人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

病名について

確かにメンタル系の病気で通院している人はそれで悩んだり、不服に思ったりしている人も少なくないようだ。「病名を教えてくれない」。生前告知が問われる種類の身体疾患じゃあるまいし、一体何で教えてくれないのだろう?
そう思ううちはまだ見込みがある。本当に慢性化してしまったら家族に病状が告げられるだけだ。特に病名も言われず問診と処方だけの段階なら焦って病名を知るまでもない。
(ただしおれの個人的意見は、本来は医療にも説明義務があるべきだし、どの段階で説明するかを医師は明確にすべきだ、と考える。つまり説明できない理由も明確にすること)。
おれの主治医も患者や家族によって変えているようだけど(一般的に女性患者や女親の方が疑い深くて、病院を転々とする場合が多いみたいだね)、おれの場合はインテリ(おれが言ったんじゃないよ-笑)だから、パニック障害みたいに認知行動療法として診断名をはっきり告げて自分で文献を探して勉強させるのも治療の一環だと考えているようだ。問診でもいろいろ質問して教えてもらう。
病名を意識させるかどうかは本当に患者次第だと思う。病名から変に思い込みをしてしまって、それで反発したり浸ったりするタイプの患者には処方の説明だけで済ませるのもやむを得ないだろう。
ご家族のなかでガンとして(たいがい母親)子供(たいがいひとり娘)の精神疾患を認めたがらない、という例も数件見てきた(おれ、患者なんですけど)。開業医なんかそんなの何百件も診てきただろう。
おれが話を聞いたり目の当たりにしてきたかぎりでは、精神医学ではジェンダーの問題はまだまだ十分に対処できない領域だ。女性の精神科医もいる。だがそれが医療現場でのジェンダーの問題を解消しているとは見えない。
おれのように精神病院に出たり入ったりしていると、男と女を同じ人間のオスとメスとは思えなくなってくる。女性患者で病識のある人はほとんどいない。やりたい放題、言いたい放題。そこへいくと男性患者なんか借りてきた熊みたいなものだ。保育園の昔に帰っている。
おれくらいの病気になると病気は病気、それに他人に自分の病気を説明しなければならない場合も多いから、自分の病気は至ってクールに考えている。
それにほら、想像してごらんよ。神さまから見れば精神病なんかないんだぜ(ちょっと矛盾)。