人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

(16)イタリアのヘヴィ・ロック-2

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前回はアルバム紹介の紙幅がなくなった。エアロはイタリア移民系バンドだが先輩イタリア系バンドにはラスカルズ、レフト・バンクがいる。エアロのスティーヴン・タイラーはレフト・バンクのコーラスがレコード・デビューで、同バンドのヒット曲『行かないでレネ』(『泣かないで~』だったか?)は伊70年代ロックの夜明け、フォルムラ・トレのデビュー作「怒りの日」1970にカヴァーがある。それは前から知っていたが、イタリアのロックの説明には「初期のエアロみたい」で片づくとは盲点だった。エアロの『ドリーム・オン』はバンコみたい、『ホーム・トゥナイト』はオザンナみたい(本当です)なのだ。まあPFMとアレアは全然エアロっぽくないがジャズ・ロックだから仕方ない。

この調子だとまたアルバム紹介を逸しそうだから先に書いておこう。年代順。

○ロヴェッショ・デッラ・メダーリャ「聖典(ラ・ビッビア)」1971(画像4)
○ラコマンダータ・リチェヴェータ・リトルノ「水晶の世界」1972(画像5)
○イル・バレット・ディ・ブロンゾ「YS(イプシロン・エッセ)」1972(画像6)

ここまでが前回掲載で、今回初掲載は、
○ムゼオ・ローゼンバッハ「ツァラトゥストラ組曲」1973(画像1)
セミラミス「フリッツに捧ぐ」1973(画像2)
○ビリエット・ペル・リンフェルノ「地獄への乗車券」1974(画像3)

になる。72年~74年に集中している。75年以降アルバムを出したバンドはいない。RDMが3作、ブロンゾ2作を残した以外は1作きりのバンドばかり(90年代以降に復活作を出したバンドはある)だがこの6枚、イタリア70年代ロックでも生粋の名作と定評あるアルバムばかりなのだ。
サウンド傾向を言うとずはりオザンナ系。オザンナ最高傑作は72年発表の2作「ミラノ・カリブロ9」か「パレポリ」とされるがおそらく直接影響はない。ジェスロ・タルキング・クリムゾンの影響が強い。

それにしてもバンド名が困りものだ。オザンナは「神に感謝を」だが紹介順に訳すと「メダルの裏側」「到着返信書留郵便」「ブロンズの弾丸」「ローゼンバッハ美術館」「古代バビロニア女王(セミラミス)」「地獄への片道切符」となる。ではオザンナ系とはなにか?邪悪と狂気です。タルとクリムゾンです。