDに多い)。コレクションにもヨーロッパ盤の輸入盤DVDが多いから、NTSC/PAL両用プレーヤーを見つけないと手持ちのソフトを観られない。
 せっかくの買い直しだから上位機種のブルーレイ兼用プレーヤーを選びたい。そうなるとモニター一体型のポータブルプレーヤーは高くつくので、据え置き式のデッキでテレビをモニターにできればいい。だが今は、液晶テレビ~地上波デジタル放送の流れで旧来のブラウン管テレビとは入力方式が違ってきている。高品質画像、5.1chサラウンド音声(そんな方式のオーディオシステムを自宅に備えている人がどれだけいるか疑問だが)のためのデジタル出力というと、D端子HDMI端子というUSBケーブル端子のような平型のものになる。アナログテレビに入力するにはRCAケーブル端子と呼ばれるアナログ出力用ケーブル、あの赤白黄色の三本ピン端子を用いる。音声は赤(左)・白(右)の2chステレオ、画像は黄色。この旧来のアナログ出力にも利点はあって、アナログ入力のステレオ・オーディオシステムにそのままつなげるのだ。後述するが、今回購入したブルーレイ/DVDプレーヤーはCDデッキとしても高機能であることがマニュアルには強調されていて、再生プログラミングやイコライジングについてページが割かれてあった。

 端子については記載があったりなかったりまちまちだったが、商品画像のデッキ裏側の端子面を見ると、明らかに平型端子(D端子HDMI端子)しか出力のないものが多い。また画像で確認できなくても、付属品としてHDMI端子がついているようなものはRCA端子(アナログ出力)はないと見ていいのだろう。
 そこで家電通販店のサイトから以下のことを問い合わせてみた。その1、信号方式はNTSC/PAL両用か、NTSCのみか。その2、出力端子はRCA端子があるか。その3、対応リージョンはどうなっているか。これはもしリージョン1も対応ならアメリカ規格のアメリカ盤DVD(NTSC、リージョン1)も観られるからだ。10軒ほどに複数機種について問い合わせたところ、次のような回答が返信されてきた。

(1)「御質問ありがとうございます。担当のS*と申します。
御質問のリージョン番号・出力端子の件でございますが、調べてみましたが不明でした。
大変申し訳ございません。」

(2)「お問い合わせありがとうございます。
お問い合わせの件でございますが、当ストアの該当商品はすでにAmazonへ納品済みとなっており、現物にて確認することができない状況でございます。
そのため、メーカーの方へ本件の正確な情報確認を依頼しておりますが、休日のため残念ながらまだ回答をいただけておりません。
お急ぎのところ大変申し訳ありませんが、メーカーより回答が届きましたら内容をご報告させていただきますので、今しばらくお待ちくださいますようお願いいたします。」

(3)「御連絡ありがとうございます。N*商事でございます。
誠に申し訳御座いませんが、弊社は販売委託されているだけになりますので商品の仕様等の詳細につきましては、各種メーカー様までお問い合わせいただきますようお願い申し上げます。
大変お手数おかけしますが宜しくお願い申し上げます。」

(4)「お世話になっております。A*屋でございます。
お問い合わせ誠にありがとうございます。
誠に申し訳ございませんが、お問い合わせの商品が本日最後の一点が売れてしまい、現在在庫切れの状態となっております。
折角ですが、大変申し訳ございません。
この度は非常に残念ですが、今後とも相変わらぬお引き立てを宜しくお願い申し上げます。」

(5)「日本の信号方式はNTSCです。(国内メーカーですのでNTSCです)。出力はRCAD端子HDMIとなります。」

(6)「信号方式はNTSCのみとなっており、説明書の中にも「※NTSC方式(日本のテレビ方式)以外のディスクは正しく表示されないことがあります。」と注意書きもあるようですので、基本的にはPAL方式には対応していないとの回答でございました。
ご検討よろしくお願い致します。」

(7)「お問い合わせありがとうございます。
お問い合わせの商品の件でございますが、メーカーより未だ回答をいただけておりません。
年末ということもあり、回答がかなり遅れてしまうことが考えられます。
大変申し訳ありませんが、本サイトのページより同商品を販売されております他ストア様にご質問していただいたほうが、迅速な対応が可能かと思われます。
この度はご要望にお応えできず誠に申し訳ありませんでした。」

(8)「お問い合わせ頂きありがとうございます。
ご質問頂いた件となります。
DVDの信号方式ですが、メーカーサイトには信号方式NTSCとあります。
ただ、サイトには書いてないようですが、実際にはAUTOが選べます。
詳細は下記ページを参考にしていただければと思います。
http://(下略)
どうぞご検討よろしくお願い致します。」

