人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

夜ごと太る女pt3 ・考察/分析篇

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##さんこんにちは。昨日のエッセイを書くにはポルノ的にならないか、彼女に一方的にならないか、のろけ話にならないか気を使いました。ただですら不倫が題材です。しかし本当の主題は真剣なものです。人と人の心は、なぜすれ違ってしまうのか?
それはぼくがいかに真剣に彼女を愛したかに関わるものです。不倫というより、少なくともぼくにとってはひとりの女性をあるがままに、まるごと愛することでした。
彼女は化学者で主婦でしたが読書家で、文才は俳句でもご覧のとおり豊かな感情と表現力の持ち主です。あれは不倫俳句の金字塔です(笑)。「元彼に文才が?」とのご質問ですが、特にそういうこともなく、元彼(結婚前に2人)、現在のご主人も本など読まず、趣味はパチンコとのこと。
彼女は3年前の中絶手術から鬱→アルコール依存症に進んだのですが、鬱とアルコール依存症の間にご主人が中絶手術をまったく覚えていない、ということから夫婦関係はいっそう冷え込んだものになりました。夫が覚えていないなら(と思ったそうです)あの子を殺したのは私なんだわ、と彼女は思い詰め、鬱で製薬会社を辞めて家族に内緒で精神科に通院し、アルコール依存症と鬱、リストカットが目に余るようになって入院したのです。
セックスについても、彼女の性的無知は二女の母である40歳の既婚女性としては考えられないほどでした。彼女はマスターベーションはともかく「セックスで気持ちいいのは男だけで、女は感じないもの」とずっと思っていました。彼女はまるで風俗嬢がさせられるような、脅迫的なセックスしか知らなかったのです(特にご主人からは)。
だからぼくを相手に初めて経験して、彼女の混乱はますます深まりました。彼女の性的無知は誰かが一方的に責められることではないでしょう。彼女自身はそれを自分と同い年の男性経験ばかりだったから、と考えたようですが、それは明らかに問題のすり替えで、彼女自身に男性に対して隷属的な傾向がありました。女は男に仕える、その代わり男は所有した女に経済的にも社会的にも独占されなければならない(彼女は次女でしたがご主人は婿養子でした)。
今どき、しかも40歳の既婚者でそんな考え方をする女性がいるとは信じがたいことでした。まるで「チャタレー夫人の恋人」です。この問題を抱えたまま、彼女とぼくは別れることになりました。