人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

なぜ猫は

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 なぜ猫は突拍子もない場所に乗りたがるか、という疑問を抱くときりがない。例えばたんすの上とか本棚の上、それもわざわざ隅っこのところから首だけ突き出したりしている。ベランダの手すり、欄干の上、路上駐車したママチャリのカゴの中。そんなところから呑気に眺めるでもなく周囲を視界に収めている。
 高い場所、という共通点はあるだろう。猫は警戒心の強い動物だから周囲の動向が一望できる場所だと落ち着くのだが、その割には一旦落ち着くと緩みきってしまう。ただし猫類の動物の瞬発力はすごいので、いざとなれば逃げ切る自信はある。そこで平然としどけない姿をさらけ出し、下界を睥睨しているのだ。
 それを慢心と言うが、「好奇心猫をも殺す」という英語の諺のようには成人した猫は大して好奇心も持たない。高い場所でなくても、通路のど真ん中や壁の隅っこで無防備な姿も珍しくない。猫には個体としての自我など持ち合わせないのかもしれない。もしそうなら、猫は人類などよりよほど進化した、種族単位で意識の統合が自然に進んだ動物だろうと思える。