人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

(24)最終回!まだある個性派集団

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途中で予想した通りの回数で大団円としたい。今回は無理をせず「個性派」ということでまとめた。どのバンドも一種の通好みなので関連作品を添えて一回分を割くこともできるが、イタリア70年代ロックのファンでも好みが分れるものをあえて推薦しようとは…そういう回もあったが、とにかく一応の最終回としてはイタリア70年代ロックの懐の深さをもってまとめにしたい。まだアルファタウラスとかプラネタリウム、ストーミー・シックスとか未紹介バンドはあるが、フランス8回にドイツ14回もやったのだ。イタリア24回!訪問者の方もほとんど読んではいないのではないか。

まずフレア(画像1)はこれが1972年の唯一のアルバムで、非常にテクニカルなハード・ロックを聴かせる。75年に再結成されるまでメンバーは引っ張りだこだったようだ。再結成バンドのエトナはイタリア屈指のジャズ・ロック集団として名を上げる。さすがだ。

ジャンボはイタリアでは皆無に等しいブルース・ロックバンドだが第三作にして最終作「18歳未満禁止」1973(画像2)でブルース・ロックとプログレッシヴ・ロックの融合という異様な音楽を作り上げた。イギリスには唯一ジェスロ・タルという先例があるが、イタリアならではの民謡的要素、クラシック的要素も滲み出るジャンボのアルバムは90年代以降高い再評価を受けることになる。

たった五枚のアルバムしかリリースしなかった弱小インディーズ・レーベルのグロッグからただ一作だけのアルバムを残したバンドがチェレステ(1976、画像3)で、簡単に言えばフルートとアコースティック・ギターにメロトロンがプログレッシヴ・ロック的な彩りを添えるフォーク・ロックという、ありそうでなかったサウンド。この唯一のアルバムが再評価され前身バンドのイル・システマ、チェレステのセカンド・アルバムにあたる録音、映画サウンドトラック音源、後身バンドのサン・トロペズの各お蔵入り音源が次々とCD化され、2010年には「Celeste/1969-1977」という4枚組CD全集が伊日同時発売で出た(日本盤は「天国の調べ コンプリート・レコーディングス」)。2004年のビリエット全集も驚いたがさすがに日本盤は出なかった。どちらもインディーズから一枚きり出して消えたバンドなのに全集!イタリア人もどうやら判官びいきのようだ。