人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

サン・ラ・アーケストラ!

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サン・ラというミュージシャン(ピアニスト、バンドリーダー)をご存じですか?フランスのGongとMagmaが宇宙人という設定でバンドやっているのはSun Ra Arkestraという50年代初頭からシカゴで活動していたジャズのビッグバンドの直接の影響です。
ステージは熱狂的で火を吹いたりアジ演説になったり合唱が始まったりの何でもあり。シカゴに巡業しに来たジャズマンはステージ見てリーダーのサン・ラに紹介されビビって帰り、おかげで活動中から伝説的バンドになりました。フランスだけではなくアメリカでもParlament,FunkadelicEarth,Wind&Fireといった大所帯ファンク・バンドに影響を及ぼしています。
サン・ラは長らくジャズ界の異端とされてきました。マイナー・レーベルへの多数の吹き込み以外にも自主製作のサターン・レーベル(土星人に決めたようです)からの大量のアルバム・リリースがあり、全アルバムは軽く200枚は超えるでしょう。メンバー全員が広大な一軒家に住み、リハーサルついでにアルバム録音もしていたようです。だから明確な録音時期、発売日がはっきりしないアルバムがサン・ラにはごっそりあります。
ここでジャケットを掲げた3枚を紹介しましょう。上から、
●Futuristic Sound Of Sun Ra(1958?)
●Collage Tour Vol.1(Complete'Nothing Is'1964)
●Heriocentric World Vol.2(1965)
サン・ラが脚光を浴びるようになったのはコルトレーンが影響を公言し、フリー・ジャズの先駆者とされてシカゴ以外にも巡業を始めて反響を呼んでからです。ヨーロッパのプロモーターが目をつけ70年代のジャズ・フェスで不動の人気を獲得しました。
はっきり言ってこのバンドは変です。アメリカの黒人ファンク・バンドがスタイルで影響を受けたとしたら、GongやMagmaはコンセプトと音楽性までSun Raに影響されています。とにかく基本から変。ピッチ、和声、リズムが変。宇宙人みたいに変。本人(故人)によれば「地球を救うためにわれわれの星の音楽をやっているのだ」そうですが、それがこれなのか?1枚なら、アルバム'Atlantis'も推薦