人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

裸のラリーズ、村八分、頭脳警察

イメージ 1

イメージ 2

イメージ 3

前回は日本のアンダーグラウンド/オルタナティヴ・ロックの祖であるジャックスについて粗述しました。ジャックスの解散は1969年、ずっとアルバムも廃盤のまま伝説のバンドとなり、再評価され不動の名声を獲得したのは80年代後半になってからです。
今回ご紹介する70年代の3バンドは活動中から伝説的となり、熱狂的なファンの支持で活動を継続する一方、ファン以外の大衆的人気を博したことがありません。バンド自体も非妥協的な姿勢を貫きました。

裸のラリーズ/デビュー以来メジャーにもインディーズにも録音拒否。42年間の活動でアルバムは自主製作盤CD3作(91年)のみ。以後再評価・伝説化高まる。海賊盤には寛容で、40作以上のアルバムが流通。

村八分/2年間の活動で解散コンサート「ライヴ!」を残す。90年代初頭に活動再開するもヴォーカリスト急逝で消滅。以後再評価が進み8枚組ボックス、発掘ライヴなど20枚に及ぶ。

頭脳警察/72年~75年に6枚の傑作アルバムを残し解散(5枚はメジャーからリリース、うち1枚は回収。1枚は発売却下され自主製作)。90年代初頭期間限定再結成。現在も再結成されライヴ10枚組、全レパートリー再現ライヴDVDを発表。カルト・バンドでありながら評価と人気の高さにメジャー・シーンで活動する稀有な存在。

さて、日本ロック史上最大の謎と言われる裸のラリーズ。謎の原因はもともと評価も高いとは言えずレコード発売契約もない一介のアンダーグラウンド・バンドだったからですが、活動10年になろうかという頃から日本最古の現役ロックバンドとしてだんだん困った存在になっていきました。
あらためてネットや印刷文献調べてみましたが、06年の「ロック画報」裸のラリーズ特集号では水谷孝氏自身の閲覧、07にもライヴ記録があり、この5年間でもオフィシャル・ブートレッグが続々とリリースされていますので、逝去されていればインフォメーションがあると思われます。現在までに訃報はなし、としか申せません。ちなみにぼくは高校時代に2回、ロックフェスでラリーズを見ています。当時はラリーズの評価は定まっておらず、元祖アンダーグラウンドとも過去の遺物とも呼ばれていました。もう30年あまり前の話です。正直当時のラリーズは、そのどちらとも首肯できるような存在でした。