人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

キンクス/レイ・デイヴィス

どちらにするか迷った。もちろんジョン・ハイズマンとだ。レイ・デイヴィス(キンクス)とジョン・ハイズマン(コラシアム)に何の関係が?はい、実はこの二人同年同月同日生まれ、1944年6月21日が誕生日なのです。御歳67歳で現役ミュージシャン。英国方向を向いて一礼しようではないか。
ビート・グループのキンクスとジャズ・ロックのコラシアムでは音楽的に何の共通点もないぞ。ここは知名度から言ってもキンクスに軍配が上がるが、一応コラシアムも聴くかとレコード・CD棚を探すと全4作中3作が出てきた。20年以上前に買ったのでまるで覚えていない。なのに3枚とも買った店と状況は覚えている。これは神楽坂の版元と打合せ前に高田馬場の某店で98年2月27日に買ったな、まだ婚約者の妊娠が判明する前だったな、とまで思い出すのはスリーブにレシートがあったからだ。いくらなんでも日付まで覚えていない。でも正午すぎだったのは確かだ。雑誌業界は朝遅くて徹夜入稿します。映画は朝早いです。どちらも休日ありません。よく心不全で死にます。ぼくのライター時代はバブル景気と重なるから今は知りません。

20年ぶりに聴くコラシアムは当事は古かったが、今聴くとさらに古かった。さすがだ。きちんと歳月に逆らわずに古びていくのだ。後世のリスナーが追いつくことはないだろう。
孤高さでまず一点、あーこりゃイギリス人のやってるロックだなといえば二点、一流なのに何となく評価が定まらず見落されがちとなると三点、なんだ結構キンクスとコラシアムって同じような立場じゃないか、と誰も同意してくれなそうな感想を抱いた。
どんな風に見落されるか?2004年ブライアン・ウィルソンのロンドン・コンサートのドキュメンタリーがNHK-BS2で放映された。ビーチ・ボーイズ1967年の未完成アルバム「スマイル」を37年も経って完成させ、全曲ライヴで披露するという記念コンサートだ。司会者が「今日は著名なミュージシャンの方々がいらしております」とポール・マッカートニーエルトン・ジョンを筆頭に十数人の名前を挙げる。レイ・デイヴィスは5人目くらいに呼ばれた。でも日本語字幕では飛ばされてしまった!
ぼくだって「ユー・リアリー・ガット・ミー」くらいは演ったことあるのだ。今日のレイ・デイヴィスの誕生日を記念し、拙文を以て7年前のご無礼をお詫びしたいと思う