人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

里霧へのメール(退院報告1)

まず謝りたい。ぼくが重い躁状態で里霧さんに送ったメールはひどいものだった。あんなメールを送られても我慢しながら理解してくれたあなたは…と思うと、胸がつらくなる。

無事9日退院、帰り道に携帯電話新規開通手続きしました。ご心配、ご迷惑おかけしました。

今回も「佐伯さんが私を…」や「私佐伯さんが…」の女性患者が続出、牽制しあったりしてナースにまで「なぜ佐伯さんはモテるのか?」と人気者になりました。尻まで撫でられたしね。そこで一句、

中年や撫でたくなるほど良い尻(ケツ)か

一人だけ文通を約束した。肝硬変まで進んでいる39歳(10は若く見える。「えっ佐伯さん私より歳上なの?」)のアルコール依存性独身女性で「シャル・ウィ・ダンス」の主演女優似、長身でスリム、会話もシャープで頭が良く観察力も鋭い。でもぼくがよしの病院に入院中にAAや斷酒会、ミーティングで聞いたギリギリの事態にまでなっている。身体症状と精神症状、瞻妄・幻覚、離脱症状が続いて夜は拘束されている。
「だから入院してホッとしてるんです。でもまともに話せる人はだれもいなくて…」ぼくはよしの病院の学習内容を話した。彼女は2年以上お酒とポテチとチョコレートで胸がない。「腹水たまっちゃって…去年は内科に入院したんです。でも退院してからもずっとお酒飲んでた。ペットボトルに移して、待合室でも飲んでた」「…大丈夫、まだ間に合う。引き返せる。今はお酒を止めて心も体も治して」「…佐伯さんだけだわ、ちゃんと話ができて、気持ちをわかりあえる人」

彼女、M…純子さんは別れ際両手を握りしめてきて「ハガキ頂戴ね。待ってる」「落ち着いたらね」「退院したら…」「焦らないで。二人ともまだそれほどの歳じゃない。これからたっぷり時間はあるよ」「そうね、これから…」「乗り切れる?」「うん。できる…佐伯さんどこに住んでるの?座間?私小田急相模原なの。すぐ会えるね」