人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

加川良『ゼニの効用力について』

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加川良(昭和22年滋賀県生れ)は岡林信康高田渡遠藤賢司と続くアングラ・フォークの流れで高田渡の推挽でデビュー、70年のフォーク・ジャンボリーで斎藤哲夫とともに一躍注目され、71年6月にアルバム「教訓」がリリースされる。

『教訓1』

命はひとつ 人生は1回
だから 命を すてないようにネ
あわてると つい フラフラと
御国のためなのと 言われるとネ

命をすてて 男になれと
言われた時には ふるえましょうヨネ
そうよ 私しゃ 女で結構
女のくさったので かまいませんよ

死んで神様と 言われるよりも
生きてバカだと 言われましょうヨネ
きれいごと ならべられた時も
この命を すてないようにネ

青くなって しりごみなさい
にげなさい かくれなさい
(作詞・作曲:加川良)

この曲は翌71年なぎら健壱が「教訓2」と改作して出世作となった。
加川は当初からロック色が強く、次の曲ははっぴいえんどをバックにした、ブレヒト原詞の名曲。

『ゼニの効用力について』

ネェ お前さん方よ
ゼニをいやしいものと思うなら
言っとくが その考えは まちがっていますよ
この世はつめたいよ ゼニがなけりゃ
そう ここにいるあんた達にも言える事ですよ
ゼニの力が働けば この世は金色さ
そう 凍っていたものも溶けて 日にあたたまる

ネェ お前さん方よ
ゼニなどくだらんものと思うなら
言っとくがその考えは まちがっていますヨ
この世はさみしいよ ゼニがなけりゃ
そう お前さん方は飢えるだろうし
てあたり次第に奪いあう
ゼニさえあれば やっかい事もおこらない
ゼニのない奴ァ夢さえもてず あの世へ行く日を
待ちわびるだけ

ネェ お前さん方よ
ゼニをいやしいものと思うなら
言っとくがその考えは まちがっていますよ
この世は つめたいよ ゼニがなけりゃ
そう善人だって偉人だって
それにそのままあてはまる
ゼニを信じぬカタブツが
偉大をめざせるものじゃない
人として目ざすのは 善じゃなくて銭なんだ

正しいものが 正しくなるさ
正しいものが 正しくなるさ
(作詞・作曲:加川良/アルバム「教訓」1971より)