 この8番目の回答で、海外輸出用(逆輸入商品)としてリージョンフリープレーヤーという商品カテゴリーが特別に存在するのを知った。日本製品では日本規格で定められた信号方式NTSC・リージョン2のDVDプレーヤーしか原則生産禁止なのだ。つまり日本盤DVDしか観られないように作られている。だがアメリカだと海外(アメリカ盤以外の)DVDの需要や市場もあるから、アメリカのメーカーによる(中国製)リージョンフリー・ブルーレイ/DVDプレーヤーが販売されており、日本でもアメリカからの輸入リージョンフリープレーヤー専門の取扱店があるのだ。同一商品でもあちこちのお店が扱っている。アメリカ製プレーヤーはどうも電源プラグが左右非対称で、変換プラグが必要らしいのがわかってきた。アダプターは必要ない(全世界対応!)らしい。そこで同一商品を取り扱っているお店数軒に問い合わせてみて、対応の迅速丁寧なところから購入することにした。

「OREI BDP-M2 mdf-ver リージョンフリー マルチフォーマット 3D対応ブルーレイDVDプレーヤー ブルーレイ(A/B/C 完全対応) DVD(0~8 PAL/NTSC 完全対応) 100~240V全世界対応 を注文しようと思いますが、変換コンセントはどうやってお願いすればいいでしょうか。ご教示ください。」

 これが電話問い合わせ先を掲載している店があり、今からお客さんに変換電源プラグを発送するところだから注文を決めれば午後には発送するという。そこは複数業者が出品している中でも名指しで評判が良く、商品知識も確かでアフターサービスも万全、リージョンフリープレーヤー取扱専門店で故障修理を受けつけているのはその店だけらしい。電話で端子についても確認できたが、今RCA出力端子がついている機種は貴重ですよ、と言っていた。注文直後にすぐ変換コンセントとアフターサービスについてのメールが来た。

(a)「この度はお問い合わせからご購入頂き誠にありがとうございます。
本日、ヤマトメール便にてコンセントを郵送させて頂きました。
それでは引き続き宜しくお願い致します。」
(b)「この度は、数ある リージョンフリープレーヤー の中から
OREI BDP-M2 Region Free Player
をお選び頂き誠にありがとうございました。
御注文頂きました商品は、まもなくお手元に届く頃かと存じます。
早速では御座いますが、ただ今 弊社商品のプロモーション期間中ですので、もし宜しければ商品をお使いいただき、ご満足頂きましたら商品のレビューをご記入で、1年間の無料保証から3年間の無料延長保証にグレードアップ対応させて頂きます。
ご記入後、こちらよりご連絡を頂けたら幸いです(^^;
レビューのお名前(ご購入者様)が販売店から見えない仕組みになっている為です(^^;
※(保証書は御座いませんが当店にてデータを管理しておりますので、ご安心くださいませ)
この度はご購入いただき誠に有難うございます♪
今後とも宜しくお願い致します。」
(c)「この度はご購入頂き誠にありがとうございました。
無事にご利用頂けたの事で良かったです。
レビューご投稿後、3年間しっかりサポートさせて頂きますので、何か御座いましたら、お気軽にお問い合わせ下さいませ。
それでは引き続き宜しくお願い致します。」

 それが昨年末で、1月になってからユーザーレビューを投稿して確認の返信をいただいた。

(e)「こんばんは。
この度は誠に有難うございます。
お忙しいところ素晴らしいレビューを頂戴致しまして、恐れ入ります!
今後3年間しっかりサポートさせて頂きますので、何か御座いましたら、お気軽にお問い合わせ下さいませ。
それでは引き続き宜しくお願い致します!
この度は誠に有難うございます。」

 実にまめな業者のかたで、自営業者ならずとも商いとは、本来ここまで丹念にサーヴィスに勤めねばならないものだれう。(1)~(7)で引用したうち誠意の感じられる回答は(2)(6)のみ(同一業者)、実際に役立った回答は(8)のみだったが、ならば(8)の回答業者は、お問い合わせの条件で当社が扱っている機種は、と商売するチャンスだってあったのだ。
 購入1か月だから動作が良好なのも当然といえば当然だし、同一商品をもっと底値で出品していた業者もあったのだが、変換プラグ(コンセント)は別料金だったかもしれず、保証期間延長3年や修理受けつけまではないだろう。とにかく家電品はアフターサービス万全な取扱店次第で選ぶに越したことはない。物を買う、というのは信用や安心の分まで相手にお金を払う、ということでもある。