人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

どの窓の中にも( 再説・精神疾患)

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(前置き)

…閉めきった どの夜の窓の中にも

夜をすごす ひとつづつの家族

ひとつづつ 明かりが消えるたびに

消えていく ひとりづつの家族

*

「幸福な家庭はみんな似通っているが、不幸な家庭はどれもさまざまである」
(トルストイアンナ・カレーニナ」)

*

先に「再説・精神疾患」という一文を掲載しましたが、いつも自分の筆の拙さ・理解力の浅さに歯がゆい思いをしています。今回は統合失調症候群についてほとんど書けませんでした。
精神疾患については、病名くらいは聞いていても、肉親や配偶者くらい身近な人にいないかぎりよく知らなくて当然ですよ。本当は大学の一般教養といわず高校生で基礎知識を持ってほしいけど、まだタブーに近い面があります。正確に理解できないと偏見に結びつく怖れがあって、まだ未成年くらいでは社会的にも感情的にも理解は相当難しいでしょう。生活経験がないと十分な理解はできない。精神疾患に悩む当事者と家族ですら客観的理解は難しく、心理的抵抗に直面してそれを乗り越えなければならないのです。
ぼくのブログに寄せられるコメントにも、よそのブログを拝見しても、病状や治療について家族の理解が得られない、という悩みが多く見られます。「女の場合、家族の意見に左右されることが多いのです」とコメントをくださった女性もいました。確かに、ブログで精神疾患の悩みを打ち明けているのはほとんど女性で、家族関係が悩みをより複雑なものにしています。家族関係抜きに精神疾患の悩みを語っている女性はほとんどいません。これが男性の場合は、もともと少数の上、家族の理解が成り立っている上で治療がなされている様子がうかがえます。ブログ上での傾向をそのまま全体的な統計と見なすわけにはいきませんが、晩年に太宰治がたどり着いた究極の反社会的思想を想起せずにはいられません。
「子供より親が大事」と太宰は言いました。「家庭は諸悪の根源である」

昨晩は「ダイ・ハード2」を楽しく見ました。明日は「荒野の用心棒」です。今日はメンタル・クリニックの受診日でした。
孤独と自由は表裏一体です。これが未決囚監でぼくが学んできたことです。