ジミ・ヘンドリックス、未発表音源とドキュメンタリー映像発売
https://www.barks.jp/news/?id=1000249462
ジミ・ヘンドリックスの未発表音源38曲を収めたボックスセット『Electric Lady Studios: A Jimi Hendrix Vision』発売・同名ドキュメンタリーも収録
https://amass.jp/176790/
2年前から噂になっていた作品がついに発売となる。
ジミ・ヘンドリックス自らがニューヨークにオープンした「エレクトリック・レディ・スタジオ」での活動を貴重な映像と音源で振り返る、3CD+Blu-rayのボックスセット『エレクトリック・レディ・スタジオ:ヴィジョン』(3CD+BD豪華ボックス)だ。9月13日に発売予定となっている。
CD3枚には1970年6~8月にかけての38タイトルの未発表音源を含む全39曲を収録されており、中には1970年9月に急逝したジミの最後のレコーディング・セッションも含まれている。
Blu-rayには日本語字幕が付いたドキュメンタリー映像と、最新5.1chサラウンドミックス音源が収録されたものだ。
(以上、ニュースサイトより)
掘れども掘れども出てくるジミ・ヘンドリックス(1942.11.27 - 1970.9.18)の未発表音源ですが、今回は近年15年間の『Valleys of Neptune』(Sony Legacy, 2010, US#4/UK#21)や『People, Hell and Angels』(Sony Legacy, 2013, US#2/UK/30)、『Both Sides of the Sky』(Sony Legacy, 2018, US#8/UK#8)のような1枚のアルバムとしてのまとまりを意図したものではなく、ジミ自身が念願の個人スタジオ「エレクトリック・レディ・ランド」を設立して間もない2か月間の未発表音源をボックス化したものです。付属のBlu-rayディスクも劇場公開予定の新規長篇ドキュメンタリー映像を収録しており、すでに試写では非常に評価の高い優れた映像作品になっているそうです。
3CDにおよぶ収録内容に完全未発表曲はないようですが、没後に『The Cry of Love』(Reprise, 1971, US#3/UK#2)、『War Heroes』(Reprise, 1972, US#48/UK#23)、『Crash Landing』(Reprise, 1975, US#5/UK#35)、『Midnight Lightning』(Reprise, 1975, US#43/UK#46)、『Voodoo Soup』(MCA, 1995, US#66/UK#83)への分散収録を経て、生前のジミの構想通りのタイトルと収録内容でようやく4作目のスタジオ・アルバム(ただし未完成テイク含む)としてまとめられた『First Rays of the New Rising Sun』(MCA, 1997, US#49/UK#37)と楽曲は重複するものの、すべて未発表別テイク(1曲のみ既発表)、または20分におよぶジャムセッション・テイクと、2枚組LPとして構想されていた『First Rays of~』のメイキング・セッションと位置づけられるボックスになっているようです。ジャズにおける最大のイノヴェーター(革新者)、チャーリー・パーカー(アルトサックス、1920~1955)のように、ロック史上最大のイノヴェーターであるジミは同一曲でも別テイクまで重要な別格のミュージシャンなので、今回のボックスがまとめられた意義は計り知れません。
このボックスを買おうというファンは、当然ジミ生前の4作の公式アルバム、『Are You Experienced』(Track/Reprise, 1967, US#5/UK#2, US Year Chart#1)、『Axis: Bold as Love』(Track/Reprise, 1967, US#3/UK#5)、『Electric Ladyland』(2LP, Track/Reprise, 1968, US#1/UK#6)、『Band of Gypsys』(Live, Track/Capitol, 1970, US#5/UK#6)や、決定盤『First Rays of the New Rising Sun』にいたるさまざまな未発表スタジオ録音集、発掘ライヴ盤の数々を聴いてきているでしょうから、今さら筆者ごときがあれこれ書くまでもないでしょう。ジミが夭逝していなかったら今年で82歳、ジミがもっとも信頼をおいてエレクトリック・レディ・ランド・スタジオの専属エンジニアに起用した録音エンジニアのエディ・クレーマー(1942~)も同年齢ですが、ジミの生誕100周年になる18年後の2042年に向けて、ジミの遺族である財団のエクスペリエンス・ヘンドリックス、そしてその頃には遺作になるかもしれないエディ・クレーマーも、とっておきの隠し球を温存しているかもしれません。今回の『Electric Lady Studios: A Jimi Hendrix Vision』のリリースに向けて新規制作されたMVと、ジミの公式YouTubeチャンネルにアップされているベスト・アルバム(初期シングルとファースト、セカンドの曲ばかりですが)を引いておきましょう。
Electric Lady Studios: A Jimi Hendrix Vision (Unboxing) : https://youtu.be/o0FIhSEV4NE?si=pOlqVkLFft7A4ftO
Jimi Hendrix - Angel (take 7) : https://youtu.be/hYngN-BZRhI?si=z406rIssauhFV23A
ジミ・ヘンドリックス - ザ・ベスト : https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_mkee0D1znAdAJoO08_Wmo2LmvIpQaCzxw&si=Qykngjjd1sPv_Xru