人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

サンマー麺屋の裏表

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いまだ休業を続けるヤキトリ屋「こーちゃん」。週末の雨のあとでも「都合によりしばらく休業します」の貼り紙は微塵の乱れもない。サランラップで覆う、という手口にやっと気づいたのだ。それまでは雨降りのたびに濡れて吹き飛ばされていた。
今回はガムテープで裏面までしっかり固定してあるあたり、長期臨時休業を続ける意志は揺るぎないと見た。敵の油断を誘うためなら営業すらも放置する。あながちモンハンばかりが理由ではないのだ。数々の傭兵体験を潜り抜けてきたじいさんなりの方策がこの「開店休業」作戦にはある(とは思うが、こんな非効率的な手段は独断専行の可能性も高い。パルチザン上がりらしいワンマン性が感じられる)。
そもそもヤキトリ屋向かいのサンマー麺屋の監視と牽制から始まったとおぼしいこの冷戦状況だが、現状では圧倒的にサンマー麺屋の有利にある。今回は裏口にまわって撮影してきた。そこそこ敷地も広く、5LDKは下らない立派な築35年木造2階建て民家である。対してこーちゃんは立ち食いソバ屋ほどもないプレファブ小屋。じいさんの自宅はおそらくそこそこ裕福だと思われるが、サンマー麺一家に対してヤキトリ屋部隊では命令系統にも結束力にも大きく水をあけられているのではなかろうか。
家族経営が予想されることからこれまでサンマー麺屋の実力を侮ってはいなかったか?ヤキトリ屋が隠居老人を隠れみのにした精鋭部隊の拠点だとしても、居を共にするサンマー麺屋一家ははるかにスキルを積んだ先祖代々からの間諜一族かもしれないのだ。
間諜一族。もしそうならば、これまでの仮定はほとんど意味をなさなくなる。つまりこれまでは近代戦の枠内でヤキトリ屋とサンマー麺屋の冷戦状況を見守ってきた。いわば合理的な損得が前提にあり、諜報状況の調査と牽制はなんらかの根拠と目的があるとの視点に立って一連の現象を観察してきた。近代戦における諜報活動とはそういうものだからだ。
おそらく「こーちゃん」側は国家直属、または地方公務員かもしれないが、いずれにせよ司法組織の配下にある。つまり活動もすべて法的に拘束されている。
対するにサンマー麺屋がどれほど手に負えない存在か言うまでもない。間諜一族というだけで代々のクライアントに委任されてきた。なにを委任されてきたのか?それすら合理的な理由はなかったりするのだ。