人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

俳句・5

[バフチリアの民]

・高貴かなバフチリアの民よ

・その名のみバクテリアに似るは口惜し

・わが秀でし友たちも皆バフチリア

・執着に限りなしとは途切れたし

・相思相愛ならばひたすら逃げるのみ

・ヘルダーリーン今こそあなたの荒廃を

[娘たち~女たち]

・「空っぽの旅行鞄」がわれなりき

・われもまた「女に覆われ」たる男かな

・わが躁鬱支配したるは女なり

・「私ってインテリじゃないと駄目みたい」

・「佐伯さん私のことを好きみたい」

・「バルコニーからあなたの住む部屋見えるのよ」

・「謝罪せよまず主治医それから男性患者」(ご両親より)

(わが前妻、駅前郵便局のマドンナなりし)

森茉莉の本を今こそ踏みつけに

・杏奴さんご主人共に麗しく

北杜夫いつも鼻水ヘソクリに(夫人はいつもはつらつさんかな)

荒木一郎色見本だけもらうなよ

・杏奴さん訃報に妻は号泣す(長女懐妊中)

・離婚後に電話で話すは次女ばかり

・「お姉ちゃん、寂しい時はパパの部屋」(次女)

・パパの部屋は今は物置部屋なりき

・わが長女いつもみんなに慕われたり

・なのに「本当の友達ってナナちゃんしかいない…」と言えり

・わが長女七夕の御願いは「みんなの願いがかないますように」

・次女は「…お姉ちゃんの御願いが」と便乗せり

・大人気パパこそ実につらかりき

・月見れば表がママで裏がパパ

・大人気パパに自慢げ娘らよ

・次女の我慢五分と続かず姉慌て