人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

大怪獣出現!世界最強怪獣メギラ

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DVDのパッケージが外国版ポスター(タイトルが仏・独語だ)を使った図版上、たぶんフィルムの切れ端から採った怪獣登場シーンが図版中、完全に宣伝用の嘘写真が図版下だ。最初は(予告編によれば)「恐竜くらい」の大きさで出てくる。しかしこのスチール写真だともの凄いことになっている。腹這いでも高層ビルよりでかく、町ひとつというか、山脈くらいでかい。「はらぺこあおむし」を思い出した。

DVDのタイトルは「大怪獣出現 世界最強怪獣メギラ登場」(ランコーポレーション「傑作SF映画選」)で原題は'The Monster That Challenged The World'1957、ユナイテッド・アーティスツ配給独立プロ作品。84分の作品だが60年の日本初公開では43分(!)に短縮され、68年の「サンダーバード」併映から「大怪獣メギラ」というタイトルになった。作品中ではモンスターとしか呼ばれないが(原題がカッコ悪い。どうも欧米人は怪獣映画に散文的なタイトルをつける。なんだよ「世界に挑んだ怪獣」って)言霊の国・日本ではそれではアピールしない。なにか怪獣らしい名前。目がギラギラしているからメギラ。そんな安直な!

舞台はカリフォルニア、ほとんど海軍施設が舞台に話は進む。巡回艇の乗組員が次々と洋上で謎の死をとげる。30分経過、ようやく怪獣が姿を現す。核実験の影響で肉食化したカタツムリの報告例からそれが海中で巨大化したものと推測される(溶けないのか?)。
で、最初に犠牲者になった水兵の未亡人と少女が海軍の研究室のサンプルから蘇生したメギラ(何匹いるんだ?)に襲われて間一髪を助けられ、消火器で目潰しを食らいガス(何のガス?)を噴射され続けて、ついにメギラ倒れる。「やったぞ!」ああ、もう映画が終る…。

終ってしまった。これで?ぼくはYouTubeで見て無字幕は苦にならなかったが(12歳くらいが対象年齢の映画だからだ)、アメリカ海軍カリフォルニア基地の軍人さんたちはユーモアのかけらもない。ジョークのひとつもとばないアメリカ映画はめったにないが、これがそれだ。日本では怪獣がらみではないシーンを可能な限りカットしたら、84分の作品が43分になった。人間ドラマが適当なのではない。無駄に真面目に作ってあるのだ。
ところで素朴な疑問。どこが世界最強?