Recorded in New YorK City, June 2, 1959
Released by Riverside Records as the album "5 by Monk by 5", RLP 12-305, 1959
[ Thelonious Monk Quintet ]
Thelonious Monk - piano, Thad Jones - cornet, Charlie Rouse - tenor saxophone, Sam Jones - bass, Art Taylor - drums
セロニアス・モンク(1917-1982)の数ある名曲の中でも作者本人の演奏頻度は低かった割に(スタジオ録音は『Genius of Modern Music: Volume 2』'52、『5 by Monk by 5』'59、『Solo Monk』'65の3回だけ)、オーソドックスなAA'BA32小節形式のバラードにもかかわらずユニークなコード進行と意表を突く部分転調、スムーズなメロディーで、ジャズマンからの人気は絶大な曲。モンクのバラードというと短調の「'Round Midnight」ばかりが突出した人気曲ですが、モンクの数ある曲でも短調の曲は同曲と「In Walked Bud」くらいなので、バラードだって長調の曲の方がモンクの作風の本領なのです。モンクの初演はブルー・ノート・レコーズでのピアノ・トリオ編成による演奏で、のちの『Solo Monk』(Columbia)ではソロ・ピアノ演奏なので、モダン・ジャズとしては標準的な2管クインテット編成での演奏はリヴァーサイド・レコーズでのヴァージョンが唯一になります。モンクはブルー・ノート→プレスティッジ→リヴァーサイド→コロンビアと生涯4つのレコード会社を渡りましたから、移籍するたびにオリジナル曲の新ヴァージョンを再録音していたので、プレスティッジ時代以外には一応1回ずつ録音している、モンクの曲でも初期からのレパートリーになります。
モンク自身の初演もバド・パウエルのバップ・ピアノがモダン・ジャズ最前線で、多くのジャズマンがパウエル系のシャープなジャズ・ピアノを最高と見なしていた時代に、よくもまあこんな鍵盤をかき回すような素っ頓狂なピアノを弾いていたもので、パウエルをさらにアブストラクトにしたスタイルを築いたレニー・トリスターノがモンクを「ど素人だ」と忌み嫌っていたのは有名ですが、パウエルはモンクの弟分でしたし、モンク、パウエル、トリスターノこそがビパップ三大ピアニスト(落ちこぼれたのがエルモ・ホープとハービー・ニコルス)なので、モンクの演奏は今聴いても新鮮です。モンクを敬愛したジャズマンの代表的なカヴァーとしてスティーヴ・レイシー(ソプラノサックス、1934-2004)のモンク曲集ヴァージョン(ピアノはマル・ウォルドロンでドラムスはエルヴィン・ジョーンズ！)と、ジョー・ヘンダーソン(テナーサックス、1937-2001)のピアノレス編成ライヴ・ヴァージョンを上げましょう。レイシーはフレーズは端正なのに音色が素っ頓狂、ヘンダーソンはピアノレスなのとベースがチャーリー・ヘイデンなのをいいことに大暴れのバラード吹奏です。モンクの曲が一見シンプルながら、それだけに解釈の自由度が高いポテンシャルを持っていることがわかります。
Recorded in New YorK City, July 23, 1951
Released by Blue Note Records as the album "Genius of Modern Music: Volume 2", BNLP 5009(10-inch album), 1952 and BLP-1511(12-inch album), 1956
[ Thelonious Monk Trio ]
Thelonious Monk - piano, Al McKibbon - bass, Art Blakey - drums
Recorded at the Van Gelder Studio, Hackensack, NJ, October 17, 1958
Released by Prestige Records as the album "Steve Lacy Plays Thelonious Monk; Reflections", New Jazz 8206, 1959
[ Personnel ]
Steve Lacy - soprano saxophone. Mal Waldron - piano. Buell Neidlinger - bass. Elvin Jones - drums
Recorded live at The Genova Jazz Festival Villa Imperiale, Italy, July 9, 1987
Released by Red Records as the album "An Evening with Joe Henderson, Charlie Haden, Al Foster" as Red RR 215, 1987
[ Personnel ]
Joe Henderson - tenor saxophone, Charlie Haden - bass, Al Foster - drums
