人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

パイプ椅子いただきました

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 懇意な方が手配してくださって、新しいパイプ椅子が朝9時前に届きました。強度もこれまで使っていたものより頑丈そうです。それにこれ以上壊れたパイプ椅子でしのいでいたら、2週間あまりのあいだに傷み始めた腰痛がさらに悪化していたところです。

 グラグラしない椅子に座ったのは2週間以上ぶりだったので、椅子なのにグラグラしないんだなと妙なことに感心したりしました。この感じ覚えがあるぞ、と思ったら、使っているサックスがそうでした。筆者は楽器を買ってきて独学で演奏を覚えたので、台湾製の安いアルトサックスを使っていたのです。それでジャムセッションに出たりバンドを組んでクラブ出演したりもしてた。やってたのはモダンジャズですが、吹奏楽部でアルトサックスを吹いていたという観客の女の子が楽器を持って練習を見学しにきました。その子の楽器がアメリカの一流メーカーのセルマー社のアルトサックスで、マウスピースを交換してちょっと吹かせてもらって驚いた。運指の通りに正確なピッチで音が出たからです。筆者の使っていた台湾製の安物アルトサックスは正確なピッチで鳴る音程などなく、いちいちアンプシャーやタンギングで鳴らす音全部のピッチを調整しなければまともな音階が鳴らなかったくらいで、最初の楽器がそうだったからサックスというのはそういうものだと思っていたら、実はまともな楽器はちゃんと正確なピッチで鳴るものだ、とアメセル吹いて初めてわかった。ただし平均律ピッチも近似的ピッチには違いないので、そのつもりはなくても曲や調ごとに全然違うピッチで吹きわける訓練をしてきたことになり、だいたいピッチとは楽器に任せるものではなくプレイヤーの発音で決めるのが本来の音楽のあり方ではないか、とちっとも考えは改まらなかったものです。

 しかし座るたびにバランスを取り直さなければならない椅子というのは椅子というより椅子の代わりに使っている椅子ではない何かになるわけで、全壊してもはや椅子ではない椅子を無理矢理椅子の形にして使いつづけるのはやはり無理がある。それが証拠に腰が痛い。ちなみにパイプ椅子の後ろに写っているのがその、使用歴30年近くになる台湾製安物アルトサックスであります。

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