「ぷりぷり県」というのは15年ほど前の吉田戦車さんの漫画で、お国柄を県ごとに検証する学術的というか、飲み屋の馬鹿話的というか、そういう作品でした。たとえば「かかあ天下の国」とかね(それしか憶えていない)。
吉田さんは私が1年ほど勤めた編集・出版社の先輩に当るのです。私が入社した時にはもうフリーで、忘年会で面識があるくらい。吉田さんはまだブレイク前で、どうせ吉田だからということで一切編集部と打ち合わせなしに、出来たら載せるという治外法権みたいな作家さんでした。
さて、話は某ぷりぷり県クロスロード町(実名)の妻の実家に戻ります(3月3日付記事より)。とにかく巨大でしたよ、あの雛壇は。あれはうちの長女が継ぐってことになるのかな。子どもが遊ぶ気おこらないほど偉そうでした(継いだって置く部屋ないぞ)。
弟は奥さんがF県ですが、男の子ふたり、鎧兜は150万円ずつ張り込んだそうです。端午の節句は親戚中が鯉のぼりを持ちより田んぼの端から端まで約200メートル吊るす。当然男ども総動員ですが毎年リーダーが持ち回りで、これでしくじるとメンツを潰す。弟は負けず嫌いだからアホらしいと思いつつやりとげて男を上げたそうです。
それはなぜ?愛を確認するため?他人を愛せない人生は地獄(ドストエフスキー「カラマーゾフの兄弟」)だから?
愛の欠乏はストレスを引き起こす。それはたしかでしょう。でも愛の過剰もストレスをおこすかもしれない。難しいですね。
まあ弟は元々見栄張りで、外車買った時には見せに来ましたが、私にはわざわざ見せたい気持がわかりませんでした。
うちは3歳差(高校=中学、大学=高校が同時!)なので学資保険と娘らの学力が頼りです。保育園は家庭的な雰囲気に恵まれて、やはり女の子の方が社交的。立って歩く頃にはグループ遊びやおしゃべりしていましたね。土日も誘いあって行き来していました。娘たちの友だちは、私にとっても娘や息子のようでした。
ところでミリはわかるけどデシリットルのデシは100分の1でしたっけ?先日自分の常用薬に「πミリグラム」と、パイのようでパイでない文字があったので調剤師さんに尋ねたら、マイクロミリグラム、1グラムの1000分の1の1000分の1と教えられました。そんなの人間にわかる単位じゃない(笑)。体感できない。まるで控え目すぎる愛のように。