人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

「となりのトトロ」1988年・86分

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今夜(2012年7月13日)の放映で「となりのトトロ」のテレビ放映は1989年以来13回目だそうです。ほとんど毎年ですね(去年はなかったけど)。
筆者は主治医とよくテレビ放映映画の話をしますが(メンタル面の参考に)ジブリ作品の話題となると「もう何十回見たかわからないよ」と中年男同士で苦笑がこぼれます。
筆者は長女が小学三年の初夏に離婚しましたが、長女・次女共に保育用ヴィデオとして「トトロ」はそれこそ何回見たか判りません。週1回、年間50回は見たか?「トトロ」のムックは長女の国語の教科書のひとつでした。

現在はアニメの域を超えて国民的保育用品ともいえる「トトロ」ですが、1988年4月の初公開では高畑勲監督作品「火垂るの墓」の併映作品でした。地味な題材なので70年代から眠っていた企画だったのです。着想の一部は「パンダコパンダ」に使われ、主人公が二人姉妹になったのも制作途中からでした。新潮社がスポンサーについた「火垂るの墓」があくまでもメインで、併映作品の必要から陽の目を見たのが「となりのトトロ」でした。
興行収入は5.9億円。これは日本映画の歴代興行収入ベスト3を独占する宮崎作品「千と千尋」304億円・「ハウル」196億円・「もののけ」193億円とは比較にならない業績で、ジブリ=宮崎監督は大手スポンサーとヒット性を満たした次作「魔女の宅急便」の制作を急ぐことになります。

しかし作品自体の評価は当時から高く、キネマ旬報・映画批評両誌で年間日本映画ベスト1、現在ではイギリスの映画批評誌のアニメーション・ベスト50投票でベスト1に選出されています。OP主題歌「さんぽ」は童話作家・中川李枝子(「いやいやえん」「ぐりとぐら」)作詞、ED主題歌は監督作詞で、アニソンを超えて童謡スタンダードと言って良いでしょう。
テレビ放映は必ず20per以上の高視聴率。これは今後も続くでしょう。

二女の父だった筆者には糸井重里の見事な父親役がお手本でした。イッセー尾形に交渉したら事務所の推薦で糸井氏になったそうです。
長女はさつき、次女はメイちゃんの気持で見るようでした。母親不在に近い家庭でしたから、父親の役目は切実でした。

沼のサンダルの持ち主は?映画後半姉妹に影がないのはなぜ(手抜きだそうです)?話題は尽きませんが、まずはここまで。