人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

HELP! 4人はアイドル

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「ジョンは躁鬱だったかもしれないけどA型かB型だったんじゃないかと思います」という意見をいただきました。血液型性格判断は日本ならではとはよく言われること。欧米の資料を探しても出てこないでしょう。もしあるとしたら日本人によるインタビュー、もしくはアンケート。だがそれも滅多にない。ビートルズだけはあまたあるロック・バンドの中でも雲の上なのです。
シンコー・ミュージックの「ミュージック・ライフ」が星加ルミ子編集長の下にそれまでのマニアックな洋楽誌からミーハー路線を邁進したのは、それまでのロカビリー・ブームをはるかに超えたビートルズのブレイクでした。
(上)はビートルズ来日に先立ってルミ子編集長がロンドンのビートルズの事務所に出向いた時の記念写真を堂々と表紙にしてしまった「ミュージック・ライフ」をそのまま表紙にした(ややこしいですが)60年代の「ミュージック・ライフ」掲載のビートルズ関係のほとんど全部の記事を合本にした復刻版。
今回血液型の手がかりを求めて再読してみましたが、さすがのミュージック・ライフも血液型はマニュアルになかったようです。血液型性格診断そのものがまだ流行していなかったのかもしれません。

そのかわりさすがオン・タイムの強みで、毎月必ずイギリスの通信社からのビートルズ記事を、たぶん版権料金が特別でも載せているのにはあらためて感心しました。四人はアイドルだったんだなあ、と今さらながら思い知らされました。
70年代の東郷かおる子編集長時代にはクイーンはじめ日本独自アイドルの発掘に進みます。70年代には欧米ではロック・ミュージシャンのアイドル的扱いが沈静化したけれど、日本では依然としてアイドルが求められていた、ということでしょう。

ビートルズのアイドル時代の記事は女性週刊誌と大差ないものでした。サンプルとして図版を2点掲げましたが、ジョージの結婚はたいへん結構だとして(囲み記事には花嫁の家系や家族構成まで詳しい解説あり)まだ独身なのはポールだけだ、と話の広げ方はかなり強引じゃないでしょうか。これを過剰報道と感じないのがミーハーというものです。当時のビートルズにおいては、動きがないことまでニュースになったのです。「ビートルズ時代は数週間が数年分にも感じられた」と後にジョージが語っています。確かにそんな感じがします。