人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

パニック障害(発作)について・1

ぼく自身がパニック障害(パニック発作)の経験者です。2004年秋から始まり、家庭生活末期の2006年末~2007年春に肺炎と知人の自殺と躁鬱病の発症と共にピークを迎え、離婚後次第に回数を減らして2009年秋にほぼ終息しました。躁鬱病を抱えたままでは完治とは言えず、1~2か月に1回くらい、つい数日前にもありましたが、衣服を緩め、じっとこらえているうちに去りました。
パニック障害の発作は、極度の緊張に陥った時に起きる肉体的苦痛を想像していただければ妥当なところです。ぼくは典型的な症状で、胸苦しさを感じると共に突然動悸が平常の倍の強さと速さになり、呼吸困難になって起きていられず、死の恐怖と苦痛で呻き声がでます。そして30分~1時間して突然拍動が一瞬止まり、何事もなかったかのように平常に戻ります。
発作を経験した人はまず心因性のものとは考えませんから、総合病院の循環器科で心臓を検査してもらいますが、心臓自体に器官的異常なし。この時点でパニック障害の可能性と神経科(精神科)への受診を奨められた、というパニック障害経験者にぼくは何人も遇いました(その人たちの場合は、統合失調症候群の先駆症状だったようです)。残念なことに、ぼくの担当医は「異常なし。以上」という人でした。
原因は不明とされていますが、一般的にストレスが源になって脳内の機能障害が起こっているとされ、対症療法として不安を緩和する作用のある精神安定剤が処方されます。
また、パニック障害のやっかいな点は、パニック発作の経験が再発への恐怖感となって「予期不安」と呼ばれるノイローゼ状態をもたらすことです。実際パニック発作は救急車を呼ぶ人も少なくないくらい、急激で激しい苦痛を与えます。予期不安によってパニック発作の頻度は高まります。
予期不安に進んだ患者は以下のことが苦痛になります。

●人ごみにいること●単独外出●トンネルの中●行列に並ぶ●公共交通機関に乗る(自家用車、タクシーは可)●エレヴェーター●留守番●会議・集会への参加

服薬と共に「認知行動療法」と呼ばれる学習による治療が行われます。パニック発作では死に至らないことを知り、上記のことに少しずつ慣れていき、不安を解消し、社会復帰を目指す方法です。早期の発見と治療に勝ることはなく、治療には時間はかかります。でもそれしかないのです。