人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

ヴェルヴェット・アンダーグラウンド The Velvet Underground - Redux / Live MCMXCIII (Warner, 1993)

 (Reissued Warner DVD Edition Front Cover)

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ヴェルヴェット・アンダーグラウンド The Velvet Underground - Redux / Live MCMXCIII (Warner, 1993) Full Video : https://youtu.be/C_ExmXKFgMI
Recorded live at Olympia Theatre, Paris, June 15 to 17, 1993
Released by Warner Reprise Video ‎– 9 383363-6, 1993
All Songs by Lou Reed except as noted.
(Tracklist)
1. Venus In Furs - 5:44
2. White Light / White Heat - 4:20
3. Beginning To See The Light - 5:04
4. Some Kinda Love - 6:37
5. Femme Fatale - 3:44
6. Hey Mr. Rain (Tucker, Reed, Morrison, Cale) - 15:42
7. I'm Sticking With You (Cale, Reed) - 3:30
8. I Heard Her Call My Name - 4:43
9. I'll Be Your Mirror - 3:15
10. Rock 'N' Roll - 6:13
(11. Sweet Jane) : https://youtu.be/jLW8VKWvWuA - 5:19
12. I'm Waiting For The Man - 5:17
13. Heroin - 9:27
14. Pale Blue Eyes - 7:45
15. Coyote (Reed, Cale) - 5:58
[ The Velvet Underground ]
Lou Reed - lead vocals, rhythm guitar, lead guitar
John Cale - electric viola, piano, bass guitar, vocals, lead vocals on 5,12
Sterling Morrison - rhythm guitar, lead guitar, bass guitar, backing vocals
Maureen Tucker - drums, percussion, lead vocal on 7

(Reissued Warner 1DVD+1CD "Sight & Sound" Edition Front Cover)

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 ヴェルヴェット・アンダーグラウンドの再結成は何度となく企画されては実現せず、ソロ活動を始めていたニコ、ジョン・ケイル(ケイルはニコのプロデューサーでもありました)、ルー・リードの3人が1972年1月にパリのバタクラン劇場で行ったアコースティック・ライヴ(2004年に正式CD化)がもっともオリジナル・メンバーのヴェルヴェット再結成に近いコンサートでしたが、1973年にヴェルヴェット名義の後期メンバー、ダグ・ユールのバンドが活動停止した後は1990年にユールが再びヴェルヴェット名義でライヴ活動を行い、また同年にはジョン・ケイルルー・リードが1987年のアンディ・ウォホールの逝去(また1988年のニコの急逝)を受けて共作アルバム『Songs For Dorella』を制作発表、スタジオ・ライヴによるヴィデオ・ヴァージョン、東京での1回のみの再現ライヴを行いました。ただし同アルバムはケイルとリードの新曲のみ、演奏と歌も完全なデュオ・アルバムだったのでヴェルヴェットの再結成というよりもソロ・アーティストとして確たる地位を築いた両者のコラボレーションというニュアンスの方が強いものでした。
 ついにヨーロッパ公演の1ツアー限定でオリジナル・メンバーのヴェルヴェット・アンダーグラウンドの再結成が行われたのは1993年のことで、6月にパリのオランピア劇場で3日に渡って行われた公演が2枚組CDでは23曲、ヴィデオ・ヴァージョンでは15曲、1CD版では選曲違いの10曲版と15曲版でリリースされ、今回ご紹介したのはヴィデオ・ヴァージョンです。現在ではDVDでリリースされていますが内容はVHSヴィデオのリリース時と変わりありません。このツアーのセット・リストは23曲版の2枚組CDで網羅されているようですからDVD化に当たって同内容に増補が望ましかったものですが、メンバーたちはこれで良しとしたのでしょう。ヴェルヴェットは'96年にロックの殿堂入りを果たし、またアメリカのローリング・ストーン誌の2004年の「史上もっとも偉大なロック・アーティスト」ではヴェルヴェット・アンダーグラウンドは第19位にランクされています。この再結成ライヴの聴き所はケイル脱退後の後期ヴェルヴェットの曲をダグ・ユールではなくケイル入りで演奏している点(ユールは招かれず、招かれたら参加したとコメントしています)、デビュー作でニコがゲスト・ヴォーカルを勤めていた曲をケイルとリード、主にケイルの歌で聴ける珍しさと、2曲の新曲が聴ける点でしょう。新曲のうち2-3は全員共作の短いお遊び的な「童謡」ですが、2-12はリードとケイルの真面目な共作です。2枚組CDに収められた全23曲は文末の通りですが、8曲の未収録曲は惜しいとしてもこのライヴは15曲入りの映像版で観る方が楽しめるでしょう。モーリン・タッカーのドラム・セットのセッティングやドラミングがいかにヴェルヴェットを独自のサウンドにしていたかがわかる上に、タッカーやモリソンのヴェルヴェット時代と変わらないプレイと較べてリードとケイルにとってはヴェルヴェットの曲はセルフ・カヴァー(後期ヴェルヴェット曲でのケイルの場合は単なるカヴァー)でしかないのが伝わってきます。この一時的再結成の意義はギターのスターリング・モリソンが1995年に逝去し、これがオリジナル・メンバーのヴェルヴェットが演奏する最後の機会になったことに尽きます。ですが、25歳で演っていたことを50歳で演ってこうなるのは無理もなく、実現しただけである種の感慨があるのも事実でしょう。

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The Velvet Underground - Live MCMXCIII (Warner/Sire, 1993) Full Album : https://youtu.be/h-ZOfZfO3Qw
(Disc 1)
1-1. We're Gonna Have A Real Good Time Together
1-2. Venus In Furs
1-3. Guess I'm Falling In Love
1-4. Afterhours
1-5. All Tomorrow's Parties
1-6. Some Kind Of Love
1-7. I'll Be Your Mirror
1-8. Beginning To See The Light
1-6. The Gift
1-10. I Heard Her Call My Name
1-11. Femme Fatale
(Disc 2)
2-1. Hey Mr. Rain
2-2. Sweet Jane
2-3. Velvet Nursery Rhyme
2-4. White Light/White Heat
2-5. I'm Sticking With You
2-6. Black Angel's Death Song
2-7. Rock 'N' Roll
2-8. I Can't Stand It
2-9. I'm Waiting For The Man
2-10. Heroin
2-11. Pale Blue Eyes
2-12. Coyote