人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

ブログ1回分の作文所用時間

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 ブログを書くのにどのくらい時間がかかるかインドネシアから質問をいただいたのでお答えしたい。まずパソコンを持っていないので4年前まではいわゆるガラケーガラケーが壊れた4年前の秋からはスマートフォンに買い替えてスマホで書いている。壊れたガラケーは画像の通り。ボロボロです。で、ガラケーではブログの投稿は1回1,000文字までという分量制限があったのでその分量に収めて書いていた。200字詰め原稿用紙(雑誌メディアでは通常400字ではなく200字詰め原稿用紙が使われる)で5枚に相当するのでコラムとしては順当な分量だがまとまった内容を書くには窮屈に感じることも多い。ところでスマートフォンを試してみるとモバイル用ブログでも制限が20,000字までなのがわかった。400字詰め原稿用紙で50枚、十分映画の原作にはなる程度の長さの短編小説ほどの分量だからさすがに毎回そんなに書けはしないし、入稿というゴールに向かって年中スタンピードを強いられる職業ライターはとうにもう廃業したのに毎日50枚も書いていたら療養生活にならない。そこで最初から1,000文字以内に収める作文と分量自由な作文の2通りに分けて考えることにした。分量自由といっても上限20,000文字ならまず越えることはない。何回か書いてみると分量自由で作文してみた場合はほぼ5,000文字前後になった。400字詰め原稿用紙換算12~14枚といったところで、大体それが1テーマあたりの作文に要する適量のようらしく、つまり思考の持続時間と射程距離が届く自然な長さがその分量ということになる。注文仕事ならもちろんその限りではないが、今書いている作文は注文ではなく療養中のリハビリテーション、ボケ防止のためですらなく単なるひまつぶしにすぎない。作文ほど元手がかからず時と場所を選ばない手軽な趣味はない。
 そこで作文所用時間だが、長さはあまり関係ない。書き出しが決まればだいたい1時間程度で書き終える。書く前の構想(というほどのものではないが、この段階で段落ごとの小見出しを書き始めることもある)と書いた後の手直し(手直しでさらに長くなったり、大半新しく書いて差し換えることもある)が各30分~1時間ほどだから最短ならば1時間、手間取って2時間半、というところだろうか。1,000文字作文の場合でも5,000文字作文の場合でも所用時間は大差ない。短い作文ほど行文に気を使うし、長ければ勢いが落ちないうちになるべく一気に書く。てにをはや文末表現は一旦書き上げてから手直しすることが多い。もちろんスマートフォンは両手打ちとか親指打ちはできないしブラインドタッチなどできない。右手の一本指で打つが、打ちやすい指は薬指なので薬指の側面で打つ。どだいブラインドタッチなどできたところで思考の速度より速く打てても無駄なのでパソコンでもスマホでもブラインドタッチなど覚える気は毛頭ない。5,000文字作文を案出・推敲含めて2時間半程度というと一見速いみたいだがいやいやいや、ご覧の通り下手な作文だから速い以外に取り柄などないのが実情で、時間をかけるとかえって散漫になるのは毎日5,000文字(前後)の作文を書けばわかる。ブログを始める前は大学ノートに細かい字で1日1ページ日記を書いていた。それがほぼ毎回5,000字程度に相当していたはずで、サド侯爵もバスティーユ牢の中で巻紙に『ソドムの百八十日』を書いていたペースはこんなものだったのではないかと思われる。サドの遺稿とこんなものを並べて語るなど不遜もたいがいにしろ馬鹿者と自戒するが、今回ちょうど1時間で仕上げた作文(1,600字)の見本になったのでご容赦いただきたい。せっかくの作文なのだからせめてもう少し芸なり哲学なりを入れたいものだとたまには反省するのも良いかもしれない。国民の義務も果たさず社会的信用も皆無な人間がこんなことを言ってもちゃんちゃら可笑しいだけではあるが。